序── 一つの道筋
第1 章 解剖学的観察──眼差しから声へ
【ド・フシーの「発話の自己観察」──「主体」の導入】
【ド・フシー vs. リンネ】
【ド・フシー「解剖学的観察」】
【眼差しから声へ──精神分析の出自】
第2 章 ブローカと失語症
──「ざわめく」発話における主体
【名付けをめぐる論争】
【言語残余「タン」と罵り言葉──ブローカ,フロイト,ラカン,バンヴェニスト】
【「主体」の重視──アフェミー vs. アフラジー vs. アファジー】
【アフェミーから精神分析へ──「ざわめき」と「無意識」】
【トゥルソーへのブローカの手紙】
【言語の大脳局在──ブローカ vs. フロイト】
【「一対一対応の不可能性」と「主体」】
【フロイト──「二重の勘違い」からブローカの主張へたどりつく】
【ブローカ vs. トゥルソー】
【ブローカ vs. リトレ】
【再びアフェミー vs. アフラジー vs. アファジー】
【ブローカはなぜアフェミーに決めたのか?──「主体」の措定】
第3章 ユダヤ人,神経学者,そして精神分析家
──口ごもる言葉たち
【口ごもる言葉たち──イディッシュ語,下手くそドイツ語】
【アンリ・メージュとルシアン・イスラエル──イディッシュ語は追放されているのか?】
【アンリ・メージュ『サルペトリエールの彷徨える-ユダヤ人』】
【声・発話・言語活動は人間的なもののために存在する】
第4章 ざわめきたち──失語症と自閉症
【ざわめきたちとしての失語症】
【言語活動と大脳組織との間】
【対象-声 vs. 固有なもの】
【声のない人間──声の向こう】
【対象aとしての声,呼びかけとしての声】
【話すことの残余──主体の到来】
【声の向こう──残余としての音〔おと〕】
【カナーと自閉症】
【フロイト,対象-声との出会い──鏡・同一性 vs. 欠落・分裂】
【精神分析理論の原理──代理,欠如,声】
第5章 無言症のヴェラ
──知に閉じ込められた子供
【逃走──眼差しから離れることに耐えられない】
【ヴェラは記憶であり知である】
【無言症から「つらいの」へ】
【治療──「対象とならなかった声」から「対象としての自分の声」へ】
【「邪魔な音〔おと〕」・「いらいらさせる音〔おと〕」としてのヴェラ】
【音〔おと〕が声になれない──デビリテの身体】
【さらなる「つらいの」──知っていること・知ることのつらさ】
第6章 ラカンを読む,ラカンを聞く
【フロイト vs. ラカン──書かれたものと声】
【ラカンを読むこと】
【フェティッシュと「書字を生み出す」読み】
【読むこと=書字に声を先行して与えること】
【声のかけら,声の享楽】
第7章 自閉症者と声
【転移と「初めての言葉」──自閉症の少年アドリアン】
【音〔おと〕たち──深淵を乗り越える梃子】
【自閉症と声】
【排泄物たち】
【倒錯を呼び寄せる自閉症】
【音〔おと〕たちは聞かれなければならない】
【「プラトンの洞窟」と言語活動の誕生】
【アドリアンの身体(=音〔おと〕のかけらたち=ざわめきたち)と主体の出現】
【ソジー妄想と声】
【身体と享楽──境域の作用】
【自閉症者の身体とは,声とは】
概要と解説
Ⅰ.概要
1.著者について
2.本書の梗概
Ⅱ. 解説──声たち・音〔おと〕たちのざわめきと「人間的なもの」
1.失語症と声
2.自閉症と音〔おと〕たち
3.口ごもる言葉たち
4.文字と声
5.おわりに──ざわめきたちと「人間的なもの」