「おとっつァんを殺した奴は、この世に生かしておけねえ」──ある日、十四、五の勇次という少年が「地獄屋」を訪れてきた。父が近ごろ頻発する辻斬りに襲われ惨死。その敵討ちの助太刀をしてほしいという。
だが、現場で死骸を見た「地獄屋」の面々は困惑した。盆の窪から喉までひと突きに貫かれていたのだ。相当な手練れの仕業である。その遣い手は大親分・稲左衛門とつるむ渋谷重三郎という牢人で、突きは “死突き”と呼ばれ、恐れられていた。ひとりの剣客として死突きと勝負してみたい……安田平兵衛は意を決する。
果たして最凶の突きに対し、老刺客はどう立ち向かうのか? そして、片桐右京に鍛えられた勇次は、本懐を遂げることができるのか!? 山場を迎える人気剣豪小説、第十二弾!