国家は、現代アフリカ研究の中心課題である。今日のアフリカが直面する問題検討すれば、必ず国家に突きあたる。従来、アフリカが抱える問題として、汚職、独裁といったネガティブな国家像が強調されてきた。
アフリカ国家の原型は、欧米列強の征服と植民地化によって、いわば「他者」によって創られた。「自分たちの国をつくる」ことは簡単ではない。いかに他者が決めた領域を統治するか、一筋縄ではいかない課題である。先進国で当然とされる統治が通用せず、紛争が勃発することもある。本書はこうした国家建設のプロセスに注目してアフリカの経験を考える。
本書では、「他者」によって基盤を創られた国家を領民自らが統治する過程としてアフリカの国家建設をとらえ、その性格や特徴を考える。アフリカ諸国の国家建設の経験は、先進国とは大きく異なるが、その様態はさまざまな気づきを与えてくれる。さらに、「他者」によって国家を創られたアフリカの経験は、世界的にみれば決して少数ではない。植民地状況を経験したグローバルサウスの国々は、多かれ少なかれ似た経験をしているからだ。