「玄冬のひととき」では、人生の後半、日々の暮らしのなかで感じた思いや持論を素直に記述した。
「玄冬」(中国五行思想)は人生の後半を意味する。単なる「冬」よりも趣深い表現となるよう意識して、既に書き終わった文章を心静かに、見直していったのだったが、この歳になって、まだ何かに抗している自身がいる。情趣を味わい人生の機微を反芻する「白秋」の心境にも達することができず、抗している何かの正体もよくわからない。だから、この本は、その正体に近づくために、更なる自己探求を推し進める書となっているのだ。身の回りのできごとや、世相を見る時、その時の思いや持論をできるかぎり多面的に表現してみようとした。残り少ない人生において「玄冬」の「ひととき」を記録しておくことが、日々の暮らしに緊張感を与える刺激となり、何歳になっても、新しい「発見」をもたらしうることに気づくこととなった。人それぞれに違いはあるが、やはり、適度な運動、シンプルな食習慣、衛生習慣を続けながら「知らないことは調べてみる」「知っていたつもりも改めて調べなおしてみる」に尽きる。持続する探求心によって、達成感と満足感が得られるのである。欲深くして己の心は憐れ、である。