序 論 イングランド啓蒙とは何か 〈青木滋之・柏崎正憲・武井敬亮〉
1 イングランドに啓蒙はあったか
2 いかにイングランド啓蒙に迫りうるか
3 本書の構成――イングランド啓蒙への学際的アプローチ
第1部 実験性・経験性 Experimentality and Empiricalness
小 序 〈青木滋之〉
1 なぜ実験性・経験性なのか
2 実験性とは
3 予想される批判への応答
4 経験性とは
5 各章の主題
第1章 実験哲学から経験論へ――実験哲学が駆動したイングランド啓蒙 〈青木滋之〉
はじめに
1 ロンドン王立協会の設立と実験哲学の興隆
2 人 間知性の体系的な記述誌へ――「実験哲学の論理学」として読まれたロックの『人間知性論』
3 ロンドン王立協会からダブリン哲学協会へ
おわりに
第2章 「試みること」から知性の自立へ――啓蒙の原理としてのロック自己教育論 〈瀧田 寧〉
はじめに
1 Uneasiness の多義性
2 欲望としての落ち着かなさ
3 『人間知性論』における「快」への出発点としての「試みること」
4 『教育に関する考察』における「欲望」と「勤勉」
5 『知性の正しい導き方』における「試みること」の根底にあるもの
おわりに
第3章 自然哲学者が聖書を解釈する――ウィストンのニュートン主義自然神学 〈中野安章〉
はじめに
1 『 地球の新理論』――「二つの書物」論の自然神学
2 聖書釈義と自然哲学⑴ ――ニュートン主義の聖書解釈法
3 聖書釈義と自然哲学⑵――創造と大洪水の哲学的説明
4 自然法則の普遍性と「奇跡」の問題
おわりに
第2部 自立性・自律性 Independence and Autonomy
小 序 〈柏崎正憲〉
1 知 的自立性と道徳的自律性――カントからロックに遡る
2 イングランド啓蒙における理性と自己統治
3 「理性の主権」と政治的主権の緊張
4 ポスト名誉革命の政治的啓蒙
5 各章の主題
A 知的自立から道徳的自律へ
第4章 普遍的なものを知る人間とは何か――イングランド啓蒙における理性と知性 〈竹中真也〉
はじめに
1 ロックにおける抽象と普遍的認識について
2 カドワースの普遍的認識について
3 バークリの普遍的認識について
4 バークリの生得的「思念」について
5 ロック、カドワース、バークリと啓蒙主義
おわりに
第5章 善を知ることと意志すること――ロックにおける二つの自由 〈内坂 翼〉
はじめに
1 『人間知性論』初版におけるロックの自由論
2 『人間知性論』第二版におけるロックの自由論改訂
おわりに
B 自立的・自律的人間像と社会の改善・改革
第6章 労働観の変容と啓蒙的人間像――ユートピアからポスト宗教改革の社会思想へ 〈柏崎正憲〉
はじめに
1 16世紀の危機における伝統的労働観の残存
2 身分的義務から幸福の達成手段へ
3 ロックの労働観と人間像
4 ロックの社会思想における市民像の転換
おわりに
第7章 女性思想家にとっての「啓蒙」―― ウルストンクラフト、モア、バーボールドのロック受容を手がかりに 〈梅垣千尋〉
はじめに
1 女性たちにとってのジョン・ロック
2 ウルストンクラフト――家庭内の権力関係の打破
3 モ ア――権威にたいする自発的服従
4 バーボールド――日常生活に根ざした知の探求
おわりに
C 自立性・自律性の限界と政治的啓蒙
第8章 反近代への啓蒙――フィルマーの契約論批判再考 〈小城拓理〉
はじめに
1 フィルマーの契約論批判
2 フィルマーへのロックの応答
おわりに
第9章 啓蒙思想の影?――アメリカ植民地におけるロック政治哲学の展開 〈渡邊裕一〉
はじめに
1 イギリス植民地政策へのロック自身の関与
2 ロック政治哲学の植民地への視角
3 後世の論者がロック政治哲学をどのように利用したか
おわりに
第3部 受容性・寛容性 Latitude and Tolerance
小 序 〈武井敬亮〉
1 なぜ受容性・寛容性なのか
2 イングランド啓蒙における寛容性
3 受容性と寛容性の関係について
4 イングランド啓蒙における受容性・寛容性――アンソニー・コリンズを例に
5 各章の主題
第10章 神の恵みと協働する理性――フッカーの理性主義と啓示・聖書主義 〈田子山和歌子〉
はじめに
1 啓示と聖書をめぐるフッカーとピューリタンの立場
2 フッカーの理性主義
3 啓示・聖書主義と理性主義の調和――その課題
4 自然と恩恵――トマス・アクィナスの学知論との比較から
5 フッカーの理性主義とピューリタン的な啓示・聖書絶対主義
おわりに
第11章 宗教の合理化としての啓蒙――トーランドの聖書解釈における理性の役割 〈武井敬亮〉
はじめに
1 歴史的背景
2 『キリスト教信仰の秘義の主張と正当性』について
3 『秘義なきキリスト教』について
おわりに
第12章 寛容論の観点からイングランド啓蒙をみる――フランス啓蒙との比較 〈沼尾 恵〉
はじめに
1 なぜロックとヴォルテールか――比較のためのナラティヴ
2 ロックとヴォルテールの寛容論
3 比較検討からイングランド啓蒙の検討へ
おわりに
人名索引
事項索引