生活保護不正受給件数は、1998年度には4,063件だったが2020年度以降は3万2,000件前後と高止まりの傾向となっている。この状況に鑑み、不正受給認定方法の推移、ケース診断会議録・告訴状等の公文書に示された福祉事務所の不正受給判断の実態、監査資料等にみえる福祉事務所の実施体制、不正受給をめぐる裁判例、かつて実施された外国人への不正受給対応について検討したのが本書である。検討には情報公開制度に基づき入手した不正受給認定におけるケース診断会議録約7,000件等の一次資料を使用。生活保護不正受給の実態とその認定プロセスを実証的に検討し、生活保護不正受給件数が高止まりの傾向にあるのは被保護者の問題だけが要因でない事を示した一冊。