序章 5
自分をとりまく世界に抱く違和感/資本主義という不自由なシステム/ハイエクとケインズ/それは誰の利益になっているのか/民主主義の役割とは/巨大企業が得をするシステム/限定的か、保守的か/建築家の心/世界を創造する自由
第一部 資本主義と自由 27
第一章 巨大企業はやりたい放題
―資本主義はどのように機能しているのか 28
利益追求が引き起こした惨事/少なすぎた遺族への賠償金/ボーイングと政府のつながり/企業が重視するのはコストダウンと関係性/資本主義はあなたが思っているようなものではない/資本主義とは中央集権的な計画が行き渡ったシステム/自由市場は帝国が支配する世界
第二章 フォードランディア
―資本主義は誰に自由を届けてきたのか 50
フォーディズムの誕生/幻の理想郷フォードランディア/戦後期の新自由主義/統治不能社会/資本の権威を復活させた新自由主義革命/新自由主義の嘘/変化する資本による支配の性質
第三章 惨事便乗型資本主義
―資本主義は誰に利益をもたらしてきたのか 79
搾取される公的資金/世界中で行われた株主への配当/AIG――アメリカの保険詐欺師たち/「ブラックスワン」的な惨事/マッキンゼーのために大金を稼ぐ/国家と資本を増強するために使われた「コロナ禍」/拝金主義が招く危機/物価高騰の責任は労働者に負わされる/新自由主義が引き起こした気候崩壊/人間の命を守るために闘う
第二部 計画者たち 125
第四章 アメリカ製労働者搾取工場
―大企業はどのように計画をおこなうのか 126
世界最悪の経営者、ジェフ・ベゾス/市場支配力をもつアマゾン/市場を統治して世界を支配する/企業はブラックボックス/「取引コスト」の理論/企業家による一時的な独占力/強化されていく市場支配力/科学的不均衡/独占企業の共謀関係/創造的破壊の強力な力はいまや微風となった/新テイラー主義/ガバーメント・フォー・セール――政府売ります/企業はゲームのルール」を駆使して強くなる/新自由主義のもとでは企業犯罪はないに等しい
第五章 時間を買う
―大銀行はどのように計画をおこなうのか 175
孫正義の投資/金融機関に与えられた計画をおこなう力/債務博士/「銀行は貸付資金の仲介者ではない」/バーニーの仲間たち/巨大な銀行がだまされるのはなぜか/王様のコイン/金融危機と量的緩和/中央銀行の迷走/法によって支配する/ブラックロックの黒い運用/責任あるステークホルダー資本主義
第六章 資本をとりまく仲間たち
―国家はどのように計画をおこなうのか 218
エクソンとアメリカと気候崩壊/国家はなぜ資本主義の利益のために行使されるのか/ロックの政治哲学とスミスの政治経済学/市場は構築されなければいけない/道路交通法/自律しない国家/院内活動はグリーンシルのために/国家と市場の境界線は幻想/資本家階級の利益は、しばしば国家を通して守られる/ぎりぎりのところでそっと押す/ミッシェル・フーコーの「統治性」/ずっと計画されていた/中国内部における分断
第七章 年利六パーセントの安定
―帝国はどのように計画をおこなうのか 268
アメリカによるフィリピン支配/はかない独立の夢/先住民を平定する/自由貿易で貧しい国々を統治する/なぜ貧しい国は貧しいままなのか/バナナ共和国/暴力の背後にはアメリカがいる/住民対シェブロン/民主主義のプロセスを打ち負かすISDS/ボルカー・ショック/金融の自由化が世界を飲み込む/資本逃避に対する人権/国際資本の餌食になったザンビア/なぜドルは、世界の金融システムの中心なのか
第三部 民主主義的な計画 323
第八章 建築家とミツバチ
―民主主義的に計画をおこなう方法 324
創造性を発揮した労働者――ルーカス・プラン/潰されたプラン/ルーカス・プランの功績/蠅の王の嘘/オーストラリアのグリーン・バン――労働組合による環境保護運動/マリナレダ/住民によるロイヤル・ドックス再開発計画――イギリス、ロンドン/市民参加型予算――ブラジル、ポルトアレグレ/ピープルズ・プラン――インド、ケララ州/シウダード・フトゥラ――都市の未来/ベター・レイキャヴィク――アイスランド/コーオペレーション・ジャクソン/プレストン――イギリス/ブライナイ・フェスティニオグ
第九章 支配権を取り戻す
―大規模な民主主義的計画 363
チリの民主主義的社会主義/アメリカはそれを許さない/サイバーシン計画/民主主義的制度を大規模に構築する条件/資本に悲鳴をあげさせろ/仕事と会社を民主化する/金融を民主化する/国家を民主化する/国際機関を民主化する/未来を民主化する
むすびに 401
解説 「資本の専制」を超えた「民主的社会主義」への期待
斎藤 幸平 408