子どもの貧困の民族誌

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子どもの貧困の民族誌
  • 発売日:2026/06/04
  • 出版社:明石書店
  • ISBN:9784750361345

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子どもの貧困の民族誌

子どもの貧困の民族誌

通常価格 6,380 円(税込)
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商品説明
「見えにくい」とされてきた日本の子どもの貧困状況がいかにして構築されているのかを、約3年半のフィールドワークをもとに当事者である子どもたちの視点から記述することで明らかにし、人類学的に論じるための方法論的、民族誌的課題を検討していく。
目次
 はじめに

序章
 第1節 問題の所在
 第2節 民族誌的背景
 (1)1990年代以降の日本の子どもの貧困
 (2)日本の子どもの貧困に関する民族誌的研究
 (3)三重の不可視化にさらされた地方都市の子どもの貧困
 第3節 理論的背景
 (1)貧困の人類学的研究の系譜
 (2)民族誌批判
 第4節 用語の定義
 (1)貧困
 (2)子ども
 (3)子どもの貧困
 第5節 研究方法
 第6節 倫理的配慮
 第7節 本書の構成

第Ⅰ部 貧困の人類学の諸課題

 第1章 「貧困の文化」論批判への文化人類学的応答
 第1節 問題の所在
 第2節 ルイスの「貧困の文化」研究の手法
 (1)農村研究から都市研究へ
 (2)「貧困の文化」論三部作における方法論的展開
 (3)「貧困の文化」論三部作における理論的展開
 第3節 社会学における「貧困の文化」論批判の検討
 (1)ピーター・タウンゼントによる批判への文化人類学的応答
 (2)アンダークラス論への文化人類学的応答
 (3)ハーバート・ガンズによる批判への文化人類学的応答
 第4節 “way of life”から再解釈する「貧困の文化」論
 (1)「文化」概念批判と「貧困の文化」論
 (2)ルイスの「貧困の文化」論における“way of life”
 第5節 小括──貧困の人類学の新たな理論的展開に向けて

第2章 他者研究としての日本の子どもの貧困とポジショナリティ
 第1節 問題の所在
 第2節 民族誌批判の争点
 第3節 「ネイティヴ」概念と日本研究から捨象される社会経済的差異
 第4節 オートエスノグラフィーの課題
 (1)当事者研究とオートエスノグラフィーの異同
 (2)オートエスノグラフィーの「死角」
 第5節 貧困の「他者化」に内在する問題
 第6節 筆者のポジショナリティ
 第7節 小括

第3章 近現代日本における子どもの貧困の不可視性の歴史的構築過程
 第1節 問題の所在
 第2節 可視的な戦前期の子どもの貧困
 (1)戦前期の社会福祉制度における子どもの貧困
 (2)戦前・戦中期の不就学状況から見る子どもの貧困
 (3)工業化および総力戦体制下において可視化された貧困
 第3節 かりこみ──戦後日本における絶対的貧困の排除
 第4節 高度経済成長期における子どもの貧困の不可視化
 (1)戦後社会福祉制度・児童福祉制度の確立
 (2)貧困意識の低下と「一億総中流」言説下における貧困の不可視化
 第5節 失われた30年における「見えない」貧困言説の形成
 (1)「見えない」貧困の問題提起
 (2)学校における子どもの貧困の「見えにくさ」
 (3)家族と子どもの貧困の不可視化
 (4)「見えない」貧困言説の検討
 (5)失われた30年における貧困の可視化と「他者化」
 第6節 小括

第Ⅱ部 貧困に直面した子どもたちの生活世界

第4章 地方都市の貧困と子どもたちの生活世界
 第1節 問題の所在
 第2節 仙台市の地理的背景
 第3節 仙台市の合併史から見る地域間格差
 第4節 調査実施時の子どもの貧困に関する状況
 (1)宮城県および仙台市の子どもの貧困率
 (2)宮城県および仙台市の生活保護、児童扶養手当、就学援助受給率
 第5節 支援の現場における子どもと貧困
 (1)S教室の間取りと子どもたちの空間認識
 (2)S教室の活動内容
 第6節 仙台市における子どもたちの生活世界
 (1)ユウタの生活世界──S教室に来る子どもの代表的な一日
 (2)ツバサの生活世界──不登校または別室登校の子どもの一日
 (3)アオイの生活世界──ヤングケアラーの子どもの一日
 (4)リンの生活世界──引きこもりの子どもの一日
 (5)SNSを介した子どもたちのインターネットコミュニティ
 第7節 小活

第5章 現代日本における子どもの貧困の不可視性の状況的な構築過程
 第1節 問題の所在
 第2節 非当事者の視点の権威性と不可視性イメージの曖昧さ
 (1)外見的特徴という貧困の判断基準
 (2)路上では可視化されにくい日本の子どもの貧困
 (3)特徴的な「貧困の文化」イメージの限界
 (4)「見えない」貧困言説における視点の議論の欠如
 第3節 ユウタ──一見すると貧困には見えない子ども
 (1)ユウタの背景事情
 (2)兄の状況悪化とユウタへの負担の増加
 (3)さらなる兄の状況悪化とユウタの体調不良
 (4)支援者に対して不満を漏らさない、むしろ兄を庇う
 (5)進路選択において可視化される経済的困窮
 第4節 ツバサ──空間的な断絶による不可視性の構築
 (1)ツバサの背景事情
 (2)不登校と一時保護による空間的な不可視化
 (3)不可視性の状況的な構築過程
 (4)空間的な断絶による不可視化
 第5節 福祉からすり抜けていく子どもたち
 (1)ユイ──つながりが途切れた子ども
 (2)ハルカ──つながることすら困難だった子ども
 第6節 表面化した貧困が不可視化させられていく状況的なプロセス
 (1)絶対的貧困の不可視化
 (2)学校における状況的な不可視化の構築過程
 (3)セーフティネットからすり抜けていく子どもたちの不可視化
 第7節 不可視性に関する研究への理論的な展開
 第8節 小括

第6章 子どもという社会的属性に付随する構造的制約
 第1節 問題の所在
 第2節 日本の民族誌的研究における子どもという社会的属性の看過
 第3節 地理的制約と社会資本の制約
 (1)ミズキ──支援の利用を阻む制約と葛藤
 (2)ヒナタ──構造的制約による一時避難場所の喪失
 (3)構造的制約によって深刻化する子どもたちの状況
 第4節 家庭内労働力としての家族役割による制約
 (1)アオイ──家事労働負担による疲労と欠食
 (2)ユウタ──自力での食事調達の限界
 (3)賃金労働に従事していない家族成員としての子ども
 第5節 現金獲得手段の制約による現代的な飢餓
 第6節 子どもたちを取り巻く構造的制約と格差
 (1)選択肢の著しい狭小化
 (2)生存のための家庭内労働
 (3)食べるものを手に入れる手段がないという現代的な飢餓
 第7節 小括

第7章 子どもたちの一時的で限定的な“way of life”と社会的孤立
 第1節 問題の所在
 第2節 社会的包摂を求める交渉としての“way of life”
 第3節 信頼できる大人の前でだけ羽目を外す
 (1)ヒナタの社会的孤立
 (2)信頼関係のある大人に対する交渉プロセス
 (3)ヒナタによる交渉の意味
 第4節 普段とは異なる冷たい態度を見せる
 (1)ユウタの社会的孤立
 (2)大人への交渉の失敗
 (3)ユウタによる交渉の意味
 第5節 問題を悟らせる
 (1)ツバサの社会的孤立
 (2)S教室に来る時間が遅れる
 (3)大人たちの前で問題を悟らせる
 (4)ツバサによる交渉の意味
 第6節 社会的包摂を求める子どもたちの“way of life”
 (1)子どもたちによる交渉の意味
 (2)社会的包摂のプロセス
 (3)「貧困の文化」論の適用限界
 第7節 社会的孤立と「貧困の文化」
 第8節 小括

終章 結論──「見えない」貧困の構築性
 第1節 問題の所在
 第2節 本論の要約──子どもの貧困の「見えにくさ」の構築過程
 第3節 本書の理論的意義──貧困の人類学のメソドロジー
 (1)「貧困の文化」論再考
 (2)他者研究としての子どもの貧困
 (3)社会経済状況による文化的差異
 第4節 民族誌的意義──子どもの貧困から捉える日本社会
 (1)「不可視化」させられていた貧困状況の解明
 (2)現代的飢餓の構築過程の解明
 (3)社会的孤立と貧困の関係性
 第5節 本論の課題
 (1)家族研究としての貧困の人類学的研究
 (2)貧困の世代的再生産のメカニズムの解明
 (3)オスカー・ルイス研究に残された諸課題
 第6節 考察──貧困の構築性
 (1)貧困の中で構築されたもの
 (2)八方塞がりとしての貧困
 第7節 子どもの貧困削減への人類学的な展望
 (1)経済的支援の重要性
 (2)社会的孤立を生み出す構造への対処
 第8節 結論

 おわりに
 引用文献
 索引
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