はじめに
序 章 ことばの海に漕ぎ出す「子どもの船出」を支える人々へ──主体性を育む「共育」の指針
1 ことばを育むことの真の意義──「非認知能力」の視点から
2 本書の執筆方針──多角的なアプローチによる「ことば」の再定義
3 本書の構成と活用法──学びを深めるための羅針盤2
4 ことばという贈り物を手渡すために
第Ⅰ部 子どものことばの育ちと環境──主体性を尊重したアプローチ
第1章 人との関わりから始まる乳幼児のことばの育ち──保育の基本
1 対人コミュニケーションが育む乳幼児のことば
2 人への関心から始まり,関係の中で育まれる乳幼児のことば
3 ことばの発達の個人差と支援
4 子どもの発信に耳を傾け,子どもの気持ちに寄り添ってことばをかける
第2章 「やってみたい!」を引き出すことばの保育環境──保育内容「環境」との接点
1 「やってみたい!」を引き出すことばの環境
2 保育の環境がことばを育てる
3 児童文化という魔法── 子どもをことばの表現へと誘う児童文化財
4 ことば遊びを通して「聞き方・話し方」を育む──ことばの楽しさ・音・響きを育てるために心がけたいこと
5 子どものことばを引き出す保育環境としての児童文化財
第3章 ことばによる自己表現とコミュニケーション──保育内容「人間関係」との接点
1 ことばの発達と「人間関係」の発達の関連を知る
2 安心できる関係の下での自己表現──自分の気持ちをことばで表現する力を育む保育者の関わり
3 友達とのことばのやり取り──葛藤をことばで解決する力,協力や感謝を伝えることばを育てる
4 子どもの人間関係トラブルにどう向き合うか──仲立ちを通じた互いの理解を深める人間関係の構築
第4章 遊びを通して深まることばの世界──発達を捉え,子どもの思いの表現を支える
1 遊びの中で育つ,子どものことばの世界
2 ごっこ遊びや集団遊びにおけることばの役割──役割語・ルールの共有・協同的な活動を支える環境
3 伝承遊びやわらべうたを通したことばの音やリズムへの親しみ──遊びと生活の中で育まれることばのリズム感と表現力
4 行事や生活体験を豊かにすることばのやり取りと共有──生活や行事の体験を通して育つことばの理解と表現
5 ことばの育ちと環境の相互作用──遊び・生活・行事を通じた統合的理解
第5章 デジタルメディア・機器の活用で広がることばの世界──現代的な課題
1 現代の子どもを取り巻くICT環境
2 情報機器を活用した子どものことばの記録と活用
3 デジタル教材とその特性
第Ⅱ部 多様なことばの育ちへの支援と連携
第6章 みんな違って,みんな良い! ことばが育つ関わり
1 特別な支援が必要な子どもたち
2 ことばの発達に影響する病気や障害
3 海外ルーツの子どもを支援し多言語・多文化を尊重する保育
4 個別の教育及び保育支援計画と指導計画
第7章 ことばの育ちの「評価」と「計画」のあり方の再検討──表現の主体としての「子ども」を丸ごと受け止める
1 「今」と「未来」をひらく評価の視点──その子の強みと環境に光を当てる
2 評価の再定義──「技術」の査定から「あり方」の肯定へ
3 多角的な評価の対象──教育評価論とソーシャルワークの視点から捉える環境
4 子ども主体の評価と計画──「10の姿」を道しるべとしたOODAループ
5 評価の社会化と小学校への架け橋──要録を「子どもの尊厳を守る提案書」に
第8章 ことばの遅れに悩んだときの羅針盤──教育相談と連携
1 信頼関係構築と多様な連携に向けて
2 悩みを抱えた保護者との向き合い方── 子育ての専門職としての留意点
3 専門機関との連携──保育者としてできること,できないこと,協力し合うポイント
4 ことばの発達に課題のある子どもの保護者に対する支援と連携
第9章 すべての子どもの最善の利益のために──保育者の資質向上
1 保育者の専門性と「子どもの最善の利益」
2 生涯にわたる発達の連続性を踏まえた支援
3 専門性の向上と省察
第Ⅲ部 ライフステージを見据えたことばの育ちの支援
第10章 乳児保育におけることばの育ち──非言語コミュニケーション
1 子どものことばの育ち
2 0歳,1歳,2歳児のことばの発達
3 保育所保育指針における乳児保育
4 子どものことばを育む保育者・保護者の関わり
第11章 幼児保育におけることばの育ち──思考と表現の広がり
1 ことばの育ちに必要な思考と表現
2 幼児期のことばの発達の理解
3 保育の中で生まれる子どもたちの関係性
第12章 ことばと「環境」──体験とことばのポリフォニー
1 ことばの育ちと環境──心動かされる体験とことばのための環境
2 心動かされる体験からの「ことば」と保育者という環境
3 子どものことばの育ちと領域「環境」
第13章 ことばと「人間関係」──共感と相互理解
1 「ことば」がつなぐ「協同性」と「道徳性の芽生え」──「伝えたい」思いが「協同」に変わる瞬間を支える
2 ことばがつなぐ「個」と「集団」
3 子どものことばと領域「人間関係」
第14章 接続期の円滑な学びを支える幼保小の連携
1 接続期の大切さ
2 幼保小の円滑な接続のための連携
3 ことばの学びと広がり
第15章 これからの社会と「ことば」──保育者としての展望
1 情報化・多文化化・AI時代における子ども主体のコミュニケーション──変容する社会における「対話」と保育者の専門性
2 AI時代と「間」──デジタルにできない情動の共有による人間性への回帰
3 柔軟な計画(OODAループ)とチーム保育──「予定調和」から「応答的な創造」へ
4 心のケアと意欲──「困っている子」の理解とレジリエンスを支える連携
5 多文化共生とことば──「ちがい」を豊かさに変えるインクルーシブな対話とコミュニケーション
6 子どもの未来を創る保育者へ──「ことば」を育てることは,「平和な社会の砦」を築くこと
終 章 言語発達を支える教育・保育の「環境」と「人間関係」──共に生きるためのコミュニケーション
1 本書の総括と執筆の動機──技法中心の支援から「関係性としての環境」へ
2 ことばの深層──観察されにくい発達過程の理解
3 アセスメントと支援の技法
4 結びに代えて──生涯にわたる「ことば」の旅
おわりに