その厳格な教義の解釈と実践、そして時に攻撃的ともされる他者への態度で知られるワッハーブ派。その影響を受けたとされる現代のイスラーム主義者、さらにアルカイダやイスラーム国(IS)などの過激なテロリストがイブン・アブドゥルワッハーブや彼の後継者の言葉を引用し、行動の指針とすることもある。こうしたイメージが、イブン・アブドゥルワッハーブや彼の思想の実像を大きく歪めてしまったことはまちがいない。忘れてならないのは、今日、ワッハーブ派とされるイデオロギーとイブン・アブドゥルワッハーブの思想が同一のものではないことだ。現在の状況にも触れつつ、ワッハーブ派の祖である法学者、イブン・アブドゥルワッハーブの生涯をたどり、その思想を明らかにする。
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〈目次〉
ワッハーブ派という名前
①アラビア半島とは
②イブン・アブドゥルワッハーブの生い立ち
③イスラームの改革運動
④イブン・アブドゥルワッハーブの著作と思想
⑤その後のスウード国家