入門 ポピュラー音楽の文化史

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商品説明
本書は、スターとその楽曲ないしアメリカの影響からの歴史記述ではなく、より多様にポピュラー音楽の歴史を読み直していくための視点と方法をとりあげる。
目次
はじめに


 第Ⅰ部 越境

第1章 アメリカの「支那の夜」――太平洋を渡った「極東」の歌(青木 深)
 1 「伝説のヒット曲」
 2 日本占領・朝鮮戦争の愛唱歌
 3 アメリカに渡った「支那の夜」
 4 「支那の夜」から「スキヤキ」へ 

第2章 いつの日君また来たる――越境する「何日君再来」(西村正男)
 1 越境するタンゴ/エキゾチシズム
 2 小説・映画への広がりと政治的解釈
 3 レコード盤面のクレジットをめぐって

第3章 YMOとゲーム音楽――アフロ=アジアの環太平洋的文化交渉(大和田俊之)
 1 テクノオリエンタリズム
 2 アフロ=アジア
 3 ーム音楽とロボティックな身体

第4章 「倭色歌謡」の規制とトロットの誕生――戦後韓国におけるポピュラー音楽の文化史の一断面(山内文登)
 1 ポピュラー音楽における「色分け」とジャンル
 2 日韓関係の「六五年体制」と倭色歌謡統制
 3 「倭色」の音楽的「検出」と「演歌」言説の越境
 4 「トロット」の誕生
 5 一九八〇年代のポンチャック論争と倭色歌謡の終焉


 第Ⅱ部 現場

第5章 世界歌謡祭からニューミュージックへ――一九七〇年代における「主流」の形成(輪島裕介)
 1 主流の変遷――演歌からニューミュージックへ
 2 「世界歌謡祭」の誕生
 3 ヤマハ音楽振興会のポピュラー音楽戦略
 4 『音楽普及の思想』
 5 小坂明子「あなた」と「アマチュアリズムの勝利」
 6 西洋近代「共通の慣習」の再発明

第6章 スタンダード・ミュージックとしての「Get Wild」――生成過程と社会的価値についての考察(柴台弘毅)
 1 スタンダードと懐メロの差異
 2 スタンダードをめぐる先行研究
 3 「Get Wild」の事例分析
 4 スタンダードが生み出す社会的価値

第7章 カラオケ喫茶における「演歌・歌謡曲」の受容――高齢者の音楽実践から考える「戦後日本」の回想(ベニー・トン)
 1 はじめに――カラオケ喫茶におけるノスタルジックな音楽実践
 2 演歌・歌謡曲に描かれる「古きよき」恋
 3 常連客のライフコースからみる戦後日本の社会ジェンダー構造
 4 おわりに――再帰的ノスタルジアを通じてカラオケを楽しむこと

第8章 パフォーマンスの場としての温泉地――ツーリズムをめぐる場所性の形成と音楽実践(葛西 周)
 1 研究対象としての観光地の音楽
 2 温泉地の音楽実践におけるホスト/ゲストの揺らぎ――漂泊するホストたち
 3 場所性の共有と地域アイデンティティー――点在する「日本のハワイ」
 4 むすびに

第9章 教養を消費するレコード愛好家の「世界」――昭和初期の「蓄音機ファン」の顕在化過程から(大嶌 徹)
 1 「洋楽=レコード=教養」の文化史
 2 レコード専門雑誌の登場
 3 「蓄ファン」というサブカルチャー
 4 「世界」に拡張される趣味空間
 5 「レコード=教養=道楽」の正統性


 第Ⅲ部 ジャンル

第10章 彼らの系譜としての大衆音楽史――日本におけるカントリー音楽の盛衰を事例に(永冨真梨)
 1 「アメリカ文化」と彼らの系譜としての大衆音楽史
 2 涙を流すカウボーイ灰田勝彦と「いとしの黒馬よ」
 3 戦後派カウボーイ――敗戦直後のウエスタン
 4 カントリー・ジェントルマン――「脱」戦後期のカントリー&ウエスタン
 5 「なぜぼくは“ウエスタン”が嫌いか」――カントリー&ウエスタンの終焉

第11章 起立の規律――ロック・バンドの来日公演にみるスタンディング実践史(忠 聡太)
 1 実演空間と観客
 2 七〇年代のロック公演にみる起立の明暗
 3 指定席からの解放
 4 フロアの絶えざる歴史化に向けて

第12章 ジャパニーズ・シティ・ポップのジャンル史(モーリッツ・ソメ)
 1 シティ&ビーチ――一九八〇年代シティ・ポップの生態学
 2 シティ・ミュージックからシティ・ポップへ
 3 シティ・ポップの系譜的「語り」と存在論的間メディア性
 4 コーダ――西洋におけるシティ・ポップ受容

第13章 日本人はなんでそんなにタンゴが好きなんだ――日本のタンゴ音楽文化史と「私(self)」のエスノグラフィー(麻場友姫胡)
 1 「文化的な荷物」を開封すること
 2 日本タンゴ音楽文化史と私の生活史
 3 自己・フィールド・他者
 4 イギリスに戻って


コラム
ドキュメンタリー作品としての録音資料アーカイヴ ――小沢昭一『ドキュメント 日本の放浪芸』(鈴木聖子)
欲望――Hiromiの音楽的歓喜について (ケヴィン・フェレス[永冨真梨・輪島裕介訳])

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