「ねえ、つくも神って、知ってる?」
聡は、友だちの朝陽が明日引っ越してしまうので落ち込んでいたのに、朝陽が変なことを聞いてきてムカついた。そして朝陽は、捨てられそうなまねきねこを指さして、「このまねきねこはちょうど100歳で、100歳になると心が宿ってつくも神になるんだって」と言い出した。つくも神なら「神さま」だから、願いを叶えてくれるかもしれないと喜んだ聡と朝陽。
ところが、二人とも「朝陽の引っ越しがなくなるように」とお願いすると思っていたのに、朝陽はちがう願いごとだと知り、聡の心の中に黒いけむりのようなものがわいてきた。
一方、まねきねこのつくも神は、100歳になったが人間に大切にされなかったので、完全体のつくも神ではなかった。聡と朝陽は、自分のことを神さまだと信じているから、「願いをかなえてやる」という嘘をついて、二人に自分を大切にするよう伝えるが……。
友だちとの心のすれ違いから「本当の友だちとはなにか」について考え、成長していく姿を描いた一冊。