変容期を生きる児童・生徒を育てる算数・数学

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変容期を生きる児童・生徒を育てる算数・数学

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商品説明
新技術により社会が大きく変容する中、子どもたちに必要な算数・数学の学習のあり方を問う

〈本書の概要〉
情報の量や質、社会のあり方がおおきく変容していく時代における、算数・数学教育の課題を整理し、江戸時代の和算の歴史からヒントを得ながら、子どもたちにとって必要となる算数・数学の学習のあり方とは何かを提案します。それは、さまざまな情報を数学的な見方・考え方で分析したり、数式の構造を身近な経験に当てはめたりすることで、実の伴う理解から生きた力として駆使できるようになることであり、そのための具体的な手立てが数多く紹介されます。

〈本書からわかること〉
◆これからは、「現代数学の中にある『構造』を現実の諸事象との関わりの中で捉えること」が求められる
 AI、IoT、ICTなどの新技術を活用した第4次産業革命の進展は、学習のあり方に根本的な変容を迫り、生き方や学習の仕方そのものに対する新しい問いを提示しています。容易にグローバルにつながり、多くの情報が飛び交い、意図せずとも誰かとの結びつきが発生している社会の中で、次の社会の担い手である子どもたちがグローバルで持続可能な未来を描くためには、どのような学習が必要になるのでしょうか。
 著者は、子どもたち一人ひとりが社会の構成員(agent)として、一方的な受け身で情報を摂取するのではなく、イニシアチブを取りながら、自身でその情報の真偽を見分け、再構成(再現)して発信できるようになることが重要であると述べます。算数・数学教育においては、子どもたちが自分自身で、身近な事象を数学的な見方・考え方で分析・判断し、生きた力として扱えるようになる学習が必要であるとされます。
 そこで本書では、草花にひそむ算数・数学の構造を抽出したり、ICTを用いた変動するコロナ感染者数の統計方法、緯度・経度から2地点間の距離を求めたりするなど、実際問題を解決するための算数・数学の活用事例が豊富に挙げられています。

◆江戸時代の和算の歴史に求める、これからの算数・数学の鍵
 本書では、毛利重能の『割算書』をはじめ、吉田光由の『塵劫記』、寺子屋の実態、伊能忠敬の日本地図作成に至るまでが概観され、日本では昔から算数・数学が日常と結びついており、いかに人々の生活の中で活用されてきていたのかを明らかにしています。
測量、河川開拓、暦の作成といった、身近な事象における課題を解決するために数学を探究する姿から、現代につながる多くのヒントが見いだされることでしょう。

〈こんな先生におすすめ〉
・ICTやデジタルが大きく発展する中で、算数・数学のあり方について知りたい先生
・日本の算数・数学の歴史を学びたい先生
・これからの時代に対応する算数・数学教育が知りたい先生
目次
第1編 江戸の人は工業化にいかに対応したのか …… 001
第1章 算数・数学教育の礎をつくった「毛利重能」「吉田光由…… 001
1.1 毛利重能の『割算書』………………………………… 001
1.2 吉田光由の『塵劫記』はどう作られたのか …… 004
第2章 江戸の数学を完成させた関孝和とその弟子たち……011
2.1 関孝和の足跡をたどる …………………………………011
2.2 関孝和の弟子たちの活躍 …………………………… 013
2.3 藤田貞資(1734-1807)の「無用の用」…………017
2.4 数学教育の実践者千葉胤たね秀ひで (1775-1849)…… 018
2.5 利根川開拓と和算教育の広がり …………………… 019
2.6 井澤弥惣兵衛の業績 ……………………………………021
2.7 伊いのう能忠ただ敬たかとその影響を受けた全国の和算家たち…… 023
2.8 変容する社会の中、地域の教育を支えた学び舎…026


第2編 「数学教育現代化」は工業化をいかに脱しようとしたのか ……033
第1章 「数学教育現代化」とは ………………………… 033
1.1 「数学教育現代化」はどのような時代背景の中で生まれたのか ……… 033
1.2 「数学教育現代化」は米国の学校現場にどのように導入されたのか ……… 039
1.3 「数学教育現代化」:日本の学校現場で行われた教育 ………… 044
第2章 「数学教育現代化」運動をどう引き継げばよいのか ………… 050
2.1 現代化の時代に残された教育内容 ………………… 050
2.2 アフィン変換の教材化 ……………………………… 054


第3編 複雑系社会観が算数・数学教育に与える影響とは 059
第1章 第4次産業革命期での複雑系社会観 …………… 059
第2章 複雑系社会下で算数・数学教育に求められるもの ………… 063
2.1 複雑系社会論 …………………………………………… 064
2.2 ロジスティックモデルの事例 ……………………… 067
2.3 複雑系社会の教育への5つの課題 ………………… 069


第4編 科学の言葉=算数・数学で明らかにする草花の自立・協働 ……… 073
第1章 草花たちが身に付けている算数・数学 ……… 073
1.1 線対称な形,120°ずつ回転する形の葉 ………… 073
1.2 線対称な形をもつ葉 ………………………………… 073
1.3 円を五等分する花 …………………………………… 075
1.4 偶数の花びらをもつ花 ……………………………… 075
1.5 もっと多くの対称軸をもつ花 ……………………… 076
1.6 中心からずれて円を描く葉 ………………………… 077
1.7 円を目指す草花たち ………………………………… 078
第2章 草花にひそむ“しきつめ模様” ………………… 080
2.1 クローバーは円をひし形でつくる ……………… 080
2.2 草はどんな五角形で平面を敷き詰めようとしているのか …… 083
第3章 草花たちの相似―曲線図形の相似とは?― …086
3.1 直線図形の相似 ……………………………………… 086
3.2 曲線図形でつくる相似……………………………… 087
3.3 カーブの曲がり具合を測る曲率 ………………… 088
3.4 葉はどうやって相似な曲線図形を描くのか …… 089
3.5 数学の話題から ……………………………………… 090


第5編 GIGA スクール時代の「数と計算」 ………… 093
第1章 位数モデルと基数モデル ……………………… 093
第2章 9の段の九九表から“きまり”を探る ………… 099
第3章 電卓と筆算を同時に使った計算… …………… 102
第4章 筆算とパソコンを使って数のきまりを見つける試み… 104
第6編 新型コロナ感染状況調査を題材とした
PBL(Project/Problem Based Learning)事例 …… 109
第1章 PBL とは …………………………………………… 109
第2章 PBL のためのICT の活用 ……………………… 111
2.1 度数分布表から折れ線グラフ,相関図,相関係数へ …111
2.2 7日間移動平均による統計グラフのスムージング …… 113
2.3 第4波から第8波までのグラフの時系列分析の表示 … 115
2.4 歴史的な感染症パンデミック …………………………… 116
2.5 データから何が読み取れるのか ………………… 120
第3章 まとめ ……………………………………………… 123


第7編 リスクを捉え、リスクに対処できる市民の育成をめざす学校数学 … 125
第1章 リスクを捉えリスクに対処する市民の数学とは … 125
1.1 自然の摂理にしたがって生きてきた社会 ……… 125
1.2 数学がリスク記述言語として意味をもつとき … 127
第2章 リスクを表現する言語としての数学教育とは … 129
2.1 数量の関係的把握 …………………………………… 129


第8編 今,算数・数学教育はどこにいるのか。
私たちは,これから何をしたらよいのか …………… 135
第1章 近代化以前の日本の算数・数学教育はどのような特徴をもっていたのか …… 135
第2章 工業化社会への算数・数学教育の移行はどのように進められたのか …… 138
第3章 高度科学技術化社会に応じる算数・数学教育はどのように進められたのか …… 143
第4章 社会の情報化によって提起された課題は何か。
これをどう乗り越えたらよいのか……………………… 146


第9編 社会とつながる算数・数学探し ……………… 153
第1章 「見えること」と「見ること」 ……………… 153
第2章 1点で交わる直線は互いに平行? …………… 155
第3章 身近な事象に算数・数学を使って判断する力:時速・秒速 ―風速を例に― …… 157
第4章 金環日食を算数の目で見る …………………… 161
第5章 曲線図形の相似―ティラノサウルスの大きさを実感する― …… 165
第6章 緯度・経度から測る地球上の2地点間の距離 170


第10編 学校変革期における教員養成の在り方
―教員養成において算数・数学教育に求められるもの― ……177
第1章 今日の社会変容が教育に求めている課題「文理融合の推進」 …… 177
1.1 変容する社会の背景にあるものとは ……………… 177
1.2 EBPM(科学的根拠に基づいた主張)…………… 178
1.3 Blended Learning,PBL(Project/Problem Based Learning)…… 178
第2章 時代に対応する数学科教員養成の在り方 …… 181
2.1 これからの算数・数学教育に求められるもの … 181
2.2 学校現場,教員養成系大学・学部における科学的コミュニティ」づくり …… 181


【引用・参考文献一覧】
1. p.31-32, 1-74
2. p.72, 1-13
3. p.108, 1-5
4. p.123, 1-2
5. p.176, 1-4
6. p.187, 1
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