- 発売日:2026/06/24
- 出版社:日本評論社
- ISBN:9784535541252
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分断と反知性主義のアメリカ
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商品説明
「複雑な真実」はなぜ、「単純な物語」に敗北するのか?
反知性主義は無知ではない――単純な物語が支持を集める「分かりやすさ均衡」という政治的構造である。
コロナ、格差、AIからアメリカの分断を解き明かし、知が機能するための制度「知の公共化回路」を提示する。
反知性主義は無知ではない――単純な物語が支持を集める「分かりやすさ均衡」という政治的構造である。
コロナ、格差、AIからアメリカの分断を解き明かし、知が機能するための制度「知の公共化回路」を提示する。
目次
はじめに
___________________________________
第一章 分断と反知性主義の基礎——「分かりやすさ」が勝つ社会
___________________________________
1 分断——歴史とメカニズム
分断の三次元/分断のメカニズム
2 反知性主義——特殊アメリカ的な文脈
リチャード・ホフスタッター/宗教復興運動/ジャクソニアン・デモクラシー/
パラノイド・スタイル/ドナルド・トランプ
3 分かりやすさ均衡
我々は「部分均衡マシン」である/
確率、時間、他者/「分かりやすさ均衡」
4 分断と反知性主義に寄り添う
ラストベルトから出ていかない者は怠惰なのか/
リベラルも科学も純粋ではない/オリジナルのポピュリスト/
コラム1 「空洞化」として現れる日本の反知性主義
___________________________________
第二章 コロナ期における公衆衛生対策と経済財政政策
——専門知という名の「信頼財」
___________________________________
1 不信のなかの公衆衛生対策
世界で最も準備ができていた国のコロナ対策/
実証分析からみえること——信頼という構造条件/信頼と非薬理学的介入/
感染症に潜む二つの部分均衡/
コラム2 日本のコロナ対応は「成功」だったのか
2 専門知という信頼材
信頼財/不信は「愚かさ」ではなく構造的な帰結
3 遅れてくるインフレ
大規模経済対策/ミクロ経済学の成果——現在進行形のフィードバック/
アメリカ救済計画という「過大な一押し」/
財政インフレ、火消しに遅れた金融政策/マクロ経済の分かりやすさ均衡
4 完全雇用下の大幅赤字
予算制度の建付けと議会予算局(CBO)/積み上がる赤字と債務/
「現実認識の分断」のもとでの財政悪化/議会予算局という「控えめな警鐘」
5 知の公共化回路——疾病予防管理センターと議会予算局
公衆衛生専門家はフロンティアを描く/経済政策におけるトレードオフ/
「知の公共化回路」——土俵を作る、土俵を広く、懐深くする
___________________________________
第三章 格差の正当化——顧みられない格差
___________________________________
1 「消えゆくアメリカン・ドリーム」
分配の上方集中/格差の決め手は事前分配/
米欧で異なるオートメーションの帰結/アメリカン・ドリームの統計学
2 政治はいかに格差を見えなくするか——みせかけの再分配
共和党政権――三つの政治技法/
バイデン——再分配への厚い壁、事前分配の未成熟/
コラム3・1 分配が政治になる瞬間
3 なぜ顧みられないのか——システム正当化理論
パラドックス——格差が広がると、福祉を求めなくなる/
世界は概ね正しいという信念/
格差が広がるほどメリトクラシーへの信念は強まる/
制度の裏切り——アイビー・プラスへの入学の実態
4 処方箋——事前分配/再分配の二段構え
事前分配の方法論的成熟、社会保険としての再分配/
機会の平等——競技場の平準化(level playing field)/
AI仕様の事前分配/再分配/
コラム3・2 数値化された価値をめぐる分断
___________________________________
第四章 民主主義の「共有地」の枯渇——連帯という核心
___________________________________
1 アメリカ民主主義の現在地
侵食される民主主義/「重なり合うコンセンサス」への後退/
さらなる後退?/後退の先は共同体なのか
2 言論の自由市場
二面市場モデル、公共財としての真理/レモン問題とSNS/
コラム4・1 日本の言論市場/検閲ではない、三つの介入
3 二つのアプローチ——ルソーとマディソン
ジャン=ジャック・ルソー——鏡を磨く/
ジェームズ・マディソン——競争と抑制均衡
4 連帯——競争と討議を支える共有地
民主主義の共有地/熟議という回路/熟議の制度整備/カント的規範/
アメリカ史からの希望/いま必要な連帯/
コラム4・2 司法と分断
___________________________________
第五章 人類規模の危機——気候変動、AI、感染症
___________________________________
1 二つのガバナンスの欠如
脅威評価の出発点/気候変動——「知の生産」への攻撃/
AI——開発競争、人間との分業の空洞化/
コラム5・1 「分からない」の政治学——AIにみる日本の無知性主義/
感染症——制度整備は進んでも信頼が傷ついたまま/問題は地理と時間
2 反知性主義との相克
人類規模の危機と向き合う三条件/共同体の拡張/倫理的射程の狭さ/
システムへの判断対象の拡大/複雑なシステムへの無理解/
不確実性の制度的処理/確実性への渇望/鏡像関係
3 危機の整理学
危機の三つの意味/政治運動としてのESG/
危機の射程を問う——ジョセフ・ヒース/テールリスク、正義の問題/
では、危機はあるのか
4 シングルトン
広く複雑な世界/科学と組織の力/シングルトンという思考実験/
シングルトンの欠陥/グローバルな「知の公共化回路」/
コラム5・2 科学者間のカント的協力
___________________________________
第六章 日本への射程と結論
___________________________________
1 日本への射程
日本の無知性主義/
コロナ禍——異時点間ガバナンスの欠如と「制度的記憶」の不在/
格差——「二段構え」の未完成/
日本の民主主義——日本版「知の公共化回路」の実装の必要性/
人類規模の危機——媒介のミドルたりうるか
2 結論——知性の敗北と再建の政治経済学
3 結語
おわりに
参考文献
索 引
___________________________________
第一章 分断と反知性主義の基礎——「分かりやすさ」が勝つ社会
___________________________________
1 分断——歴史とメカニズム
分断の三次元/分断のメカニズム
2 反知性主義——特殊アメリカ的な文脈
リチャード・ホフスタッター/宗教復興運動/ジャクソニアン・デモクラシー/
パラノイド・スタイル/ドナルド・トランプ
3 分かりやすさ均衡
我々は「部分均衡マシン」である/
確率、時間、他者/「分かりやすさ均衡」
4 分断と反知性主義に寄り添う
ラストベルトから出ていかない者は怠惰なのか/
リベラルも科学も純粋ではない/オリジナルのポピュリスト/
コラム1 「空洞化」として現れる日本の反知性主義
___________________________________
第二章 コロナ期における公衆衛生対策と経済財政政策
——専門知という名の「信頼財」
___________________________________
1 不信のなかの公衆衛生対策
世界で最も準備ができていた国のコロナ対策/
実証分析からみえること——信頼という構造条件/信頼と非薬理学的介入/
感染症に潜む二つの部分均衡/
コラム2 日本のコロナ対応は「成功」だったのか
2 専門知という信頼材
信頼財/不信は「愚かさ」ではなく構造的な帰結
3 遅れてくるインフレ
大規模経済対策/ミクロ経済学の成果——現在進行形のフィードバック/
アメリカ救済計画という「過大な一押し」/
財政インフレ、火消しに遅れた金融政策/マクロ経済の分かりやすさ均衡
4 完全雇用下の大幅赤字
予算制度の建付けと議会予算局(CBO)/積み上がる赤字と債務/
「現実認識の分断」のもとでの財政悪化/議会予算局という「控えめな警鐘」
5 知の公共化回路——疾病予防管理センターと議会予算局
公衆衛生専門家はフロンティアを描く/経済政策におけるトレードオフ/
「知の公共化回路」——土俵を作る、土俵を広く、懐深くする
___________________________________
第三章 格差の正当化——顧みられない格差
___________________________________
1 「消えゆくアメリカン・ドリーム」
分配の上方集中/格差の決め手は事前分配/
米欧で異なるオートメーションの帰結/アメリカン・ドリームの統計学
2 政治はいかに格差を見えなくするか——みせかけの再分配
共和党政権――三つの政治技法/
バイデン——再分配への厚い壁、事前分配の未成熟/
コラム3・1 分配が政治になる瞬間
3 なぜ顧みられないのか——システム正当化理論
パラドックス——格差が広がると、福祉を求めなくなる/
世界は概ね正しいという信念/
格差が広がるほどメリトクラシーへの信念は強まる/
制度の裏切り——アイビー・プラスへの入学の実態
4 処方箋——事前分配/再分配の二段構え
事前分配の方法論的成熟、社会保険としての再分配/
機会の平等——競技場の平準化(level playing field)/
AI仕様の事前分配/再分配/
コラム3・2 数値化された価値をめぐる分断
___________________________________
第四章 民主主義の「共有地」の枯渇——連帯という核心
___________________________________
1 アメリカ民主主義の現在地
侵食される民主主義/「重なり合うコンセンサス」への後退/
さらなる後退?/後退の先は共同体なのか
2 言論の自由市場
二面市場モデル、公共財としての真理/レモン問題とSNS/
コラム4・1 日本の言論市場/検閲ではない、三つの介入
3 二つのアプローチ——ルソーとマディソン
ジャン=ジャック・ルソー——鏡を磨く/
ジェームズ・マディソン——競争と抑制均衡
4 連帯——競争と討議を支える共有地
民主主義の共有地/熟議という回路/熟議の制度整備/カント的規範/
アメリカ史からの希望/いま必要な連帯/
コラム4・2 司法と分断
___________________________________
第五章 人類規模の危機——気候変動、AI、感染症
___________________________________
1 二つのガバナンスの欠如
脅威評価の出発点/気候変動——「知の生産」への攻撃/
AI——開発競争、人間との分業の空洞化/
コラム5・1 「分からない」の政治学——AIにみる日本の無知性主義/
感染症——制度整備は進んでも信頼が傷ついたまま/問題は地理と時間
2 反知性主義との相克
人類規模の危機と向き合う三条件/共同体の拡張/倫理的射程の狭さ/
システムへの判断対象の拡大/複雑なシステムへの無理解/
不確実性の制度的処理/確実性への渇望/鏡像関係
3 危機の整理学
危機の三つの意味/政治運動としてのESG/
危機の射程を問う——ジョセフ・ヒース/テールリスク、正義の問題/
では、危機はあるのか
4 シングルトン
広く複雑な世界/科学と組織の力/シングルトンという思考実験/
シングルトンの欠陥/グローバルな「知の公共化回路」/
コラム5・2 科学者間のカント的協力
___________________________________
第六章 日本への射程と結論
___________________________________
1 日本への射程
日本の無知性主義/
コロナ禍——異時点間ガバナンスの欠如と「制度的記憶」の不在/
格差——「二段構え」の未完成/
日本の民主主義——日本版「知の公共化回路」の実装の必要性/
人類規模の危機——媒介のミドルたりうるか
2 結論——知性の敗北と再建の政治経済学
3 結語
おわりに
参考文献
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分断と反知性主義のアメリカ
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