グロティウス『戦争と平和の法』の思想史的研究

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グロティウス『戦争と平和の法』の思想史的研究

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「国際法の父」として名高いグロティウスの『戦争と平和の法』は、法学の最大の古典である。本書は、従来、主に国際法と国際政治の世界で評価されてきたこの書を、ホッブズに先行する近代的政治・社会思想の先駆的著作として捉え直す。『戦争と平和の法』の構想を、新しい時代を切り開く思想として、個人、国家、国際社会という構成要素との関連の中で読み解くことで、西洋法制史や国際法学はもとより、政治・社会思想史のこれまでの常識に挑戦する。
目次
序 章 『戦争と平和の法』はなにを論じようとしたのか
 1 「国際法の父」
 2 グロティウスにおける「戦争」
 3 グロティウスにおける「平和」
 4 諸国民間の共通法


 第Ⅰ部 近代思想とグロティウス

第1章 グロティウスははたして近代的か
 1 近代思想の開拓者グロティウス
 2 中世的グロティウス
 3 私戦と正戦
 4 近代的グロティウス
 5 グロティウスの「近代性」
 6 ヨーロッパ拡大の精神的武器

第2章 「完全な共同体」とグロティウスの国家思想
 1 戦争と平和の中世的意味
 2 自己保存と私戦の権利
 3 私戦と封建的アナーキー
 4 グロティウスの国家思想――「平和化された国家」としての「完全な共同体」
 5 国際社会と国際共同体

第3章 『戦争と平和の法』の思想史的意義
 1 国際法におけるグロティウスの伝統
 2 グロティウスは国際法の父か
 3 私戦について
 4 グロティウスにおける自己保存の思想
 5 近代思想の先駆者としてのグロティウス
 6 複眼的視点の必要性

第4章 「諸国民間の共通法(ユス・コムーネ)」と理性を行使する者たちの社会
 1 『戦争と平和の法』の構想
 2 中世ヨーロッパの戦争とその慣行およびその強靱性
 3 戦時掠奪の合法性――グロティウスにおける正式戦争と正戦
 4 ルソーが見落としたもの
 5 社会への欲求とコスモポリタニズム
 6 平和な社会


 第Ⅱ部 グロティウスとヨーロッパの拡大

第5章 近世ヨーロッパのフロンティアと国際法の思想――オランダ東インド会社とグロティウスの自然法的私戦論
 1 海を隔てたフロンティア
 2 カタリナ号事件
 3 オランダ東インド会社
 4 グロティウスの『捕獲法論』
 5 『戦争と平和の法』における私戦と自然法
 6 近世ヨーロッパのフロンティアとグロティウス

第6章 人類の敵――グロティウスにおける海賊と航行・通商の自由――
 1 海賊と国際法
 2 公敵と海賊
 3 正式戦争と掠奪
 4 正戦の思想
 5 人類の敵
 6 商業社会の思想


 第Ⅲ部 グロティウスと現代

第7章 グロティウスのアンビヴァレンス――国家主権と人類の共通利益
 1 新グロティウス主義
 2 内戦の抑圧と新しい秩序
 3 抵抗権
 4 人道的干渉
 5 国際社会とその共通利益
 6 グロティウスと現代国際法

第8章 グロティウスの伝統――国際法の思想史と国際社会
 1 国際法思想の一潮流
 2 国際社会の思想
 3 国際法におけるグロティウス主義

第9章 グロティウスと20世紀における国際法思想の変容
 1 新しい国際法思想
 2 第一次世界大戦とグロティウス主義
 3 『戦争と平和の法』刊行300年
 4 第二次世界大戦とグロティウス主義
 5 国際軍事裁判
 6 国際社会・国際法の構造変化とグロティウス主義


あとがき
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