かつて「閻魔の龍巳」と恐れられた火盗改めの元長官が、長屋で気ままな隠居暮らし!?
次々と起こる騒動を爽快に解決していく、新たな痛快・人情時代小説シリーズ、堂々開幕!
今から二十年前、火付盗賊改方の長官として江戸の町にその名を知らぬ者はいなかった遠藤龍巳正宣。
月日が過ぎ、火盗改めの任を解かれ、家督も息子に譲った龍巳は、妻に先立たれたことを機に「亡き妻の想い出が多すぎる」と屋敷を出ることを決意する。
息子夫婦や可愛い孫たちの反対を押し切り、長谷川町の「すずめ長屋」で気ままな一人暮らしを始めた龍巳。
飯炊きなど身の回りのことも一通りこなせるようになり、周囲の住人もその厳つい風貌に慣れ、「遠藤のだんな」と親しまれ始めた。
そんなある日、日本橋の繁華街を通りかかった龍巳は、ならず者たちの喧嘩に巻き込まれた老人を助けるべく、騒動の渦中に飛び込んで行った一人の若い侍を目撃する。
無鉄砲なその若者・澤崎賢吾は、老人を助け出したものの殴られて昏倒してしまう。
介抱してくれた龍巳との機縁に感激した賢吾は、なんと翌日、すずめ長屋の龍巳の隣部屋に引っ越してきて……!?
孫のような熱血漢の若者と、凄腕の元長官。
意気投合した二人に、同心の吉岡一心や、龍巳の可憐で快活な孫娘・花衣も加わり、江戸の町で起こる様々な騒動へと立ち向かう!