ドイツ社会経済思想史の研究

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過激な革命を敬遠して多様性を許容する別の
啓蒙・共和主義を求め、別の進化を模索した
18・19世紀の政論家たち(メーザー、ミュラー、ヘーゲル、ヒルデブラント、ケテラー)、合理的理論への依存を警戒しその部分認識を認めながらも多様な文化・歴史・風土のなかの経済という包括的観点で経済学を構想した19・20世紀の社会科学者たち(シュモラー、ヴェーバー、ゾンバルト、ザリーン)、彼らの社会経済思想を解明する。
目次
序――多様性と持続性を包摂する別の啓蒙・共和主義,別の進化,別の経済学の模索
凡 例


 第Ⅰ部 18・19世紀転換期ドイツの社会経済思想とその後

第1章 メーザーにおける啓蒙と啓蒙批判
 1 出口勇蔵の視座から
 2 小林昇のリスト研究を手掛りに
 3 ロッシャーの叙述から
 むすび

第2章 メーザーの社会思想の諸相
 1 クライス連合論と小商人批判
 2 分権主義・多元主義
 3 所有論
 4 隷属・従属論
 むすび

第3章 ヘーゲルの国家・経済論における共和主義的側面について――初期から後期へと結ぶモンテスキューの理念
 はじめに――『法哲学の要綱』(1821年)における共和制の評価
 1 若きヘーゲルの古代ギリシアへの憧れ
 2 ヘーゲルの共和制像の原形
 3 共和制崩壊の意味
 4 青年ヘーゲルの飛翔
 むすび

補論1 ヘーゲルとの対比におけるアダム・ミュラーの国家構想ならびにカール・シュミットのミュラー批判の再検討
 1 ヘーゲルとの対比でのミュラー
 2 ミュラーにおける中世・近代の連続的発展の観念
 3 カール・シュミットのミュラー批判の再検討

第4章 交換手段の転変を基軸とした発展段階論――ミュラーとヒルデブラントにおける歴史把握の方法
 1 ミュラーの発展段階論――『貨幣新論の試み』(1816年)
 2 ヒルデブラントの発展段階論――「現物経済,貨幣経済および信用経済」(1864年)
 3 ロマン主義から旧歴史学派への一系譜

第5章 アダム・ミュラーとケテラー
 はじめに
 1 ミュラー
 2 ケテラー
 むすび

第6章 「保守的」と見なされた18・19世紀ドイツの思想家たちから何を学ぶか――保守的啓蒙,ロマン主義,社会的使用価値論
 はじめに
 1 ユストゥス・メーザーの保守的啓蒙
 2 アダム・ミュラーの世代間倫理
 3 ドイツ古典派の社会的使用価値論
 むすび

補論2 文書集成から分かる初期小林昇――その青少年期・福島期文書の収蔵によせて
 1 青少年期と福島期とりわけ後者の意味について
 2 文学と増田晃への傾倒
 3 大学生時代の勉学
 4 福島時代の交友関係
 5 文書集成から見えてくる小林昇の世界観


 第Ⅱ部 晩期歴史学派の経済思想

第7章 歴史学派の遺産とその継承――ザリーンとシュピートホフの「直観的理論」
 はじめに
 1 合理的理論を包摂し価値判断を肯定する「直観的理論」――ザリーン
 2 イデオロギー性が除去された「直観的理論」――シュピートホフ
 むすび

第8章 ゾンバルトにおける「経済システム」と発展――『経済生活の秩序』における「文化領域」としての経済
 はじめに
 1 シュピートホフへのザリーンの影響および両者へのゾンバルトの影響
 2 ゾンバルト『経済生活の秩序』に示された3層構造
 3 ゾンバルトにおける既存の歴史把握の批判的検討
 むすび

第9章 ゲオルゲ=クライスにおける哲学者ラントマンから経済学者ザリーンへの影響
 1 ヴェーバーのシュモラー批判と総体認識の後退
 2 ゲーテの「生」観念とゾンバルトの総体認識
 3 1927年論文での「直観的理論」の登場とラントマンへの言及
 4 ラントマン『認識の超越』(1923年)で示された認識の4段階
 5 包括的な総体認識による部分認識の修正・補完またはその逆
 6 時間経過と「超経済的な容器」を前提する歴史学派の方法
 7 現代環境倫理の「容器の経済学」とゲオルゲの詩作・美学
 8 ラントマンをベースにゾンバルトを発展させるザリーンの試み

補論3 ザリーン『経済学史』の諸版について
 1 書誌的に
 2 内容における変更

第10章 「直観的理論」から市民社会論へ
 はじめに
 1 高島による「直観的理論」の移入とその背景
 2 スミスによって「媒介」されているリスト経済学こそ「直観的理論」
 むすび

補論4 忘れ去られた経済学者――加田哲二とドイツ経済思想史
 はじめに
 1 加田の生涯と著作――1931年に至るまでそして戦時体制下で
 2 加田『独逸経済思想史』の大構想とその難点および独自性
 むすび

結――新しい地平とそこから見えてくるもの

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