昨今、家や事務所などに侵入して金品を盗む、空き巣をはじめとした侵入窃盗が問題となっています。警察庁の発表によると、住宅を対象とした侵入窃盗は令和7年に日本全国で1万7,152件発生しており、1日あたり約47件、ほぼ30分に1件のペースで被害が発生している計算になります。
こうした犯罪は、金品の被害だけでなく、住人に大きな精神的負担を与えることも少なくありません。
被害を防ぐには、普段から自宅や事務所の防犯について考え、侵入されにくい環境を整えておくことが大切です。また、防犯設備は設置する場所や周囲の環境によって必要な機能も異なるため、それぞれの状況に合わせた対策が求められます。
被害を防ぐためには、鍵や防犯カメラ、センサーライトなどの市販製品を導入するだけでなく、自宅や事務所の構造、生活スタイル、必要な機能に合わせて防犯対策を考えることが重要です。しかし、市販の防犯機器だけでは「欲しい機能がない」「複数の機器を連携させたい」といった要望に応えられない場合もあります。
本書では、自作機器や既製品を組み合わせ、実用的な防犯システムを構築する方法を解説します。
ESP32を利用した監視カメラやカーテンの自動開閉ロボットといった作例に加え、既製品を改造したり、ドアや窓の開閉を検知するセンサーとボタン押しロボット、ネットワークカメラなど、複数の機器を連携させたりすることで、より柔軟で実践的な防犯システムを作るための作例を紹介します。
電子工作で機器を製作するだけでなく、市販のスマートデバイスを組み合わせることで、用途や設置場所に応じて構成を変更できる点も本書の特徴です。
さらに、代表的なスマートホーム基盤であるHome Assistantの導入から基本的な使い方も解説。MQTTを利用して自作機器をHome Assistantと連携させる方法も紹介します。
掲載する作例はすべてHome Assistantに登録できます。そのため、すでにスマートホーム環境を構築している場合にも組み込みやすく、既存の環境を活用しながら自作した防犯機器を追加できます。Home Assistantを使ったことがない読者でも、本書の作例を通して基本的な仕組みを学べる構成です。
「既製品を導入するだけではなく、自分の環境に合った防犯設備を作りたい」という読者におすすめの一冊です。