胃内視鏡検査時の麻酔には、これまで主にセルシン、ドルミカム、プロポフォールが使用されてきました。半減期はそれぞれ約28時間、2時間、5分と、この10年で大きく短縮しています。また、かつては半覚醒法で行われていましたが、5~10%の患者では麻酔が不十分で苦痛を伴うことも少なくありませんでした。
プロポフォールや新薬のアネレムは作用発現が速く適切な量を調整しやすいため、ほぼ100%の人が眠った状態で検査を受けられます。検査後の不快感も少なくすっきり覚醒するため「こんな楽な胃カメラは初めてです」と高い評価を得ています。また、速やかに覚醒することで、患者を医師の監察下に置きやすく、安全性も確保しやすくなります。
とはいえ、長年使用してきた麻酔法を変えるのは勇気が必要です。本書では胃内視鏡検査で使用する麻酔について、開業医や若手医師でも実施しやすいよう、できる限りマニュアル化しました。最も懸念される呼吸抑制を起こしにくくするための薬剤の注入方法やタイミング、患者の体位、検査方法、その他さまざまなノウハウをわかりやすく整理して解説します。無麻酔であれば注射をしない方法など、苦痛を極力少なくするテクニックについても紹介しました。