日本の中小企業(総企業数の99.7%を占める)において、その発展を支える「宝」と言える人材の育成が急務。大企業に比べ教育体制や資金力で劣る中小企業が持続的に成長するためには、精神論に頼るのではなく、科学的根拠に基づいた「管理力」の強化が不可欠である。管理の本質は、PDCA(業務改善や品質管理を継続的に行うためのフレームワーク)サイクルを回し、現状の維持・改善と将来の価値創出を両立させることにある。具体的には、事務・営業・生産の各現場で「なぜ」「何のために」という疑問を持ち、散布図や管理図などの科学的手法を用いて数値を言葉で分析する訓練が求められる。また、労働の本質を突いたマネジメントとして、A・マズローの欲求段階説やD.マグレガーのXY理論を引き合いに出し、部下の自己実現欲求を組織目標と連動させる「目標管理」が重要である。特に管理職は、単なる指示出しに留まらず、山本五十六の精神「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ」を実践し、現場で共に汗を流すことで部下の共感と行動変容を促すべきである。世相を反映したニッチな市場やAI・省力化事業への挑戦、差別化戦略の展開など、時代の変化に即応できる組織体質を築くことこそが、中小企業が大企業に比肩し、経営の安定を勝ち取る唯一の道である。本書は中小企業の管理力の伸長を願って自らの経験を集約した攻めの管理哲学。