• 発売日:2025/07/31
  • 出版社:丸善出版
  • ISBN:9784621311530

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安全人間工学の理論と技術 第2版

安全人間工学の理論と技術 第2版

通常価格 4,400 円(税込)
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商品説明
好評をいただいた『安全人間工学の理論と技術 ヒューマンエラーの防止と現場力の向上』の改訂版

事故の多くは人間のミスや不注意など “ヒューマンエラー” に起因する一方で、人間がもつ柔軟な対応力によって大事故が防がれることも多い。本書は、事故や災害を防ぐために、それら安全にかかわる人間行動をシステムに実装していくための実践的な知識と方法を提供する。

安全における “人間” の特性を理解し、「ヒューマンエラーによる事故をなくす、ヒューマンファクターにより事故をなくす」という視点で、よりよい安全への取り組み:事故の再発防止・未然防止の分析手法や対策、安全教育や監査、安全を推進するための技術やマネジメントシステムについて体系的にまとめて解説。初版の内容を全面的に見直し、実務に役立つよう最新の知見を網羅しました。

安全対策にきちんと取り組んでいるつもりであっても、ヒューマンエラーを起因とする事故が減らない、対策が形骸化している、現場力が上がらないという悩める読者に解決へのヒントが見つかる一冊です。
目次
1章 安全の考え方
1.1 安全とは
1.2 リスクとリスクマネジメント
   1.2.1 リスク
   1.2.2 許容可能なリスク
   1.2.3 リスクを下げる
   1.2.4 リスクマネジメント
1.3 レジリエンス
1.4 Safety-I とSafety-II
Column
   貴重品と事故  
   事故をどこで語るか:一次的被害と二次的被害
   システムに関係する人
   危害の回避または制限の可能性
   領域によるリスクの考え方
   リスク認知
   スリーステップメソッド
   レジリエンスという言葉    
   レジリエンス・エンジニアリング
   Safety-I とSafety-II は子育てと同じ

2章 ヒューマンファクターと安全
2.1 ヒューマンエラー
2.2 ヒューマンエラーと安全の組立て
2.3 ヒューマンエラーの説明モデル
   2.3.1 4M(5M)
   2.3.2 SHEL モデル
2.4 ヒューマンエラーの種類
   2.4.1 起因形態から見たエラー分類
   2.4.2 結果形態から見たエラー分類
   2.4.3 原因から見たエラー分類
2.5 レジリエンスの能力
   2.5.1 調整(adjustment)
   2.5.2 レジリエンスの4 要素
   2.5.3 レジリエンスのためのマネジメント
2.6 ヒューマンファクターの見方方
   2.6.1 “広がり” と“深まり”
   2.6.2 現場でできること
2.7  ヒューマンファクターへの取り組みの実際:猛獣動物園を考える
   2.7.1 Step 1:Safety-I のアプローチ
   2.7.2 Step 2:Safety-II のアプローチ
   2.7.3 Step 3:経営責任と安全文化の構築
Column
   保 険  
   ヒューマンエラーへの向きあい方
   事故:“安全”と“質”
   “考える”と“考え抜く”
   状況的行為とレジリエンス
   先決めエラーと後知恵エラー
   ヒューマンスケール
   リスクオーナー(risk owner)
   テネリフェの悲劇

3章 現場改善
3.1 業務改善
   3.1.1 機械化・自動化
   3.1.2 IT による業務プロセスの簡素化
   3.1.3 誤りの生じにくい業務プロセスの設定
3.2 人間工学による現場改善
3.3 アラーム
3.4 フールプルーフ,インターロック
   3.4.1 フールプルーフ
   3.4.2 インターロック
3.5 作業環境への配慮
   3.5.1 物理的環境
   3.5.2 整理整頓
3.6 作業への配慮
   3.6.1 動作速度
   3.6.2 段取り
3.7 加齢に伴う問題
3.8 人間中心設計プロセス
Column
   IE の手法  
   安全活動としての 「~にくい」 調べ
   ユーザビリティ
   5S
   棒 屋  

4章 マニュアルの制定と徹底
4.1 マニュアルの性格
   4.1.1 墨守型
   4.1.2 遵守型
   4.1.3 標準型
4.2 マニュアル設計:現場の受容性
   4.2.1 実行可能性の検討
   4.2.2 ワークロードの検討
4.3 マニュアル設計:記述方法
   4.3.1 状況に合わせた記述粒度
   4.3.2 マニュアル利用者に応じた記述粒度
   4.3.3 記述順序
4.4 マニュアル管理
   4.4.1 現場が行うべきマニュアル数の確認
   4.4.2 マニュアル制定時の現場スタッフの参加
   4.4.3 マニュアルの管理基準の制定
   4.4.4 マニュアル化の弊害への理解
4.5 マニュアル教育と指導
4.6 規程違反への対応
   4.6.1 違反のシーソーモデル
   4.6.2 違反の種類とリスクテイキング
4.7 規程違反者への介入
4.8 倫理の限定性
Column
   マニュアルが守られない 
   天竜川の川下り船の事故(2011)
   ETTO:効率性と完全性のトレードオフ
   WAI とWAD:想像されていることと実際になされていること
   熟練モデル
   JCO 臨界事故(1999)
   安全基本動作の腹落ち
   割れ窓理論(broken windows theory)
   違反の分類

5章 注意の特性と不注意
5.1 不注意
5.2 視覚の特性と見落とし
   5.2.1 視 野
   5.2.2 視野内の視力
   5.2.3 目配り
5.3 注意の特性と見落とし
   5.3.1 集中的注意
   5.3.2 選択的注意
   5.3.3 注意の固着と分割的注意
   5.3.4 予期・期待の注意
   5.3.5 失念しやすい作業ステップ
5.4 注意の対象化
   5.4.1 指差し声出し確認
   5.4.2 整 頓
5.5 記  憶
   5.5.1 記憶のモデル
   5.5.2 感覚記憶
   5.5.3 短期記憶
   5.5.4 長期記憶  
   5.5.5 展望記憶
   5.5.6 チェックリストの実施方法
5.6 認知的けちと不注意
5.7 時間不足と不注意
Column
   情動反応  
   ステライルコックピットルール
   見張りスズメ
   落語 “時そば”

6章 知覚・認知の特性と“思い込み”
6.1 錯  覚
   6.1.1 錯 視
   6.1.2 ゲシュタルト
   6.1.3 原点を必要とする行動
6.2 環境のもつ意味性
6.3 思い込み
   6.3.1 文脈効果
   6.3.2 メンタルモデル
   6.3.3 スキーマとスクリプト
   6.3.4 期待視聴  
6.4 認知バイアス  
6.5 行動誘導  
Column
   概念の重要性
   教育学部の学生と歯学部の学生の会話
   システム設計原則:合致性・明瞭性・一貫性(標準化)・寛容性
   韓国大邱市の地下鉄火災(2003) 
   様子見  
   行動経済学  

7章 認知モデル
7.1 S-O-R モデル
7.2 認知モデルを必要とする領域 
7.3 マンマシンシステム(MMS)
7.4 行為の 7 段階モデル 
7.5 PDS モデル  
7.6 階層的タスク分析(HTA)
7.7 SRK モデル
7.8 情況決定制御モデル(COCOM)
7.9 状況認識(SA)

8章 診  断
8.1 診断とは
8.2 決定表からわかること
8.2 診断の検討順
8.3 診断力
8.4 誤 診
Column
   検査結果の取扱い  
   診断のための確認項目

9章 コミュニケーションとチームづくり
9.1 コミュニケーションの “機能面” と “情緒面”
9.2 言い方
   9.2.1 意味の伝達
   9.2.2 状況の共有
   9.2.3 気持ち:情緒的な側面
9.3 言うタイミング
9.4 復 唱
9.5 チームワーク
   9.5.1 チーム力のレベル
   9.5.2 適度な権威勾配
   9.5.3 リーダーシップとフォロワーシップ
   9.5.4 フィロソフィの共有
9.6 チームの雰囲気
   9.6.1 褒めあうチーム風土
   9.6.2 心理的安全性
   9.6.3 trust, but verify
Column
   コミュニケーションの媒体 
   Team STEPPS® のテクニック
   語用論
   言いやすいからといって,何でも言うな

10章 ノンテクニカルスキル
10.1 CRM とNTS
   10.1.1 ノンテクニカルスキル(NTS)
   10.1.2 CRM の変遷
10.2 ノンテクニカルスキルのプログラム構成
   10.2.1 ノンテクニカルスキルの階層構造
   10.2.2 CRM スキルの構成
10.3 TEM (Threat and Error Management)
10.4 ノンテクニカルスキルのプログラム開発  
   10.4.1 現場ニーズ / カテゴリー / エレメントの把握 
   10.4.2 カテゴリー分類 / 行動指標分類  
   10.4.3 スキル(テクニック)の書き出し 
10.5 ノンテクニカルスキル能力の評価 
Column
   事象の連鎖  
   スレットマネジメント(threat management) 
   エラーマネジメント(error management)  
   望ましくない状態のマネジメント(undesired state management) 

11章 危険予知(KY)
11.1 危険予知訓練(KYT)
   11.1.1 KYT の仕方
   11.1.2 対策に対する評価  
11.2 KY の “What if ” 展開  
11.3 要因展開図による KY 
11.4 KY の留意点 

12章 安全態度
12.1 望まれない態度
   12.1.1 ルールや規則を守らない態度
   12.1.2 軽率な態度
   12.1.3 安全を置き去りに頑張ってしまう態度
   12.1.4 情報共有をしない態度
   12.1.5 チームワークを妨げる態度
12.2 “隠す” 行 動  
   12.2.1 なぜ “隠す” ことがよくないのか
   12.2.2 隠す形態
   12.2.3 隠すモデル
   12.2.4 どうやって隠す行動を抑止するか
   12.2.5 隠すことの生じやすい職場
12.3 安全啓発
   12.3.1 使命感の醸成 
   12.3.2 注意配慮義務の理解
   12.3.3 EEP
   12.3.4 負の遺産に学ぶ
12.4 行動変容のモデル
   12.4.1 態度状態に応じた行動変容モデル
   12.4.2 TTM
Column
   キティ・ジェノヴィーズ事件  
   リニエンシー制度
   ヒューマンエラーは非懲戒
   日本航空安全啓発センター

13章 安全防護
13.1 機能安全による防護
13.2 制度による防護
13.3 人による防護
13.4 信頼性設計の手法
13.5 ダブルチェック
   13.5.1 ダブルチェックの論理
   13.5.2 健全なダブルチェックのデザイン
Column
   勘合符  
   ダブルチェックの形式
   悪魔は細部に宿る

14章 職業適性と教育訓練
14.1 職業適合性
14.2 性  格
14.3 教育訓練の管理とデザイン
   14.3.1 SAT
   14.3.2 インストラクショナルデザイン
14.4 教育訓練のモデル
   14.4.1 教育訓練プログラムの基本概念
   14.4.2 教育訓練プログラムの開発
14.5 シラバス
14.6 教育訓練の方法
   14.6.1 教授教育・訓練法
   14.6.2 OJT / OFF-JT
   14.6.3 教師者
   14.6.4 実活動に向けての訓練
14.7 監督者のマネジメント力の強化 
14.8 教育訓練成果の評価
Column
   離職と離社  
   腐ったリンゴ理論
   その教育訓練は本当に必要か?
   リテラシーと学習指導要領
   教 育
   成人学習理論
   e-learning
   不安なまま仕事をする
   中途採用者
   教育訓練は納得感がポイント

15章 業務管理
15.1 業務プロセスの標準化
   15.1.1 リスク管理項目の明確化
   15.1.2 変更時の管理
   15.1.3 情報伝達への仕組みづくり
15.2 背後要因
   15.2.1 生理的要素
   15.2.2 健康起因事故
   15.2.3 心理的要素
   15.2.4 背後要因の管理
15.3 スイスチーズモデル
Column
   Dirty Dozen(ダーティ・ダズン)
   I’M SAFE
   業務妨害行為
   動機づけ衛生理論とモチベーションの向上
   3 H:“はじめて” “変更” “久しぶり”

16章 職場風土と安全文化
16.1 安全風土
   16.1.1 風土改革
   16.1.2 風通しをよくする
16.2 組織文化と安全文化
16.3 チョルノービリ原子力発電所事故
16.4 安全文化のモデル
   16.4.1 Harmonized Safety Culture Model
   16.4.2 安全文化の劣化の兆候
   16.4.3 安全文化を支える四つの文化
   16.4.4 8 軸モデル
   16.4.5 安全文化成熟度モデル(Safety Culture Maturity Model:SCMM)
16.5 安全文化の把握と評価
16.6 安全文化の構築
   16.6.1 Schein のモデルに基づく介入
   16.6.2 アプリシエイティブ・インクワイアリー
16.7 高信頼性組織
16.8 組織事故
16.9 ノーマル・アクシデント
16.10 レジリエントな組織
Column
   ヴァナキュラー
   安全文化(safety culture)
   安全文化診断
   タイレノール事件
   雪印八雲工場食中毒事件

17章 安全マネジメント
17.1 安全マネジメントの意義
   17.1.1 安全の層を厚くするための安全マネジメント
   17.1.2 説明ツールとしての安全マネジメント
   17.1.3 危機対応を含む安全マネジメント
17.2 脅威に見合った活動
   17.2.1 脅威の種類
   17.2.2 活動の種類
17.3 安全マネジメントのプロセス
   17.3.1 PDCA を回す
   17.3.2 安全の評価指標
   17.3.3 安全情報
17.4 現場からの安全情報の収集
17.4.1 安全情報の収集
17.4.2 ヒヤリハット報告
17.4.3 情報分析
17.5 安全情報の集計
Column
   お 店 
   安全マネジメント:“労働安全衛生” “航空” “原子力”
   安全対策と危機対応
   安全に終わりはない
   PDCA サイクル:MAPE ループとOODA ループ
   ハインリッヒの法則
   現場のレベルとヒヤリハット報告
   安全活動の 3 階層モデル

18章 事故調査の基本
18.1 事故調査の意義
18.2 事故形態のモデル
18.3 事故調査者が身に着けるべきスキル
18.4 ヒアリングのスキル
18.5 事故調査のフォーメーション
18.6 調査項目
18.7 対策立案のスキル
   18.7.1 対策立案の方法
   18.7.2 再発防止対策の導出アプローチ
Column
   事故調査で知りたいこと 
   ある相発型事故
   中華航空 140 便墜落事故(1994)
   原因がわからなくとも対策は取れる
   システムの構成と事故  

19章 事故分析の手法
19.1 事故分析の意義
   19.1.1 事故を立体的に見る
   19.1.2 事故分析の手法
19.2 関係する要素を整理していく手法
19.3 事実を整理していく手法
   19.3.1 時系列図
   19.3.2 バリエーションツリー分析(VTA)
   19.3.3 FRAM
19.4 原因・要因を整理する手法
   19.4.1 4 M 4 E 分析
   19.4.2 SHEL 分析
   19.4.3 レジリエンスのモデルによる分析
   19.4.4 連関図
19.5 認知モデルによる分析
19.6 管理・組織要因との関係の検討手法
   19.6.1 HFACS(Human Factor Analysis and Classification System)
   19.6.2 AcciMAP
19.7 共通要因分析

20章 未然防止の手法
20.1 未然防止とは
20.2 要因展開
   20.2.1 系統図
   20.2.2 要因展開図
   20.2.3 サボタージュ分析(sabotage analysis)
20.3 システムの安全管理要素の分析
   20.3.1 FMEA
   20.3.2 FMEA の作業プロセスへの適用
   20.3.3 イベントツリー分析(ETA)
   20.3.4 蝶ネクタイ(Bow-Tie)分析
20.4 正常からの逸脱とその影響予見:HAZOP
20.5 制御に注目したリスク分析:STAMP/STPA
20.6 事前防止:PDPC 図法
   20.6.1 強制連結型PDPC 法
   20.6.2 逐次展開型PDPC 法
Column
   再発防止と同時に未然防止の取り組みを行う
 
21章 確率論的安全性評価
21.1 フォールトツリー分析(FTA)
   21.1.1 連関図の問題とFTA
   21.1.2 FTA の作成規則
21.2 確率論的安全性評価
   21.2.1 技術システムの信頼性評価
   21.2.2 人的過誤率
21.3 FTA の既約化

22章 安全監査
22.1 検査と監査
22.2 安全監査のスタイル
   22.2.1 オペレーションに関する監査
   22.2.2 マネジメントシステムに対する監査
   22.2.3 コンプライアンス監査とリスクベース監査
22.3 マネジメントシステムの監査
   22.3.1 内部監査と外部監査
   22.3.2 監査員の心構え
22.4 安全・安心・信頼
   22.4.1 安全・安心・信頼の関係
   22.4.2 信  頼
Column
   監査スタンスとスタイル 
   LOSA 
   自己評価
   監査コストが高くつく
   相互監査の落とし穴
   監査は鏡
   SOAP モデル
   4 P モデルと安全監査
   ディペンダビリティ(総合信頼性)

参考文献
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