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ソーシャルワークという「希望」

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商品説明
今日の日本では、生活の支えとなるべき他者や社会との安定したつながりを失って、深刻な孤立状態を強いられる人々が増えている。これはソーシャルワークという思想と実践がなければ解決できない社会的な問題であり、地域にソーシャルワーカーがいるということは、この時代の「希望」である。本書は、他者への想像力や寛容さが失われ、分断や排除が進行する現代社会に求められるソーシャルワークのありようを考えたものである。筆者が出会った幅広いジャンルの本や資料などから、ソーシャルワークを巧みに表現した実践の糧になる言葉を多数紹介しながら、その使命・役割・魅力や可能性を存分に伝えている。今こそ必要なソーシャルワークを、身近な言葉で楽しく、面白く、かつ大真面自に論じた「ソーシャルワークすぎる」一冊。
目次
まえがき──それでもソーシャルワークをあきらめない支援者たちへ

序 章 ソーシャルワークにこの時代の希望を見出す
 1 ソーシャルワークの思考と主張
 2 支援観の問い直しとソーシャルワークの本分
 3 ソーシャルワークを取り巻く社会状況
 4 昨今の国の報告書や法改正とソーシャルワーク
 5 日本での新型コロナウイルス感染症の経験
 6 ポストコロナ時代のソーシャルワーク
 7 新しい時代のソーシャルワークを拓く


 第Ⅰ部 人々とともにあるためのソーシャルワーク

第1章 人を支えるつながりと場所をつくる
 1 相次ぐ「ローンオフェンダー型」の犯罪
 2 少年たちはなぜ非行や犯罪に走るのか
 3 「孤立の病」としての薬物依存症
 4 バイオ・サイコ・ソーシャルモデルの人間観
 5 その人にとっての「大丈夫」になる
 6 ともに「大切」を見つけて新しい「大切」を増やす

第2章 その人の「生」を肯定するかかわりや関係を築く
 1 人はなぜ支援を求めないのか
 2 「一緒にいたい、話したい」と思ってもらえる支援者になる
 3 安全で安心なコミュニケーションから信頼を取り戻す
 4 かかわりや関係がもたらす人間の「生」の肯定と豊かさ
 5 ソーシャルワークは当事者の顔をしているか
 6 ソーシャルワークの新たな専門性

第3章 理不尽な世の中で生きるためにもがく、抗う
 1 「タイパ」の文化とソーシャルワーク
 2 「どないかします」の心で「もがく」実践
 3 社会問題や生活問題は支援者の「関心」次第
 4 知ろうとすること、見ようとすること、聞こうとすること
 5 個人と社会の福祉の向上のために
 6 人々の生存を守るために「抗う」こと
 7 地域を、社会をこさえる

第4章 ソーシャルワークの「根っこ」を見つめる
 1 跋渉(ばっしょう)の労を厭う勿れ
 2 あなたは一人ぼっちではない
 3 「人ひとりは大切」である
 4 社会の矛盾に対する「永遠の戦い」としてのソーシャルワーク
 5 今伝えるべきは「生きていくことへの肯定」
 6 その人が「生きて、幸せになる」という希望を抱ける支援
 7 その人が「生きること」をあきらめないソーシャルワーク
 8 ソーシャルワークは「大事なこと」をしている


 第Ⅱ部 新たな時代のソーシャルワークの創造と継承

第5章 支援者としての「態度」を育む
 1 小説『月』が問いかけるもの
 2 障害者施設で起こった事件から考える
 3 その人への「わからなさ」を前に謙虚であること
 4 当事者や利用者は支援や支援者を映す「鏡」である
 5 「心理的安全性」が共有された職場環境をつくる
 6 「チームワーク」で支援する
 7 リーダーや管理職の役割とスーパービジョン

第6章 新たな時代のソーシャルワークの学びと教え
 1 シン・ソーシャルワーク教育論
 2 社会福祉士および精神保健福祉士養成カリキュラムの特徴と課題
 3 「銀行型」から「問題解決型」の教育へ
 4 ソーシャルワーカーとしての「批判的思考」を育む
 5 「リベラルアーツ」が知識基盤となる
 6 「人ごとではない」と思えること
 7 「希望」を育むソーシャルワーク教育

第7章 ソーシャルワークの「実践知」の創造と継承
 1 「VUCA」の時代とソーシャルワーク
 2 現場に根ざした「実践知」が必要
 3 ソーシャルワーク実践の「経験」
 4 ソーシャルワークの「わざ」の獲得
 5 経験にひらかれた「知」としての「フロネーシス」
 6 支援における「実践知」の意義

第8章 ソーシャルワークの海で泳ぎ続ける
 1 ソーシャルワーク研究に「恋」をする
 2 支援者の「実感」に基づく言葉で語る
 3 「溜め」を共有して「対話」する場をもつ
 4 「臨床の知」としての「実践知」
 5 支援者に勇気を与える「物語の力」
 6 漫画『チ。』から学ぶ「学問」や「研究」


 第Ⅲ部 マンガやアニメに見出すソーシャルワークとその希望

第9章 『新世紀エヴァンゲリオン』から考える「他者」の存在の意味
 1 「エヴァンゲリオン化」する社会
 2 『新世紀エヴァンゲリオン』とは何か
 3 弱さや葛藤を抱える主人公「碇シンジ」
 4 碇シンジの承認をめぐる葛藤と「ひきこもり」
 5 「他者」がいない世界は幸せなのか
 6 それでもその人と手をつなごうとする希望
 7 「シリーズ完結編」から得られるソーシャルワーク・マインド

第10章 『鬼滅の刃』から考える「喪失」と「弱さ」にある可能性
 1 『鬼滅の刃』の大ヒットが意味するもの
 2 人生における「喪失」を否定しない
 3 人々の平和な日常と笑顔を取り戻す
 4 「家族」とは何か、「家族の絆」とは何か
 5 人にはそれぞれ過去や事情がある
 6 弱い人こそ可能性をもっている
 7 生きているという「奇跡」の物語とソーシャルワーク

第11章 『ONE PIECE』から考える「人として生きる」ための条件
 1 「自分さえよければいい」からの脱却
 2 「助けてもらわないと生きていけない」という自信
 3 『ONE PIECE』の言葉で「ソーシャルワーク」を語る
 4 ユートピア(理想郷)はない、だから「傷つく側」に立つ

第12章 『健康で文化的な最低限度の生活』『SLAM DUNK』から考える指導者とチームの意義
 1 こんな指導者の下でソーシャルワークをやりたい
 2 「半田明伸」はスーパーバイザーのモデル
 3 部員とチームが育つ「安西光義監督」の素敵な言葉
 4 君はなぜ福祉の仕事を続けるのか


終 章 小さなことから始めて、できることを続けよう
 1 「小さいこと」を忘れない
 2 「研究者」が「現場」にかかわること
 3 「ただいのちであること」のありがたさを知る
 4 互いに補い合う関係性と意思決定支援
 5 利用者との時間が「待ち遠しい」という経験
 6 「良い過去を積み重ねる」という支援
 7 「パーソナルイズポリティカル」の視点で「考え続ける」こと

あとがき──この時代におけるソーシャルワークという「希望」
参考文献
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