それでも外国語を学ぶのは何のため?

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商品説明
私たちは、他者とコミュニケーションするとき、そのコントロールしきれない邂逅に賭けている。生成AIは、その賭けをどう左右するのか。
ノスタルジーにも効率主義にも絡めとられずにいるための、これからの時代の外国語教育新論
本書の概要

生成AIの台頭以降、「なぜ英語を学ばなければならないのか」という問いが、学校でも社会でも聞かれるようになりました。一方で、「学習の場ではAI使用禁止」「自分の力で学ぶ過程にこそ意味がある」という指導方針も根強く、そこには教える側の学習経験がノスタルジックに投影されていることがあります。
どちらの主張にも一定の説得力がある一方、どこか腑に落ちなさも残ります。そこで本書は、テクノロジーと外国語学習の関係を整理しながら、「外国語ができる(使える)」ということに社会が向けてきたまなざしをときほぐし、これからの時代に外国語を学ぶ意義を再考します。

本書からわかること

社会が外国語の学びに向けるまなざしと、テクノロジーとの関係

外国語の学びは、これまでも道具主義や市場経済的な効率主義の視点から、つねにその価値を社会に値踏みされてきました。生成AIの登場は、その効率主義をいっそう強める道具にもなりえます。しかしそれは同時に、学習という「経験」そのものを奪っているのではないか、という批判も呼んでいます。
一方で、生成AIを使うことで初めて開かれる学びや喜びがあることもまた事実です。従来の学び方では困難さがあった場合に、生成AIがその障壁を取り払う可能性も生まれました。 本書ではまず、簡単に白か黒かでは割り切れないこの新しい技術と外国語学習との関係を、技術哲学の視点から5つに整理していきます。

「やりとりの相手は人間に限る」? 「AIがあれば、外国語なんて学ばなくていい」? 生成AIの登場が問いかけるもの

外国語を学ぶことは、他者のことばと、それが生まれでる事情や背景ごと向き合う営みです。学ぶ言語によっては、モノリンガリズムや植民地主義的な問題も、その学びは内包してきました。
たとえAIが通訳・翻訳を担えるようになっても、私たちが多様な他者(人間)と向き合いながら生きていくという事実そのものは変わりません。けれども、その「向き合い方」は、AIを介することでどう変わっていくのでしょうか。生成AIの登場は、コントロールしきれない他者との邂逅に、それでも自ら賭けてみることの意味を問いかけています。
生成AIによって外国語の外付けの価値――「便利そうだから」「就職に有利そうだから」――が取り払われようとしている今だからこそ、私たち一人ひとりが追求すべきものが見えてきます。本書は、他者のことばと向き合い、学ぶ過程のなかで自分自身のことばを手に入れていく、外国語教育・学習のあり方を提言します。
目次
はじめに
第Ⅰ部 外国語とテクノロジーの距離感
第1章 翻訳ツールは使っちゃダメ?
第2章 何のために拡張・強化するの?
第3章 字幕に頼っちゃダメ?
第4章 やり取りの相手は人間に限る?
第5章 ネイティブ・スピーカーの英語を聴かせなきゃ?
第6章 Why ME/US? ―英語が「私(たち)」のものになっているか
第Ⅰ部のまとめ

第Ⅱ部 私/あなたにとっての外国語
第7章 外国語が使えると「カッコいい」?
第8章 外国語が使えると「便利」?
第9章 外国語ができる人は頭が良い?
第10章 外国語を学ぶと社会は良くなる?
第Ⅱ部のまとめ

第Ⅲ部 私だけのことばを探し続ける
第11章 自分に嘘をつかないことばの居場所
第12章 パレーシアな外国語教育の場をつくる
終章 「ことばのおもしろさ、豊かさ、怖さ」の教育学的再解釈

あとがき
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