はじめに——「これが、人類が初めて見たブラックホールの姿です」
第1章 ブラックホールとは何か
奇妙な天体ブラックホール
ブラックホールの構造
特異点はどのようにできる?
ブラックホールの自転と無毛定理
宇宙検閲官仮説
ブラックホールの蒸発
宇宙におけるブラックホールの種類
天文学的なブラックホール
宇宙最強の加速器「ジェット」
活動銀河中心核の多様な世界
活動銀河中心核の多様性の起源
第2章 ブラックホールの100年
ブラックホールの予想
ブラックホールは観測できる!?
懐疑的だった当時の反応
銀河とその中心の謎
宇宙を見る新たな目の誕生
はくちょう座X-1の発見
電波天文学の誕生と発展
3Cカタログとクエーサーの発見
巨大ブラックホール仮説の登場
活動銀河中心核と巨大ブラックホール
観測の進歩で銀河の中心へ迫る
天の川銀河の中心のブラックホール
天の川の中心の電波源・いて座Aスター
いて座Aスターの撮影を目指して
いて座Aスターのサイズ測定結果の意味
第3章 天文学者へ、そしてVLBIへ
宇宙との最初の出会い
好きなものの一つ
音楽中心の大学時代
大学から大学院へ
VLBIとの出会い
VERAの建設と立ち上げ
位置天文観測への長い道のり
未知の領域への挑戦
初期成果の発表へ
第4章 いて座Aスターの衝撃
エキサイティングな報告
日本のプロジェクトの立ち上げ
国際協力へ
アタカマ砂漠へ
MIT、そしてハワイへ
ハワイ・マウナケア山
天文学者、コンテナハウスを買う
チリへ
人生最高のラーメン
本番へ
ASTEによる観測のスタート
フリンジの探査、そして失敗
VSOP-2の苦境
ASTE実験の中止と方向転換
第5章 イベントホライズンテレスコープへ
ALMAへの道
より大きな国際協力へ
画像処理ソフトの開発へ
スパースモデリングとの出会い
スパースモデリングとは?
M87をターゲットに
画像化ソフトの開発
EHTプロジェクトの組織化へ
光伝送装置の設置
ALMAのVLBI観測の実現
第6章 ブラックホールの撮影
初めての観測
ハワイにて
観測の開始
続く観測、そして交代と帰路へ
しばらくの待ち
相関処理と緘口令
データ解析の始動
再検討
ついにデータと対面へ
いよいよ解析当日へ
変わった雰囲気
結果の開示と比較
画像の開示
論文化へ
論文投稿、そして出版へ
最後のハードル
記者発表の準備
人類が初めて見たブラックホールの姿
第7章 M87の撮影で見えてきたもの
捉えられたブラックホールの影
視覚的証拠の重要性
写真のもうひとつの意味
ブラックホールの質量決定
ブラックホール周辺のガスの温度
リングのコントラストの解釈
残された課題1:スピンの測定
残された課題2:ジェットの駆動メカニズム
第8章 いて座Aスターの撮影
いて座Aスターの撮影による一般相対性理論のテスト
いて座Aスターの写真は「ブレ」ている
動画撮影の困難さ
いて座Aスターの画像の構造はどこまで確実か
その後も続く成果
初撮影から1年後のM87の姿
偏波の検出
M87のジェットと円盤、そしてブラックホールとの位置関係
M87のジェット歳差の発見
第9章 ブラックホール観測の新展開
今後の研究の方向性
ブラックホールの動画撮影
M87の動画化とジェットの理解
より精度の高い動画化を目指して
2030年代へ向けて——宇宙への展開
BHEX計画
BHEXでの日本の役割
BHEXへの日本の地上局の貢献
科学研究における貢献
終章——おわりにあたって