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商品説明
クラカウアー、ベンヤミン、アドルノは、映画とは何かよりはむしろ、映画は「何をするのか」という問いを立てる。進化を遂げていくモダニティとしての映画、映画経験と映画を観る公衆の生きた経験との繋がりをなすモダリティ、いまだに予感しえない未来を生じさせる試みのなかで、映画という媒体、映画館という場のもつ可能性を追究する。映画学とフランクフルト学派が交差する思考の星座がここに煌めく。
目次
序文
謝辞
略語

第Ⅰ部 クラカウアー
第1章 映画──崩壊していく世界の媒体
    モダニズム的唯物論に向けて
    写真、および歴史の一か八かの賭け
第2章 奇妙なアメリカニズム
    装飾と公衆としての大衆
    大衆文化、階級、主体性
    競合しあう複数のモダニティ、狭まる選択肢

第Ⅱ部 ベンヤミン
第3章 アクチュアリティ、さまざまなアンチノミー
    複製技術論文──テクスト上の戦略、概念上の被害
    大衆、気散じ
第4章 アウラ──ある概念の我有化
    一般的な意味におけるアウラ
    アウラ芸術、美しい仮象
    アウラ、原初的イメージ、夢意識
    アウラ的な自己遭遇、生産的な自己疎外
第5章 月をボールと取り違えること
    神経刺激伝達
    ミメーシス的能力
    視覚的無意識
第6章 ミッキーマウス
    集合的哄笑──治癒と恐怖
    モダニストのメルヒェン
    異種混交的な被造物──「自然目的論の破砕」
    過剰と馴致
第7章 第二の自然の遊戯形式
    《Spiel》と遊戯論
    遊戯のための空間、第二の自然、反復可能性
    遊戯のアンチノミー

第Ⅲ部 アドルノ
第8章 映画美学という問題
    技法、技術
    透かし絵
    映像/文字
    自然美、言語的性格
    運動、時間、音楽

第Ⅳ部 亡命時代のクラカウアー
第9章 映画の理論
    マルセイユ – ニューヨーク
    歴史の待合室としての映画

訳者あとがき

原註+訳註
索引
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