憲法及び憲法学の動態についての理論的考察

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いわゆる憲法秩序の動態性は、古くから指摘されてきた。しかしその「動態」が意味するところは、憲法上の諸制度の具体的な展開を踏まえて考察しようといった程度のものであり、これはいかなる研究にあっても当たり前の事である。憲法の「動態」そのものというより、ある憲法上の制度がいかに展開されてきたのかという諸々の歴史を分析するに過ぎない。「動態」という言葉を用いた先行研究が少なからず存在しているとしても、実際は、憲法の「動態」それ自体についての理論的な研究は殆ど行われていないのではないか。これでは、憲法学の研究対象であるところの憲法ないし憲法秩序が、いつどこで生じ、また如何にして説明されるかが分からないまま変容に晒されてしまうリスクを常に抱えているとの問題意識のもと、「動態」それ自体を憲法理論上の問題として扱った研究を求め、フランス憲法学の経験を訪ね、源流をたどり、日本憲法学への示唆を見出さんとする意欲的な研究を一書にまとめた。

目次
序論

第1部 フランス憲法学の政治学的傾向

第1章 第三共和政における政治学・憲法学の誕生
第1節 普仏戦争と政治教育の必要性
第2節 ブトミーと自由政治学院の政治学
第3節 法学部改革と憲法学の成立

第2章 二十世紀中盤における憲法学
第1節 古典的憲法学の危機と憲法学の政治学化
第2節 「政治学」の不一致
第3節 「デュヴェルジェ革命」の神話
小括

第2部 憲法の動態:「政治法」としての憲法

第1章 政治法プロジェクトについて
第1節 政治法の位置づけをめぐって
第2節 裁判所の制裁を欠いた規範への着目

第2章 フランスにおける憲法習律論
第1節 前史:ルネ・カピタンの憲法慣習論
第2節 ピエール・アヴリルの憲法習律論
第3節 ジャン・ロセットの憲法習律論
第4節 考察
小括

第3部 憲法学の動態:理論と現実の狭間

第1章 カレ・ド・マルベールによるフランス革命の「法理論化」
第1節 革命期における「法律」と「代表制」をめぐる国家構想
第2節 カレ・ド・マルベールによる「法理論化」とその問題点

第2章 ブルーノ・ドジェロンの議論
第1節 憲法学における「選挙」の概念
第2節 考 察
小括

結論
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