序 章 忘却の彼方から
1 岩村透とは誰か
2 人物の救済は、時代の救済
3 先行評伝・先行研究について
4 本書について
第一章 〈いごっそう〉の根
1 岩村家と高知との縁
2 「男爵」家の意味
3 岩村家と芸術界
第二章 二言語使用者の夢
1 慶應から青山へ
2 アメリカ時代
3 美術批評家への転身
第三章 パリの美術生活
1 「巴里の美術学生」の原風景
2 手帳を片手に
3 旅する青春
4 黒田清輝・久米桂一郎との出会い
第四章 美術批評家はいかにあるべきか
1 『青山評論』の時代
2 『美術評論』の時代
3 美術家と社会を結ぶ批評家
幕間1 語る批評家
1 岩村の名講義
2 社交の精神
3 友へ語る
4 語る批評
5 毒舌家の功罪
第五章 学術と啓蒙――東京美術学校西洋美術史の初代教授として
1 岩村教授の西洋美術史講義
2 「世界美術史」の情報伝達者
3 啓蒙としてのボヘミアニズム
第六章 社会変革としての美術ジャーナリズム――盟友・坂井犀水と共に
1 セントルイス万博(一九〇四年)の転機
2 盟友・坂井犀水
3 大逆事件の時代と美術界
4 『美術新報』一九〇九年の変革――感興と経済のありか
5 美術界の再編を目論んで
幕間2 森鷗外と岩村透――知友を超える
1 伝記上の接点
2 相同する仕事
3 協働する仕事
4 知友を超える――鴎外「かのやうに」における岩村透像
5 次世代を擁護して
第七章 新しい絵画と工芸を夢見る
1 前衛の一歩手前で――岩村の立ち位置
2 世界の印象派
3 民藝直前の装飾美術運動
第八章 美術と建築
1 筋金入りの建築好き
2 プロフェッサー・アーキテクトたちとの交友
3 吾楽殿の時代――失われた美術建築
4 帝劇・自由劇場・慶應義塾
幕間3 美校教授の御宅拝見
1 普請道楽の思想
2 三崎の別荘――南欧のおもかげ
第九章 美術行政とアーツマネジメントの先駆者
1 雑誌『太陽』の論者になる
2 情報専門誌からオピニオン誌へ――『美術週報』の発刊
3 国民美術協会の設立と展開
第十章 病魔と復職却下事件に抗して
1 一九一四年四―九月 最後の外遊
2 岩村教授復職却下事件の真相
3 岩村の抵抗――〈美術問題〉から『美術と社会』刊行まで
4 美校事件から保証金支払い命令へ
5 ボヘミアニズムの光と闇
第十一章 幻の著作――英・仏美術界の今
1 幻の著作の存在――美術紀行の刷新
2 旅の目的(一)――パリ・ロンドン、美術界の今を知る
3 旅の目的(二)――「外交」あるいは「人間訪問」
4 連載〈旅中小感〉の企図――英仏比較文化論の夢
終 章 一念の誠天地を動かすべし
1 本瑞寺葬儀の意味
2 国民美術協会による継承――没後諸事業の意味
3 現代に蘇る――岩村透百回忌(二〇一六年)
あとがき
岩村透読書案内
参考文献
岩村透略年譜
図版一覧
事項索引
人名索引