本書は、ICCへの制裁からSWIFT、クレジットカード、金融規制、クラウド、SNS、AIまでをたどり、国家と巨大企業が握る「見えない支配」の構造を描いたノンフィクションである。
2026年8月18日、アメリカ政府は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を制裁対象に指定した。そして26日に、赤根所長は、一部のクレジットカードが使えなくなっていることを明らかにした。
しかし、アメリカ政府が日本の金融機関に「カードを止めろ」と命令したわけではない。
なぜアメリカは、国外にいる人間の金融や生活にまで、これほど大きな影響力を持つのか。
そして、止められるのはカードだけなのか。SNSのアカウント、検索結果、AIの答え。どれも、止める権限を持つ者が向こう側にいる。戦場は地図の上にありません。この戦争の前線は、スマホの中にある。
なお本書の入稿は6月末。ICCへの制裁指定より、約2か月前のことだったた。
【著者コメント】
刊行直前に、本書が書いた通りのことが起きた。それでも日本人は、まだ気づいていない。
赤根所長のためには、国連もEUも、世界の報道人たちも声を上げている。しかし、私が描きたかったのは、仕組みから外されても、誰にも記事にしてもらえない人間のほうだ。
これは技術の本ではない。制度に傷つけられた一人を見捨てないための本だ。