中国における浄土信仰は、隋唐期に弥陀信仰が主流となり「浄土宗」とよばれ民間に浸透し、明清期には中国民衆宗教の中核となるまでに隆盛した。本書は、各時代の浄土宗の教義内容を丁寧に解説しつつ、中国浄土宗の発展の歴史をわかりやすく論述する。
●編著者のことば
著者は中国思想史の視角から浄土教義の展開を述べているのであるが、無神論を国是とする中国において、決して論争的ではなくどこか温かさが感じられる、かくのごとき浄土宗の歴史書が生れたことは、いくら時代が変化したからだとはいえ、苦難の時代にひそかに蓄積された研究成果の現れであり、中国における文化の底の深さを感ずるのである。(「訳者あとがき」より要約)