アメリカ・カリフォルニア州のグレンデール市。2013年、市立図書館に隣接する公園に韓国系市民団体によって「平和の少女像(慰安婦像)」が設置された。これはアメリカ国内で初めて公共の場に常設された慰安婦像であり、その後、像の撤去を求める日系人らの提訴が起き、大きな法廷闘争へと発展した。
その論争のただ中で、「強制連行は見たことがない」「ウソを歴史にしてはならない」と声を上げた一人の韓国系アメリカ人男性がいた。日本統治時代の朝鮮半島に生まれ、10代半ばで終戦を迎えた彼は、自らの体験と記憶をもとに、慰安婦問題のウソに毅然と反対した。当時の新聞に掲載されていた慰安婦募集広告の記憶や、「戦後になって突然広まった強制連行説」への違和感を率直に語り続けた。
本書は、著者である記者と彼が10年にわたり重ねた対話をまとめた証言録である。男性は、慰安婦問題に異を唱えるだけでなく、日本政府の及び腰の姿勢にも疑問を呈し、「日本人自身が事実に基づいて堂々と反論すべきだ」と訴え続けた。また、日本統治時代についても一貫して「良いものは良かった、悪いものは悪かった」と是々非々の立場で冷静に語っている。
国際社会の中で、沈黙しているだけでは歴史認識は一方的に形づくられていく――。一人の証言者が遺した言葉を通して、歴史と誠実に向き合うことの大切さや日本人の誇りについて、読者に深く問いかける一冊。