高齢者医療・ケアの共通言語「日本版Geriatric 5Ms」を学ぶ
質の高い高齢者医療・ケアを実践するためには、身体的・精神的・社会的な課題を包括的に捉え、患者を全人的に理解する視点が不可欠である。その実践を支えるフレームワークとして、近年国際的に注目されているのが「Geriatric 5Ms(5Ms)」である。5Msは、高齢者を包括的に捉えるための枠組みであると同時に、複雑に絡み合う医療・ケア上の課題を整理し、それらの相互関係を理解するとともに、適切なアプローチを導き出すための思考フレームワークでもある。
本書『高齢者診療テキスト:日本版5Ms実践ガイド』は、日本の医療・ケアの現場に適した「日本版5Ms」の実践を支援するために編まれたテキストである。日本老年医学会の監修のもと、学会内の「CGA・5Ms最適化・普及ワーキンググループ」の中心メンバーが編集を担当し、日頃から5Msを実践している医師・専門職が執筆を担った。豊富な症例を交えながら、5Msの活用方法と臨床での考え方をわかりやすく解説している。
本書では、5Msの基本概念から始まり、日常診療のさまざまな場面や高齢者医療における多様な課題を、5Msの視点からどのように整理し、多面的に捉え、実践へと結びつけるかを体系的に学ぶことができる。
5Msは医師だけでなく、高齢者医療・ケアに携わるすべての専門職が共有できる「共通言語」である点にも大きな意義がある。多職種が5Msという共通の視点を持つことで、課題や目標を円滑に共有でき、それぞれの専門性を統合した患者中心の医療・ケアの実践につながることが期待される。
超高齢社会における高齢者医療・ケアの標準的アプローチ「日本版Geriatric 5Ms」を体系的に学び、患者中心の高齢者医療・ケアを実践するための一冊。