序 章 食は心身の健康にどう関係するか──社会学からのアプローチ(黒田浩一郎)
1 食と健康の社会学
2 本書の構成
第Ⅰ部 健康によい食べ物と悪い食べ物
第1章 医学が語る「健康によい食」(佐藤純一)
1 現代社会における「医学の食の語り」
2 「医学の食の語り」を捉えるために
3 近代医学の「食と病気」研究──β-カロテンを例に
4 近代医学の「食と病気」研究──地中海食研究
5 「健康によい食」を求めて
第2章 食品添加物を避ける人びと──埼玉県とハワイ州での住民調査から(本間三恵子)
1 食品添加物とリスク評価
2 消費者の「自然志向」と添加物への態度
3 添加物を避ける人びと
4 調査結果にみる添加物を控える人びとの背景
第3章 糖質制限食がダイエット法になるまで(本郷正武)
1 糖質を摂る/制限することの意味
2 糖質制限食とは何か
3 医師の不養生──糖尿病になる医師たち
4 糖質制限食に対する批判とその応答
5 減量法の一つとなった糖質制限食
第4章 グルテンフリー食──「悪い食べ物」としてのグルテン(福島智子)
1 欧米におけるグルテンフリー食の流行
2 NCGS患者によるグルテンフリー食の利用
3 非患者によるグルテンフリー食の利用
4 NCGSと非患者の共通性──診断過程と目指される健康観の特徴
5 心身の不調を改善するツールとしての食事──二一世紀の除去食
6 日本におけるグルテンフリー食
第Ⅱ部 生活と人生にとってのよい食と悪い食
第5章 「ていねいな暮らし」における食──good foodからgood foodworkへ(福島智子)
1 「ていねいな暮らし」ブーム
2 暮らし系雑誌
3 ロールモデルが推奨する食に関連したライフスタイル
4 ていねいな暮らしにおける食の特徴
5 ていねいな暮らしが推奨する食のあり方
第6章 食育における「健全な食生活」とは──日本型食生活・食生活指針・和食の関係(中村麻理)
1 食育の法制化と「日本型食生活」の役割
2 「日本型食生活」とは何か──食生活指針との関係をふまえて
3 「日本型食生活」と「和食」の関係とは
4 食育における「健全な食生活」とは
第7章 地鶏かブロイラーか──ネパール・ヒンドゥー教徒の身体観(中村友香)
1 日常化する鶏肉食
2 鶏と身体
3 鶏を吟味する
4 鶏はどのような性質を持つのか
第Ⅲ部 食が関わる病と食による病の予防と治療
第8章 オルトレキシアと健康至上主義──ユーモアとしての抵抗(美馬達哉)
1 食の逸脱と疾病、そして健康至上主義
2 オルトレキシアとは何か
3 オルトレキシアはいかにして「発見」されたか
4 オルトレキシアはいかにして広がったか
5 医療化が生み出した論争とオルトレキシア言説
6 オルトレキシアとユーモア
第9章 コントロールと快楽/喜びの対立を超えて──「よく食べる」ことについての人類学的考察(碇 陽子)
1 よい食べ方をめぐる争い
2 アメリカの「肥満問題」とコントロールの論理
3 ダイエット・グループでの調査
4 「よく食べる」──コントロールと快楽/喜びの二項対立から脱するために
5 コントロールのその先へ?
第10章 一九二〇年代における結核患者の食──自然療法に着目して(宝月理恵)
1 結核の在宅療養と食──背景と課題
2 肺病療養教則と療養手記の流行
3 自然療法とは何か
4 自然療法における栄養療法
5 結核患者の献立
6 療養と女性のケア役割
7 結核の在宅栄養療法における実践類型
第11章 マスク会食の誕生──新型コロナをめぐる知と非知(中川輝彦)
1 マスク会食の提唱
2 記録の収集と専門家の組織化
3 道徳事業としての新型コロナ対策
4 クラスターの発見
5 マスクの評価
6 マスク会食のアイロニー
あとがき
索引