この特集では、多方面から文革を考え直すことを目的としている。そこには、文革へのこれまでの見方への批判的考察がある。すでに明らかにされてきた暴力を、さらに露呈するものがある。また、これまでには重視されてこなかった事象をとりあげている。さらに、大陸中国の周辺からの視覚も提供している。そして、凝縮された表現のなかに、単なる悲劇に止まらない文革の不条理を、視覚を通して訴える作品も収録する。それらを通じて、文革が必ずしも1960年代半ばからの10年間という限られた時間内での特異な現象であったわけではないこと、伝統中国につらなる社会的文化的な底流があったこと、そして特殊事情としては冷戦期のなかの中ソ対立という国際環境が密接にかかわっていたことなどが明らかにされる。