「私はいまはっきりと『文学』の価値を信じている。『文学』は、おそらく、人間の尊厳の補償である」(「灰皿になれないということ」)
「一人きりの人間は、じつは『人間』ではない。人間を『人間』にする最小の単位は一人ではなく、二人である」(「正常という名の一つの狂気」)
「『文学』は私にとり、まず私の存在のしかたであり、態度なのだ」。大江健三郎、サルトル、石原慎太郎、若尾文子、日劇、『去年マリエンバートで』、『キングコング対ゴジラ』……文学はもちろん映画や自由、恋愛まで作家がクールな文体で語るエッセイ集。新たな7篇のほか、妻・山川みどりによる作家との出会いや夫婦の生活をめぐるエッセイ4篇を増補した決定版。