時代は、テクノロジーの飛躍的発展や顧客ニーズの多様化によって製品ライフサイクルが一段と短縮化する傾向にあり、1つの主力製品さえあれば長期間安泰という時代はすでに過去のものになった。加えて、脱炭素化や人口減少社会への対応をはじめ、今までにない経営課題も次々に浮上し、製造業にもイノベーションによる新たな価値の創出が不可欠となっている。しかし、既存事業を持つ中堅・中小製造業でのイノベーションの推進は、現在の事業基盤の維持・強化と切り離して考えることができずなかなか難しい課題だ。特に問題となるのが、イノベーション活動を組織の中で継続的なものとして展開し、組織としての学びや組織風土の醸成につなげるということだ。これなくしては本当のイノベーション活動は続かない。本書では、6つの実際の事例を中心に、継続するイノベーション活動とはどういうものなのか、そしてそれをどう始動し、会社内の組織風土として根付かせていったのかを分析・解説していく。