今、そこにある公害

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今、そこにある公害
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商品説明
公害は過去のもの? 公害研究、原発事故、薬害や香害、市民が歴史と紡ぐもやい直し……など、さまざまな角度から私たちに身近な「公害」を学ぶ

いま改めて私たちに身近な問題として「公害」と向き合い考えるために。中央大学で行われた、研究者や実践家によるさまざまなトピックを網羅したリレー授業を臨場感あふれる講義スタイルで再現。学生や聴講する人びとに向けて熱く、そして、親しみやすく語られる新たな時代の公害学入門


これだけ多様な領域にわたる研究者や実践家が、公害という一つのテーマのもとに論稿を寄せた本はあまり類例がないのではないかと思います。[…]加えて、いくつかの論稿では今日の国際社会のキーワードとなっている「SDGs」や「持続可能性」といった点にも議論が及んでいます。いずれも現在進行形のテーマである公害とSDGs・持続可能性の問題がどう接続するのかということにも着目していただければ、公害を考えることの現代的な意義がより浮かび上がってくるものと思います。


 

著者紹介

清水善仁*(しみず よしひと)
中央大学文学部准教授
担当:まえがき、第10章、あとがき

鳥羽耕史(とば こうじ)
早稲田大学文学学術院教授
担当:第1章

纐纈あや(はなぶさ あや)
映画監督
担当:第2章

田口卓臣(たぐち たくみ)
中央大学文学部教授
担当:第3章

友澤悠季(ともざわ ゆうき)
長崎大学環境科学部准教授
担当:第4章

及川淳子(おいかわ じゅんこ)
中央大学文学部教授
担当:第5章

春日あゆか(かすが あゆか)
広島大学大学院人間社会科学研究科准教授
担当:第6章

安藤聡彦(あんどう としひこ)
埼玉大学教育学部名誉教授
担当:第7章

川瀬晃弘(かわせ あきひろ)
東洋大学経済学部教授
担当:第8章

斉藤吉広(さいとう よしひろ)
稚内北星学園大学(現育英館大学)元学長・理事長
担当:第9章

林公則(はやし きみのり)
明治学院大学国際学部教授
担当:第11章

林美帆(はやし みほ)
岡山理科大学教育推進機構基盤教育センター准教授
担当:第12章

榎本泰子(えのもと やすこ)
中央大学文学部教授
担当:第13章
目次
まえがき

第1章 SDGs以前の公害と記録映画
古い記録映画から新たな問題の解決策を探る 鳥羽耕史
1 高度成長と公害
2 大気汚染の記録映画
3 海洋汚染と記録映画
4 放射能汚染と記録映画
5 SDGs と公害

第2章 問題を見ることから暮らしを見ることへ
原発計画に抗う島の暮らしを撮る 纐纈あや

1 ドキュメンタリー映画を仕事にするまで
2 原発計画に抗い続ける人びととの出会い
3 ドキュメンタリーとは関係性の上に成り立つ表現行為
4 暮らしを撮る
5 原発計画によって壊されたものとは

第3章 産業の破壊性、その極点としての核-原子力
ギュンター・アンダースの視点から考える 田口卓臣

1 はじめに
2 福島第一原発事故の影響
3 製品と想像力の「落差」
4 巨大な機械-装置のネットワーク
5 核-原子力による破壊の範囲
6 いつでもどこでもありうる公害と戦争:想像力を拡張する訓練へ

第4章 飯島伸子における「被害」の環境社会学
社会的災害という共通の枠組みから 友澤悠季

1 公害と社会学
2 飯島伸子の仕事
3 被害構造論の視座:被害の派生と見えにくさ
4 薬害スモン調査と訴訟での証言
5 「被害」の環境社会学の起点
6 公害が問うた学問のあり方

第5章 公害と地域研究
国境のない公害に想像力と創造力を持って向き合う 及川淳子

1 はじめに
2 地域研究の視点
3 中国における公害問題
4 SDGs の視点で考える「公害」
5 最後に

第6章 歴史学と公害
イギリス近代の歴史から 春日あゆか

1 歴史学から公害を考える
2 近世の都市環境
3 19世紀の汚染問題
4 問題への対応
5 健康被害の認識とその後の汚染
6 現在への展望:気候変動問題と煤煙問題の比較

第7章 公害と教育学
公害に対して教育学者は何を論じてきたのか 安藤聡彦

1 教育学は公害にどう向き合ってきたか
2 公害は子どもに何をもたらしているのか
3 公害を問題化/解決/予防するために、おとなにはどのような学びが必要なのか
4 学校における公害の学びはどうあるべきなのか
5 まとめ

第8章 香害の問題について経済学の視点で考える
「悪意なき汚染」を止めるために、何ができるのか 川瀬晃弘

1 はじめに
2 私たちがそれを選ぶわけ
3 公害と「香害」
4 空気とはどのような財か
5 自由な選択を制約する
6 私たちに何ができるか

第9章 香りがもたらす公害
「香害」とどのように向き合うべきか 斉藤吉広

1 今、そこにある「香害」
2 「日用品による公害」という困難
3 企業と行政の論理と倫理
4 メディアがつくった「香り」志向
5 自律する消費者・生活者へ


第10章 薬がもたらす公害
薬害スモンの事例から考える 清水善仁

1 はじめに:「薬害」という言葉について
2 薬害スモンの発生
3 スモン患者たちの闘い:裁判闘争へ
4 薬害の教訓を伝える取り組み
5 「薬害」と「公害」と:共通点と相違点
6 おわりに:薬害を学び、伝えることの今日的な意義とは

第11章 軍事環境問題から考える平和の経済学(試論)
軍事環境問題研究から対話研究までの道のり 林公則

1 はじめに
2 平時の軍事環境問題を研究することの意義
3 軍事財政政策への違和感から社会的金融研究へ
4 生命性を大事にする経済のあり方の模索
5 平和の経済学における対話研究の可能性

第12章 公害地域再生
水島の事例から 林美帆

1 公害地域の再生
2 水島と公害地域再生
3 水島と困難な過去
4 公害反対運動と裁判
5 公害資料館をつくる
6 みずしま地域カフェと『水島メモリーズ』
7 地域の価値をつくる

第13章 公害を身近に感じてもらうために
パネル展「化学物質過敏症・香害・SDGs」を開催して 榎本泰子

1 はじめに
2 なぜ「パネル展」なのか
3 開催の事前準備
4 学内外からの反響
5 社会への影響と今後の課題
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