語れない会社は、選ばれない
  • 発売日:2026/11/25
  • 出版社:同友館
  • ISBN:9784496058561

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語れない会社は、選ばれない

語れない会社は、選ばれない

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商品説明
【経営学者・楠木建 推薦】
信用第一――普遍にして不変の商売の原理原則だ。
信用醸成の前線を担うPRが企業価値の向上に果たすべき役割を解き明かす。

広報・PRは大事だと思うが、結局どんな価値貢献をしているのか。
どこまでやれば十分と言えるのか。
その効果を、経営の観点でどう測ればよいのか。
どのような人材を採用し、どのような観点で評価すべきか。

経営者と人事責任者が抱くこの四つの問いに、研究者・実務家8名との対話と調査データで答える一冊。

企業価値、採用、エンゲージメント、投資家との対話。いま経営が向き合う課題は、いずれも広報・PRが長年扱ってきたテーマと重なります。それでも広報・PRは、「重要だとは思うが、経営効果が見えにくい活動」と受け止められがちです。
楠木建氏が説くとおり、結果の優劣を示す最上の尺度は長期利益です。そして長期利益は、顧客、従業員、株主、社会との信頼関係がなければ成り立ちません。その信頼は、経営の意思が伝わってはじめて築かれます。ところが、人的資本を「発信している」と答えた企業が88・4%に及ぶ一方、人的資本も社会・関係資本も認識していない個人投資家は61・5%でした。開示は情報の「発信」であり、理解の形成はその先にあります。
本書は、部門に散らばる非財務情報を経営の文脈で「翻訳」し、一つのストーリーに「編集」する経営機能として、広報・PRを捉え直します。研究者と実務家8名へのロングインタビュー、日本広報学会の経営者インタビュー調査、個人投資家3680人への調査、PRアワードの受賞事例をもとに、四つの問いに答えます。

■四つの問いへの答え
①価値貢献:企業の実態と社会の期待とのあいだの距離を縮めること。その積み重ねが、人材、取引、資本市場からの信頼へと波及する。
②十分さの基準:開示の量ではない。経営が重視するステークホルダーを決め、一貫した説明ができているかどうか。
③効果の測り方:「届いたか」「相手は変わったか」「利益やROEにどうつながりうるか」の三段階で示す。
④求める人材:露出量や知名度では測れない。社外の声を経営の論点に変える力、散らばる情報を一つの説明にまとめる力、成果を経営の言葉で説明する力、語った内容の正確性に責任を負う力の四つ。

結論は序章に先に示しているため、関心のある問いから読めます。巻末の自社点検シートと職務要件マップは、経営会議や採用・評価の検討にそのまま使えます。

■収録インタビュー(掲載順)
河炅珍(國學院大學教授)/林直樹(江戸川大学教授)/国枝智樹(上智大学准教授)/保田隆明(慶應義塾大学教授)/田上智子(PRアワード審査委員長)/阪井完二(企業広報戦略研究所所長)/駒橋恵子(東京経済大学教授)/井上洋一(弁護士)
目次
本書に寄せて
刊行にあたって 経営と広報・PRの、より良い関係のために
序章 なぜいま、『広報・PRの価値』を問うのか
エグゼクティブ・サマリー――本書の結論
序-1 経営と広報・PR
序-2 ストーリーを持った競争戦略 ステークホルダーとの対話における広報・PRの役割
序-3 非財務は「開示」から「合意形成」のコミュニケーションへ
序-4 本書のねらい――経営・人事にとっての「判断材料」として
第1章 広報・PRの誤解はどこから来たのか
1-1 広報・PRはいま、どう見られているか
1-2 その誤解が、何を招いているか
コラム1 なぜ「パブリックリレーションズ」は「広報」と訳されたのか
インタビュー1 河炅珍教授――パブリックリレーションズは、手法ではなく経営理念そのものだった
「PR=宣伝」は誤解か――縮んでしまった概念
なぜ「広報」という訳語が選ばれたのか――戦後の出発点
インフォメーションアウトと、ソサエティイン
経営理念として語られた時代――1950年代の日本
「パブリック」という概念の相違
歴史は循環する――そして、二巡目が始まっている
測れないものを、どう扱うか――効果の証明と、数値化は別である
求められるのは「社会のスペシャリスト」であること――そしてAIには生み出せないもの
歴史は座標軸である
インタビュー2 林直樹教授――なぜ日本のPRは誤解され続けてきたのか
なぜ「PR」という二文字だけが広まったのか――パブリックリレーションズのPR化
転換点はどこにあったのか――高度経済成長と、広告コミュニケーションへの取り込み
「PR」という言葉は変えられるのか――変えるべきは「パブリックリレーションズ」の理解
なぜ言語化できないのか――広告は「送り手主体」、PRは「受け手主体」
なぜPR業界は自らを語ってこなかったのか――「黒子」の美徳と自己規制
追い風となる二つの変化――「企業の社会化」と「コミュニケーションの双方向化」
エージェンシーから見たPR、企業から見たPR
実務家が踏み出せる第一歩――インターナル・コミュニケーション
業界の「グランドビジョン」と、社会を動かすトップダウン
第2章 経営者は広報・PRをどう見ているのか
2-1 日本広報学会の定義にみる「経営機能としての広報・PR」
2-2 経営者は、どこにギャップを感じているのか
コラム2 ステークホルダーとの関係は、どの経営価値につながるのか
インタビュー3 国枝智樹准教授――経営者は広報・PRをどう見ているのか
なぜアンケートだけではなく「経営者の語り」から広報・PRを捉え直したのか
経営者の「広報は重要だ」という認識は、どこまで実態を伴っているのか
「重要」なのに、なぜ戦略づくりに広報が加わらないのか
経営戦略の策定に広報が最初から携わらないことで、何が失われているのか
制度化から戦略参画へ進めない「第三段階の壁」とは何か
広報人材の属人化と人材育成――「経営機能」を担う人をどう育てるか
国際的に見て、日本企業の「経営機能化」の現状は特殊なのか
地政学リスクと社会の分断の時代に、広報の「経営機能」はどう変わるか
調査で最も意外だったこと、今後明らかにすべき問い
第3章 非財務・人的資本経営と広報・PRの接点
3-1 持続的成長を証明する非財務情報
コラム3 「規定演技」と「自由演技」
3-2 サステナビリティ・非財務情報と広報・PR
3-3 採用・組織文化・インターナル・コミュニケーション 人的資本経営における広報・PRの役割
3-4 広報・PRが担う「翻訳」と「編集」――経営・現場・ステークホルダーをつなぐ
インタビュー4 保田隆明教授――投資家は非財務情報をどう見ているのか
なぜ投資家は非財務情報に注目するようになったのか
投資家は非財務情報のどこから将来価値を読み取るのか――「差分」と「二階建て」
なぜ数値の開示だけでは評価されないのか――「なぜやるのか」を語れるか
「うまく語る会社」と「信頼される会社」の分かれ道
広報・PRの「横串」機能と社内インテリジェンス
個人投資家の時代に、広報・PRは何を意識すべきか
取締役会に「外の声」をどう届けるか
地域企業・中小企業こそ、非財務の強みを企業価値につなげられる
SSBJ時代の開示――「規定演技」と「自由演技」
第4章 評価する側は、何を見ているのか――PRアワードを手がかりに
4-1 PRアワードが評価しているものは何か
4-2 経営、人事、広報・PR実務家、それぞれの評価軸
4-3 立場が違っても、共通して見られているもの
4-4 「成功事例の参照」に終わらせないための読み解き方
4-5 人的資本経営の観点から読み解く「PRアワード」受賞事例
4-6 PRアワード事例が示す、人的資本経営の実装条件
インタビュー5 田上智子氏――審査の視点から見た「経営に効く広報・PR」
広報・PRの仕事は伝えることだけではない――「選ぶ理由」を行動に
社員が会社を誇りに思うということ――表彰台のプロジェクト
越境することが、経営に近づく第一歩
話題化を求めることと企業価値向上を目指すことは、対立しない
「アーンド」とは、メディア露出のことではない
事業会社の胆力と、それを支えるパートナーシップ
なぜ「オーセンティシティ(必然性)」を第一に掲げたのか
ハリボテのサステナビリティは、続かない
四つの基準のどれか、ではなく、一貫性を見ている
計画とリアルタイムレスポンス、その両輪
話す力よりも、聞く力と見極める力
四つの受賞事例に共通していたもの――「中から生まれている」
ストーリーは、エントリーシートに込められているか
「あの人がいると得だ」と思われているか
全部をわかっている必要はない――社外の目と、コアの理解
第5章 非財務情報の発信は、本当に経営に効いているのか
5-1 そもそも、非財務情報は伝わっているのか
コラム4 「約2・8倍」と、もう一つの数字
5-2 伝わっている場合と、伝わっていない場合で何が変わるのか
5-3 魅力は行動に変わる――購入・投資・就職
5-4 広報・PRの力は、財務指標と関係しているのか
5-5 このデータから、どこまでが明らかになったのか
5-6 「量の競争」から「納得の競争」へ
インタビュー6 阪井完二氏――非財務情報と企業評価 レピュテーション
「話題づくり」から「価値づくり」へ――広報・PRは経営の何に貢献するのか
投資家は「特定少数」から「不特定多数」へ
調査データで、どこまで言えるのか――相関と因果
なぜガバナンスが際立ったのか――非財務クロスバリューモデルの設計
人的資本と社会・関係資本は、なぜ切り離せないのか
「発信すれば伝わる」は、大いなる誤解
「約2・8倍」を、どう読んでほしいか
誰を重視するかは、経営戦略が決める
インパクト評価の前に、目標設定を
平時の信頼は、危機時にどこまで支えになるのか
「絵になる取り組み」は、話題づくりか、価値づくりか
広報力とROE――なぜ、留保付きで公表したのか
開示が揃ったあと、何で差がつくのか――規定演技と自由演技
企業を動かす三つのエビデンス
第6章 その担い手を、どう確保するのか――人材と資格制度
6-1 なぜ「経験で育つ」だけでは足りなくなったのか
6-2 何を専門性と呼ぶのか
6-3 専門職として扱うという選択
6-4 資格制度が示すもの、組織のなかで育つもの
6-5 共通の土台が、なぜ社会的に必要か
インタビュー7 駒橋恵子教授――資格制度が確かめるもの、組織のなかで育つもの
社会的認知のために
すべてに横串を通すコミュニケーション戦略が必要なのに
なぜ、これだけ広い範囲を問うのか――出題範囲の設計
製品広報も、IRも
時事問題は、なぜ不可欠なのか
情報参謀として、経営に何を具申するのか
OJTだけでは、なぜ足りないのか――簿記の資格のたとえ
倫理観は、ステークホルダーの視線と一体である
「育てる」のではなく、育っていく土壌をつくる
資格とは、試験を受けて取るものである
約20年で、認識はどこまで変わったか
インタビュー8 井上洋一氏――他の専門職から見た、広報・PRの専門性
「法的に正しい」だけでは、人は動かない
弁護士の仕事は、ある意味で8割から9割がパブリックリレーションズである
高度な倫理観という共通点、線を引く仕事と関係を構築する仕事という違い
資格を取ってから、すべてがPRに見えるようになった
経験だけでは我流になり、資格だけでは机上で終わる
業務独占があるから信頼されるわけではない
経営に耳の痛いことを言えるか――勇気と客観性
「主張」「事実」「評価」を混ぜない
AIが「綺麗な文章」を書く時代に、専門職に残るもの
終章 経営機能として実装するために
終章-1 本書の四つの問いに答える
終章-2 AI時代のパブリックリレーションズと「信頼の編集者」としての広報・PR
終章-3 結びにかえて――「経営機能としての広報・PR」へ
あとがき
巻末 自社点検シート――四つの事例を「自社の問い」に変える
巻末付録 広報・PR人材の職務要件マップ
本書が依拠した調査の概要
用語一覧
参考文献・出典
索引
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