日本では今、急速に進む軍拡の動きがこれまで軍事分野と考えられてきた範疇を超え、経済社会が軍事に大きく依存するようにまるごと変えられようとしています。昨秋の高市内閣の発足と、ベネズエラ軍事侵攻やイラン戦争を強行する米トランプ政権の戦争政策とが相俟って、その動きは急加速し、二月総選挙での自民党圧勝によって「戦争する国」へのステージが一気に変わりつつあります。
今号では、中国本土まで届く長射程ミサイルの配備が全国で進められている現状と、各地で粘り強く闘われている反対運動を、巻頭カラーを含めて紹介しています。配備されるトマホークミサイルなどは、「専守防衛」を掲げる自衛隊がこれまで保有してこなかった、「敵地」を先制攻撃できる兵器であり、東アジアの平和に極めて重大な意味を持ちます。
同時に、政府は軍備増強を支える「防衛生産基盤」の強化も打ち出しています。ウクライナ戦争以降、急拡大する世界の軍事産業の歴史と現状や、去る4月の閣議決定で武器輸出を事実上全面解禁した日本の軍事産業の状況、軍事費と財政・税収との関連についての論考のほか、「力による支配」のもと、世界を大混乱させている米トランプ政権の動向についても取り上げました。
軍事的緊張の中で、台湾と与那国島の交流を取り上げた琉球朝日放送の番組の上映会のレポートと、ディレクターのインタビューも掲載しました。