[Ⅱ]歩行

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    商品説明
    「歩行の異常は知覚と運動の鎖(リンク)が切れたところに出現する」
    そのリンクをどのようにしてつないでいくか。それは片麻痺歩行の回復可能性への挑戦である。

    片麻痺患者にみられる「典型的な片麻痺歩行」は、リハビリテーションの臨床において回復させることが依然として困難であり、これまでのリハビリテーション(運動療法)には限界があることを物語っています。

    この現状を打開するために必要なのは、歩行を知覚運動連鎖と捉え直し、歩行の“巧緻性”を理解することです。歩行においても運動と知覚はどちらが原因でどちらが結果なのか判然としません。つまり歩行は、「運動シークエンスの連続であると同時に知覚探索の連続」なのです。

    異常歩行はその連続性が絶たれたことで現れます。本書は、知覚情報の構築によって再びその連続性を取り戻すための具体的な方略を提示しています。
    きわめて仔細に足の機能を分析し、臥位や座位での歩行“前”治療、単関節また複合関節による“関節運動”と“方向・距離・形・表面性状などの知覚”を組み合わせた足の細分化のための多彩な課題設定、またそれらを「推進・到達・接近・緩衝・支持」という歩行の機能的側面から捉えた治療課題を紹介しています。

    また、19世紀後半から20世紀前半に“発見”された病的歩行についての歴史的振り返りから、種々の異常歩行について、これまでの片麻痺歩行の運動療法についても考察し、その理解の上で、歩行をシステムとして捉えたリハビリテーションへの具体的な道筋を示しています。
    歩行のリハビリテーションを考える上で、なくてはならない一冊です。
    目次
    はじめに 「歩く人」

    第Ⅰ部 片麻痺歩行を理解する
    イタリア未来派の教訓

    第1章 片麻痺歩行への“まなざし”
    1.1 “まなざし”の誕生
    1.2 神経疾患における病的歩行
    1.3 片麻痺歩行
    1.4 片麻痺歩行は痙性歩行である
    1.5 典型的な片麻痺歩行

    第2章 ブルンストロームの“まなざし”に学ぶ
    2.1 歩行の運動学
    2.2 片麻痺の歩行分析
    2.3 ブルンストロームの「歩行分析チャート」
    2.4 立脚相の足関節の問題点
    2.5 立脚相の膝関節の問題点
    2.6 立脚相の股関節の問題点
    2.7 遊脚相の足関節の問題点
    2.8 遊脚相の膝関節の問題点
    2.9 遊脚相の股関節の問題点
    2.10  ブルンストロームの“まなざし”に学ぶ

    第3章 片麻痺歩行の観察
    3.1 歩行の外部観察
    3.2 正常歩行からの運動学的な偏位
    3.3 立脚相における運動学的な偏位
    3.4 遊脚相における運動学的な偏位
    3.5 片麻痺歩行のバリエーション
    3.6 片麻痺歩行と歩行能力の低下

    第4章 体幹前傾歩行
    4.1 体幹前傾歩行(体幹前屈歩行、股屈曲歩行)
    4.2 立位の体幹前傾姿勢
    4.3 立脚相の股関節伸展の減少
    4.4 前方への推進力が失われる
    4.5 体幹前傾歩行の原因

    第5章 反張膝歩行
    5.1 二重膝作用の欠如
    5.2 膝の過伸展
    5.3 反張膝歩行の原因
    5.4 短下肢装具は反張膝を防止する
    5.5 膝折れ歩行
    5.6 膝屈曲歩行

    第6章 内反尖足歩行
    6.1 内反尖足歩行の特徴
    6.2 距骨下関節の内外反と筋活動
    6.3 軽度、中等度、重度な内反尖足歩行
    6.4 軽度な内反尖足歩行
    6.5 中等度な内反尖足歩行
    6.6 重度な内反尖足歩行
    6.7 内反尖足歩行の原因
    6.8 長・短腓骨筋の運動麻痺をめぐる考察
    6.9 内反尖足の回復(改善)の必要性

    第7章 トレンデレンブルグ歩行
    7.1 トレンデレンブルグ現象とデュシェンヌ徴候
    7.2 一本杖による支持基底面の拡大
    7.3 骨盤の側方移動、側方傾斜、前方回旋
    7.4 トレンデレンブルグ歩行の原因
    7.5 骨盤の側方移動とトレンデレンブルグ歩行
    7.6 長・短腓骨筋の運動麻痺とトレンデレンブルグ歩行
    7.7 股外転歩行、股外旋歩行

    第8章 分廻し歩行
    8.1 分廻し歩行は遊脚相の異常歩行である
    8.2 分廻し歩行の特徴
    8.3 分廻し歩行の原因
    8.4 前遊脚期の問題点
    8.5 遊脚初期の問題点
    8.6 遊脚中期の問題点
    8.7 遊脚終期の問題点
    8.8 分廻し歩行の回復への鍵と前提条件

    第9章 一本杖歩行練習プログラム
    〜片麻痺歩行の運動療法[Ⅰ]
    9.1 片麻痺歩行のリハビリテーション
    9.2 ペチンスキーの間歇的二重歩調歩行
    9.3 ハルシュバーグと服部の一本杖歩行パターン
    9.4 一本杖歩行練習プログラム
    9.5 クラシカルな片麻痺歩行の運動療法

    第10章 ファシリテーション・テクニック
    〜片麻痺歩行の運動療法[Ⅱ]
    10.1 ファシリテーション・テクニックの誕生
    10.2 ファシリテーション・テクニックの特徴
    10.3 ブルンストローム法の治療テクニック
    10.4 ボバース法の治療テクニック
    10.5 デービスとカールらの治療テクニック

    第11章 歩行のための姿勢バランス練習
    〜片麻痺歩行の運動療法[Ⅲ]
    11.1 座位、起立、立位の“姿勢バランス練習”
    11.2 座位バランス練習
    11.3 起立バランス練習
    11.4 立位バランス練習
    11.5 立脚相に対応した立位バランス練習
    11.6 歩くためには、歩き始めなければならない

    第Ⅱ部 片麻痺歩行を治療する
    見えないものを見る

    第12章 歩行システムの階層性
    12.1 歩行の創発と創発過程
    12.2 歩行システムの階層性
    12.3 歩行
    12.4 機能とサブ機能
    12.4.1 緩衝機能
    12.4.2 支持機能
    12.4.3 推進機能
    12.4.4 到達機能
    12.4.5 接近機能
    12.4.6 片麻痺歩行における機能(サブ機能)の観察
    12.5 情報
    12.6 歩行システムのリハビリテーションへ

    第13章 歩行の情報メカニズム
    13.1 歩行は知覚運動連鎖である
    13.2 歩行には情報の構築が必要である
    13.3 歩行は知覚探索の連続である
    13.4 歩行の予測メカニズム
    13.5 片麻痺歩行と体性感覚麻痺
    13.6 歩行のアクティブ・タッチの障害
    13.7 歩行のアフォーダンスの変容
    13.8 歩行のキネステーゼの変容

    第14章 足の情報メカニズム
    14.1 歩行機能の回復を目指す
    14.2 内反尖足の回復を目指す
    14.3 立位姿勢制御
    14.4 第一歩
    14.5 歩行開始の運動メカニズム
    14.6 一歩行周期と足の情報メカニズム

    第15章 歩行の認知神経リハビリテーション
    15.1 ペルフェッティの認知神経リハビリテーション
    15.2 治療の組織化
    15.3 治療の実際

    第16章 背臥位での歩行前治療
    16.1 背臥位での下肢の第1段階の治療
    16.2 背臥位での認知問題
    準  備 下肢の長さへの問いかけ
    テーマ① 骨盤の回旋運動による距離の知覚
    テーマ② 股関節の内外転運動による距離の知覚
    テーマ③ 股関節の内外転運動による方向の知覚
    テーマ④ 股関節の複合運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑤ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ⑥ 膝関節の屈伸運動による方向の知覚
    テーマ⑦ 股関節と膝関節の複合運動による距離の知覚
    テーマ⑧ 股関節と膝関節の複合運動による足(踵)の空間定位の知覚
    テーマ⑨ 股関節と膝関節の複合運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑩ 股関節と膝関節の複合運動による形の知覚
    テーマ⑪ 足関節と距骨下関節の運動の知覚
    テーマ⑫ 中足指節関節(MP関節)、母指の指節間関節(IP 関節)の運動の知覚
    テーマ⑬ 膝窩部と足(踵)での硬さの知覚
    テーマ⑭ 足底での表面性状の知覚
    テーマ⑮ 足底での接触面の位置の知覚

    第17章 座位での歩行前治療[Ⅰ]
    17.1 座位での下肢への治療
    17.2 直立座位と体幹の正中線の知覚
    17.3 座位での下肢の第1段階の治療
    テーマ① 股関節の内外転運動による距離の知覚
    テーマ② 膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ③ 股関節と膝関節の複合運動による方向と距離の知覚(a)
    テーマ④ 股関節と膝関節の複合運動による方向と距離の知覚(b)
    テーマ⑤ 骨盤水平位での膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ⑥ 下腿の回旋運動による方向の知覚
    テーマ⑦ 足関節の背底屈運動による距離の知覚(a)
    テーマ⑧ 足関節の背底屈運動による距離の知覚(b)
    テーマ⑨ 足関節の背底屈運動による方向の知覚
    テーマ⑩ 膝関節と足関節の複合運動による方向の知覚
    テーマ⑪ 足関節の背底屈運動による距離と形の知覚
    テーマ⑫ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚(a)
    テーマ⑬ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚(b)
    テーマ⑭ 足部の関節の複合運動による形の知覚
    テーマ⑮ 足関節の背屈運動による足底での硬さの知覚
    テーマ⑯ 膝関節と足関節の複合運動による足底での表面性状の知覚
    テーマ⑰ 足底の接触感での方向の知覚
    テーマ⑱ リスフラン関節と中足骨アーチの並列運動による形の知覚
    テーマ⑲ 中足指節関節(MP関節)の屈伸運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑳ 足底の接触面の位置の知覚

    第18章 座位での歩行前治療[Ⅱ]
    18.1 座位での下肢の第2段階と第3段階の治療
    テーマ① 足関節の背底屈運動による方向と距離の知覚
    テーマ② 距骨下関節の内外反運動による方向と距離の知覚
    テーマ③ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚
    テーマ④ 足関節の背底屈運動による硬さの知覚
    テーマ⑤ 足関節の背底屈運動による重さの知覚
    テーマ⑥ 距骨下関節の内外反運動による硬さの知覚
    テーマ⑦ 距骨下関節の内外反運動による重さの知覚
    テーマ⑧ リスフラン関節と中足骨アーチの並列運動による重さの知覚
    テーマ⑨ 中足骨アーチの並列運動による距離と形の知覚
    テーマ⑩ 足関節と距骨下関節の複合運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑪ 足関節と距骨下関節の複合運動による重さの知覚
    テーマ⑫ 股関節と足関節と距骨下関節の複合運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑬ 膝関節と足関節と距骨下関節の複合運動による方向と距離の知覚
    テーマ⑭ 左右の足底での重さの知覚

    第19章 立位での歩行前治療
    19.1 立位の機能システム
    19.2 座位での体幹の対称性と垂直性を学習しておく
    19.3 踵の触覚と圧覚が重要である
    19.4 立位姿勢制御の回復
    19.5 立位での下肢の第2段階と第3段階の治療
    テーマ① 両下肢への荷重分配による重さの知覚
    テーマ② 骨盤の側方移動による硬さの知覚
    テーマ③ 足関節の背底屈運動による体幹上部での硬さの知覚
    テーマ④ 股関節の屈伸運動と内外転運動による距離の知覚
    テーマ⑤ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ⑥ 膝関節の屈伸運動による硬さの知覚
    テーマ⑦ 股関節と膝関節の複合運動による距離の知覚
    テーマ⑧ 足関節の背底屈運動による距離の知覚
    テーマ⑨ 足部の細分化による地面の水平性の知覚
    テーマ⑩ 足部の細分化による床反力の垂直性の知覚

    第20章 歩行の推進機能を治療する
    20.1 一歩行周期の各機能に対応した治療プログラム
    20.2 推進機能の回復を目指す治療(立脚終期、前遊脚期)
    テーマ① 母指のMP関節の屈伸運動による方向と距離の知覚
    テーマ② 母指のMP関節とIP関節の屈伸運動による硬さの知覚
    テーマ③ 足関節の背底屈運動による硬さの知覚
    テーマ④ 股関節の内外旋運動による方向の知覚
    テーマ⑤ 股関節の内外旋運動による硬さの知覚
    テーマ⑥ 膝関節とMP関節の屈伸運動による距離の知覚(a)
    テーマ⑦ 膝関節とMP関節の屈伸運動による距離の知覚(b)
    テーマ⑧ 膝関節とMP関節の屈伸運動による硬さの知覚
    テーマ⑨ 膝関節とMP関節の屈伸運動による床反力の方向の知覚
    テーマ⑩ 膝関節とMP関節の屈伸運動による重さの知覚
    テーマ⑪ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚
    テーマ⑫ 距骨下関節の内外反運動による硬さの知覚
    テーマ⑬ 中足骨アーチの並列運動による方向の知覚
    テーマ⑭ 中足骨アーチと足指の複合運動による地面の水平性の知覚
    テーマ⑮ 足部の複合運動による足圧中心の移動の知覚

    第21章 歩行の到達機能を治療する
    21.1 到達機能の回復を目指す治療(遊脚初期、遊脚中期)
    テーマ① 股関節の内外旋運動による方向の知覚
    テーマ② 股関節と膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ③ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚(a)
    テーマ④ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚(b)
    テーマ⑤ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚(c)

    第22章 歩行の接近機能を治療する
    22.1 接近機能の回復を目指す治療(遊脚終期)
    テーマ① 膝関節の屈伸運動による方向の知覚
    テーマ② 足関節の背底屈運動による硬さの知覚
    テーマ③ 下肢の複合運動による硬さの知覚

    第23章 歩行の緩衝機能を治療する
    23.1 緩衝機能の回復を目指す治療
    テーマ① 足関節の背底屈運動による硬さの知覚(a)
    テーマ② 足関節の背底屈運動による硬さの知覚(b)
    テーマ③ 足関節の背底屈運動による距離の知覚
    テーマ④ 中足骨アーチの並列運動による形の知覚
    テーマ⑤ 膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ⑥ 足底での重さの知覚(a)
    テーマ⑦ 足底での重さの知覚(b)
    テーマ⑧ 足関節の背底屈運動による方向の知覚
    テーマ⑨ 足関節の背底屈運動による硬さの知覚
    テーマ⑩ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚
    テーマ⑪ 足関節と距骨下関節の複合運動による摩擦の知覚
    テーマ⑫ 中足骨アーチの並列運動による地面の水平性の知覚

    第24章 歩行の支持機能を治療する
    24.1 支持機能の回復を目指す治療(立脚中期)
    テーマ① 膝関節の屈伸運動による距離の知覚
    テーマ② 膝関節の屈伸運動による方向の知覚
    テーマ③ 膝関節の屈伸運動による重さの知覚
    テーマ④ 骨盤の前方移動による硬さの知覚
    テーマ⑤ 膝関節の屈曲運動による硬さの知覚
    テーマ⑥ 骨盤の側方移動による硬さの知覚
    テーマ⑦ 骨盤の側方移動による距離の知覚
    テーマ⑧ 足関節の背底屈運動による方向の知覚
    テーマ⑨ 距骨下関節の内外反運動による方向の知覚
    テーマ⑩ 足関節と距骨下関節の複合運動による方向の知覚(a)
    テーマ⑪ 足関節と距骨下関節の複合運動による方向の知覚(b)
    テーマ⑫ 中足骨アーチの並列運動による地面の水平性の知覚
    テーマ⑬ 股関節の伸展運動による倒立振り子運動の距離の知覚
    24.2 健側下肢に認知問題を適用する
    24.3 患側下肢と健側下肢に認知問題を適用する
    24.4 両足行為
    24.5 行為間比較
    24.6 歩行練習

    第25章 足は海面に浮かんで揺れる船のようなものだ
    25.1 足のリハビリテーションは簡単ではない
    25.2 足の運動の細分化を目指す
    25.3 後足部、中足部、前足部の情報メカニズム
    25.4 足底の触圧覚情報
    25.5 足の固有感覚情報
    25.6 足と不安定板の相互作用
    25.7 足は自らを細分化しながら歩行する
    25.8 錐体路損傷による内反尖足からの運動学習
    25.9 足は海面に浮かんで揺れる船のようなものだ

    おわりに 片麻痺歩行の回復可能性に挑戦する旅
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