巻頭グラビア(18頁分)
はじめに:旅で学ぶ建築、体験を刻むノート
第1章 フィールドノートのはじめかた
1|なにを採集するのか?
・気になったらなんでも描く
・体中のアンテナで瞬間の世界を取り込む
・どんな天気でだれと言葉を交わしたか
2|道具と基本の描き方
・お気に入りの道具を揃える
・道具の選択
・手順のダイジェスト
・予測不可能な旅をまるごと記録する
3|その場で書く、その日のうちに描く
・インタラクティブな対話
・イラストは現場で描きあげる
・書き文字はメモ帳経由で!
4|なにを描くか、どう描くか?
・描くもの、描かないものを取捨選択する
・まず絵を描き、文字は隙間に流す
5|描く以外にも、採集する
・10年後も残る臨場感
・小さく薄いホンモノを集める
・人の声を集めてまちを見る
━travelog①
旅の出会いを筆跡で残す:ボスニア・ヘルツェゴビナ、中国、カザフスタン、台湾
━travelog②
言語が変わればレイアウトも変わる:台湾
第2章 旅の描き方 ・歩き方
1|出発:行きのフライト
・デイバックとウエストポーチ
・チケットとバゲージ用シール
・機内でノートを広げたら
・見返しにつくる指さし会話集
2|到着:まず大きく歩く
・目的地もルートも決めずに
・バザールでは立ち止まる
・自分の変化を相対化する
・右に曲がるか、左に曲がるか
3|クローズアップ調査?観察する
・ためらわず座り込む
・描くから気づくこと
・興味がなくても記録する
・観劇で異国の日常をあぶりだす
━travelog③
異国の非日常から日常を知る:シリア、台湾
4|休憩と食
・食事は旅の最大の快楽
・熱いうちに食べよ!
━travelog④
食は文化と社会を表す:キルギス
5|移動:車窓と車内を記憶する
・描きたい景色を選び取る
・寝台車を測る
・長距離列車で友だちをつくる
・バスが止まるとペンをとる
・1日を見開き紙面に収める
・振り返ると面白い、おこづかい帳
6|宿での時間整理する作業
・ホテルの部屋を実測する
・メモから地図 ・文字を起こす作業
・忙しい旅の夜はドライヤー
・会議や講演会を記録する
・図面はきれいに仕上げたい
・間取図のプロセス:方眼なし編
7|帰国:機内の編集作業
・駆け込み仕上げ&貼りモノ作業
・旅の終わりのカタルシス。目次づくり
・次の旅への伝言
8|乗継:疾駆するスケッチマラソン
・最小限の線で描く
・ゴールするまで止まらない
・2時間で走り抜ける
第3章 建築を刻む図法と実測術
1|図法の選択
・平面図か、立面図か:手元の情報次第
・立面図か、透視図か:立ち姿を描く
・イラストは1点20分が目安
2|15分で建物を「落とし込む」
・間取りや立面を速描きする
・ラフな寸法は歩幅と手のひらで
・象徴的な間取りが把握できればOK
3|30分で「描く」
・例えば韓屋:同寸の柱間の繰り返し
・例えば教会平面:三廊式、五廊式、集中式
・立面を丁寧に描く
・トレーシングペーパーのグリッドを利用する
4|90分で実測する
・先にスケッチし、次に採寸する
・道具は8つ。でも臨機応変に
・独りならICレコーダーを
・壁は太い単線 ・細い単線で描く
・室名と説明符号、赤字のタイミング
・ヒアリングも大切
5|隅から隅まで徹底調査
・丸1日あれば小屋裏に入りたい
・一期一会の記録
・ディテールを蒐集する
6|描くことで見えてくる
・類型化の難しさと楽しさ
・民家を知るための宗教的装置
━travelog⑤
7泊10日の建築調査行:アゼルバイジャン
第4章 ぐっと情報量が増す!編集テクニック
1|主観地図をつくる
・まずはエリアを決める
・地図の凡例は厳選して
━travelog⑥
忘れてはならない歴史を刻む:ボスニア・ヘルツェゴビナ
2|マニア的・貼りモノのトリセツ
・スティック糊は必携
・厚いままで貼らない
・観光パンフから地名をいただく
・スタンプは思うように捺せない
・「手抜き」としての地図活用
3|線画・着彩のコツ
・一発勝負のペン画の強さ
・道具には相性がある
・にじむ染料系、にじまない顔料系
・着彩はほどほどに……?
・現場主義とその限界
・べた塗り・陰影・背景
・色鉛筆は?パステルは?
4|レイアウトの楽しみ
・基本は「対角線」:要素の重さはバランスよく
5|旅程を辿る
・自分なりの凡例をつくる
・国をまたぐ旅程表の書き方
6|タイトルと表紙のデザイン
・名入れは旅の総括と沈思
・裏表紙に貼るビールラベル
・エピグラフを書く
━travelog⑦
体験を文字にする:イギリス、トルクメニスタン
7|似顔絵は眉毛から
・人の顔を描く、表情をつかむ
・コミュニケーションの道具として
8|吹き出しの使い方
・声や表情がよみがえる「ひと言」
・ぱっと見でインパクト大
・文字を先に書き、あとから囲む
━travelog⑧
トラブルと失敗こそ記録したい:中国
番外編:旅のあと
・旅を反芻する絵地図づくり
・ルートを復習しながらA3の紙に描く
・更新できるデジタルマップ
・フォトブックでシェアする
・現地で出会った人に、お礼とともに郵送
おわりに:フィールドワーカーとして生きる