D・H・ロレンスの絵画Ⅱ
  • 発売日:2026/08/17
  • 出版社:彩流社
  • ISBN:9784779131387

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D・H・ロレンスの絵画Ⅱ

D・H・ロレンスの絵画Ⅱ

通常価格 6,600 円(税込)
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商品説明
チャタレー夫人のヴィジュアリティ「絵はことば、ことばは絵、それがすべて」 【口絵】カラー図版収載!

2024年『D・H・ロレンスの絵画―『チャタレー夫人の恋人』の作家が描いた「裸体画」を読む』を上梓したことで、ロレンスの絵画研究における集大成としたつもりでいたのだが、この本でさえも、やはり、未だ完全には絵画自体に「棲みつけない」という違和感が消えやらずにあり、居ても立ってもいられない気持ちが生みだされてしまっていた。その違和感の元はと言えば、悶々とし、判然としないまま、明確な解釈ができないでいた「楽園に逃げ戻る」の絵画表象の存在であった。絵の中に描かれた工場の二本の煙突は、なぜ一本が男根の形をし、もう一本はそうでないのか?「リンゴを投げ返す」に描かれた二本の樹幹は、なぜその一本に樹根が描かれ、もう一本にそれがないのか?既に前作で、「画面から退場する馬/人物」を描いた「生と死の循環性」を表象する戦略:ファースト・ペンギン的解釈から、33点の「裸体画」とそれぞれの文学言説との関係まで、明らかにしていったはずであったが、それでも、この「二本」の一方と他方の意味合いへの違和感は残されてしまったのだ。そこで「楽園に逃げ戻る」と「リンゴを投げ返す」に二本の煙突と樹幹を描き入れることで、ロレンスは、如何なる自身の文学言説を色彩言説化としたのかを、再度、細部に亘り、再探究することにしたわけである。改めてチャタレー三作の「文学言説」を精読し直すことで、ロレンスの「文学言説」と、「裸体画」の「色彩言説」との間にある相互作用的な関連が一層明瞭に現れてくることを発見できた。筆者にとっては、「二本の煙突」と「二本の樹幹」に企図したロレンスの「したり顔」が「文学言説」自体から読み取れたことが「エウレカ」の思いであった。また、文学と絵画のヴィジュアリティが100%相互作用していることを把握できるようになったことで、「楽園に逃げ戻る」の色彩言説に、ロレンスが言っている意味で「より棲みつく」ことができるようになったのである。そして、チャタレー三作における文学言説の一字一字に込められた〈創作決意〉は、総じて33枚の裸体画に刻み込まれた色彩言説と分離不能であることを会得できた。本書は「楽園に逃げ戻る」を解読し続けることで、著者が至り着いた「歓喜」の一冊となっている。
目次
第1章 「楽園に逃げ戻る」の成立まで:「文学」と「裸体画」の関連を見る
第2章 「楽園に逃げ戻る」(1927年2月初旬制作)について―絵画の構想
第3章 「楽園に逃げ戻る」の構図と画風―迸るモダニズム
第4章 〈作家〉ロレンスの芸術活動にみるアダムとイヴ表象
第5章  ロレンスの文学言説にみるアダムとイヴ言説
第6章 「逃げ戻る森」の表象―‘She was like aforest.’
第7章 「黒いロープ」(枷) の意味
第8章 「工場の二本の煙突」と「炎」の意味
第9章  文学言説にみるボート( 船・舟・海・波) のイメージ
第10章「戦う男」と「裸のイヴ」への変容―楽園(性愛)の意味
第11章 ロレンスが対峙したモダニズム絵画
第12章「楽園に逃げ戻る」批評史
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