• 発売日:2025/11/07
  • 出版社:金剛出版
  • ISBN:9784772421461

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ウィルフレッド・ビオン

ウィルフレッド・ビオン

福本 修 (翻訳)
通常価格 5,060 円(税込)
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  • 発売日:2025/11/07
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商品説明
西洋文化が変革を迎えつつあった1960年代後半、異国の地カリフォルニアに降り立ったウィルフレッド・ビオンは、1967年4月、ロサンゼルス精神分析協会と研究所メンバーを前に、4つのセミナーとグループ・スーパーヴィジョンを開催する。クライン派の思惟をロサンゼルスにもたらした「黙示録の四騎士」――ハンナ・シーガル、ハーバート・ローゼンフェルド、ドナルド・メルツァー、ウィルフレッド・ビオン。ビオンが前衛として発表した思索には、今まさに生まれつつある後期思想の萌芽を私たちは見るだろう。

「第一回セミナー」(1967年4月12日)ではOと言語の問題、記憶と欲望、分析者の妄想分裂ポジションと抑うつポジションを語り、「第二回セミナー」(1967年4月14日)では、精神病に近い患者や精神病患者との仕事に関して、投影同一化、容器/内容、そして神秘論者と体制を概説する。続いて「第三回セミナー」(1967年4月17日)では、精神病患者の症例検討からジェラルド・アロンソンとの討議が展開され、最終回の「第四回セミナー」(1967年4月19日)では、境界精神病患者の症例検討を紹介しながら、ラルフ・グリーンソンとの解釈の性質を巡る議論を以って全日程を終結している。第一回セミナーの翌日(1967年4月13日)に開催された「精神分析的症例提示」の記録に加えて、ビオンの論文「記憶と欲望に関する覚書」が再録される。

ビオンは一連のセミナーとスーパーヴィジョンで、抽象的符号や数学的隠喩に言及しておらず、著作の難解な文体とのコントラストが際立っている。一貫したビオンの平易な語りは、ビオンの思索をより理解しやすくするだけでなく、純粋理論を面接室に持ち込むことの不可能性、あるいは、理論と臨床の絶妙な均衡を予示し、ビオンの後期思想への動線を見ることができる。

ビオンの臨床理論を理解する導きの糸を、ビオンの肉声で。
目次
謝辞|バーネット・D・マリン
編者について
緒言|ジェームズ・S・グロットスティーン
序論|ジョゼフ・アグアヨ、バーネット・D・マリン

第一回セミナー|一九六七年四月一二日
 Oと言語の問題
 記憶と欲望
 臨床例
 分析者の妄想分裂ポジションと抑うつポジション
 聴衆からの質問

第二回セミナー|一九六七年四月一四日
 投影同一化、容器/内容
 言語の問題
 臨床例
 聴衆からの質問
 神秘論者と体制

第三回セミナー|一九六七年四月一七日
 ビオンによる精神病患者の治療
 聴衆の一員が提示した症例についてのビオンのコメント

第四回セミナー|一九六七年四月一九日
 ビオンによる境界精神病患者の治療
 聴衆からの質問
 障害のある患者における視覚的幻覚と聴覚的幻覚
 キリスト教的神秘論者

精神分析的症例提示|一九六七年四月一三日
 患者と症例提示者からの大量の情報を特徴とする症例における、記憶と欲望を放棄することの有用性

付録|ウィルフレッド・R・ビオン――記憶と欲望に関する覚書
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