コルチャク ゲットー日記
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「子どもの権利」を訴えた教育者、医師、作家であり、1912年から孤児院「ドム・シェロト」の院長として独創的な教育実践を次々に編み出したヤヌシュ・コルチャクは、ナチ・ドイツ占領下でもワルシャワ・ゲットーで孤児院の運営を続け、200名近くの子どもと共に日々を生きた。本書はその最後の三か月、1942年5月から8月4日に刻まれた日記である。
〈子どもたちはふらふらしている。正常なのは子どもたちの外見だけだ。その下には、疲労、嫌気、怒り、反抗、猜疑、恨み、恋しさが潜んでいる〉
〈生まれること、そして生きることを学ぶことは大変なことだ。わたしにはもっと簡単な問題、死ぬことが残されている(…)これが最後の一年か、ひと月か、あるいは一時間か? わたしは意識がしっかりした状態で死にたい。子どもたちにどのように別れを告げるべきかはわからない。言いたいことはこれだけだ、君たちには道を選択する自由がある、と〉
ゲットーの壁の内部に40万人ものユダヤ人が閉じ込められていた超過密社会の中で、飢餓や死への恐怖や多くのストレスを抱えながら、コルチャクは、自伝的回想や創作、日々の観察、心の動き、死についての考察などを試みる。それはおのずとコルチャクの思考の総決算になり、収容所体験とは違ったホロコースト文学にもなった。
最後となる日記を書き上げた翌1942年8月5日、ゲットー一掃作戦によって、コルチャクは子どもたち約200人らと施設から5キロほどの道のりを行進し、そこからトレブリンカ絶滅収容所行きの列車に乗り、そのまま帰らぬ人となった。
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