• 発売日:2025/03/06
  • 出版社:明石書店
  • ISBN:9784750358932
通常価格 2,970 円(税込)
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商品説明
何のためにことばを教えているのか、ことばの教育にはどんな力があるのか、そして、その力を最大限に発揮するにはどのようなことばの教育を構想したらよいのだろうか。公教育の本質を〈自由の相互承認〉(一人ひとりが〈自由〉になるためには、その一人ひとりが他者の〈自由〉もまた承認すること」)の原理におき、それをことばの教育・研究や言語政策がどう扱ってきたのかを検証した上でこの原理をどう実質化していけるのかを論じる。
目次
 はじめに[佐藤慎司・稲垣みどり]

第1章 教育にとって「言葉」とは何か?[苫野一徳]
 はじめに
 1 教育とは何か?
 2 「言葉」とは何か
 3 教育にとって言葉とは何か

第2章 未来を創ることばの教育と〈自由の相互承認〉――ことばの教育において〈自由の相互承認〉という土台を作るために[佐藤慎司]
 1 はじめに
 2 コミュニケーションとは?
 3 言葉・ことば・言語とは?
 4 クリティカルアプローチとことばの教育
 5 むすび――未来を創ることばの教育と〈自由の相互承認〉

第3章 他者との言葉における「確かなもの」について――対話思想およびW・ベンヤミンの初期言語論を手がかりとして[川本健二]
 1 はじめに
 2 対話での他者との言葉
 3 他者との言葉と自らの存在性――ベンヤミンの神学的言語論
 4 おわりに

第4章 言語を主体に戻す教育の場――「理解する主体」を育てる日本語授業の実践[守時なぎさ]
 1 はじめに
 2 「言語」について考えたいこと
 3 「住みやすい国コーパス」を用いた理解活動
 4 表現する主体と理解する主体による活動
 5 「ことばの教育の力」――日本語教育の現場から

第5章 言語を使ったコミュニケーションにおける不公平さ[山崎直樹]
 1 はじめに
 2 異言語間コミュニケーションにおける方略
 3 たとえ「同じ言語」であっても
 4 言語能力の評価における不公平
 5 言語に関わるさまざまな不公平
 6 不公平さを解消するために
 7 おわりに

第6章 オランダでの日本語教師人生を振り返って――現象学的教育学者「ヴァン・マーネン」のペダゴジー等から学ぶ[井上富美子]
 1 はじめに
 2 日本語教師になったきっかけと四〇年の教師歴
 3 教師としての自身の変容
 4 ロッテルダム応用大学
 5 気づき、その一「優秀な教師ならではの落とし穴」
 6 気づき、その二「教師の期待と成果の関係」――ピグマリオン効果・ゴーレム効果・自己効力感・ステレオタイプ脅威
 7 気づき、その三「エンパワメント」
 8 教育の機会均等
 9 最後に

第7章 現象学的言語本質論に根ざした言葉の教育の実践――リベラルアーツ教育における「本質観取」の対話実践の報告[稲垣みどり]
 1 はじめに
 2 実践の背景
 3 哲学対話としての言語教育における本質観取の実践
 4 おわりに

第8章 教室を自由の相互承認を育てる場にするために必要なこと――重要なのは学習者を信頼すること[若井誠二]
 1 教室で自由の相互承認を育てる難しさ
 2 教室で自由の相互保障を妨げるもの
 3 教室を自由の相互承認を育てる場にする方法
 4 高校の日本語クラスでの取り組み
 5 重要なのは学習者を信頼すること

第9章 教育哲学と教育原理に基づく英語教育――詩的機能が織りなすことばの世界[綾部保志]
 1 「英語教育」という社会体制
 2 なぜ、教育哲学と教育原理なのか
 3 「再帰性」とは何か
 4 英語教育施策の迷走
 5 複眼的なまなざし
 6 学校知と学び方の習得
 7 紡ぎ出される詩的テクスト
 8 実践の限界性と可能性

第10章 社会の隣人とつながり、共に生きる力を育む――高校生を対象とした隣語教育の実践[澤邉裕子]
 1 「隣国のことば」と「隣語」
 2 日本の高等学校における韓国・朝鮮語の教育の歴史
 3 実践例――日韓の高校生間における交流学習
 4 「隣国のことば」が「隣語」になるとき
 5 社会の隣人とつながり、共に生きる力を育むことばの教育へ

第11章 自分のことばを持つための教師教育――「ことばの教育」に携わる教師自身のことばを育む[奥村三菜子]
 1 ことばという厄介者と向き合う言語教師
 2 自分のことばを見つめ直すための教師の学び
 3 ことばの学びの場における教師の役割
 4 ことばの教師を育むために大切なこと
 5 ことばという厄介者を愛おしむ――「ことばの教育の力」とは?

 おわりに[苫野一徳]
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