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甦る田辺哲学

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商品説明
近年、国際的な関心を集め歴史的再評価が進む京都学派の一つの中心、田辺元(1885〜1962)。当時先端の西洋哲学および科学思想に深く通じて「種の論理」の弁証法をつむぎ出し、敗戦後の懺悔道的転回や死の哲学もいまあらためて脚光を浴びるこの比類なき哲学者の道程を、内外の執筆者が多面的にかつ深く掘り下げる論集。全集未収録の上野直昭、谷川徹三、新村出、下村寅太郎宛の田辺書簡および解題も収録。
目次
まえがき──田辺哲学の活性化 【廖欽彬】

第Ⅰ部 甦る田辺哲学──その多重性と可能性

藤田正勝 田辺元とヴァレリー、マラルメの象徴詩

竹花洋佑 無いものの現われ──田辺哲学における象徴概念の由来とその意味

伊藤 益 理性の限界──田辺哲学への問い

田口 茂 途中性と自己疎外──田辺元の媒介思想の再解釈

嶺 秀樹 田辺元の政治哲学

渡辺恭彦 田辺元の友愛・連帯・社会民主主義──沈黙期のマルクス読解がもたらしたもの

廖欽彬 哲学と文学の間──田辺元と野上弥生子の精神的交流を通して

田島樹里奈 なぜ量子論と愛が同時に語られるのか──田辺元の科学哲学と数理の歴史主義

郭旻錫 社会哲学と宗教哲学の間──懺悔道哲学における「法蔵菩薩因位の修業」の意味

馬場智理 田辺哲学における「実存」──実存思想の観点から

ソーヴァ・ P・K・セルダ 田辺元と西谷啓治における危機と自由──『波多野献呈論文集』を軸とした哲学的対峙の再構築

浦井 聡 田辺元初期の「我の形而上学」における意識一般について

羅 江 個体と種──田辺元のヘーゲル批判をめぐって

第Ⅱ部 書簡からみた田辺の思想とその射程──翻刻と解題

1 「もう一つの日本哲学史」のほうへ──田辺元の上野直昭宛書簡の思想史的意義
  上野直昭宛書簡 【川上英明/大友あかり/藤田亜美/堤田泰成/胡婧/川口茂雄】

2 田辺元の谷川徹三宛書簡に見る日本のヘーゲル受容史の一断面──高山岩男評価を中心として
  谷川徹三宛書簡 【ソーヴァ・P・K・セルダ/河合一樹】

3 京都学派の哲学の新しい展開──田辺元の下村寅太郎宛書簡から見えるもの
  下村寅太郎宛書簡 【廖欽彬/河合一樹】

4 大学アーカイブズの中の“京都学派”──田辺元関係資料を中心に 【福家崇洋】
  田辺元関係歴史公文書
  新村出宛書簡

 《コラム》 田辺記念館の過去と現在 【張政遠/福家崇洋】

あとがき 【張政遠】

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