みんなのための生涯学

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商品説明
早く大人になりたいと思っていた子ども時代。自由な子どもがうらやましい大人。あなたはどのように年をとりたいですか。超高齢社会日本に必要なものはなんでしょうか。本書では、科学的知見から「成長から衰退へ」という生涯観を刷新します。

年をとるってとっても素晴らしい!



 「生涯学」を展開するにあたり,私たちは生物心理社会モデルに則ったアプローチを進めてきました。…(略)…さらにそれらの研究成果を,生涯学習を媒介として社会へ還元することで,基礎から応用までの展開を進める多元的な人間研究を実施してきました。…(略)…そのような学問的基盤によって,「衰退」へ向かうだけであると従来は理解されてきた私たちの人生は,本当は明るい未来への「成熟」であることが再確認され,社会全体が明るい未来へ向かって人生を全うできるようになるのではないかと思います。つまり「生涯学」は,明るい未来へ向かう「成熟」の中で,みなが人生を楽しむための科学でありたいと私たちは願っています。(「はじめに」より)



〈編者〉
月浦 崇 担当:第1章
京都大学大学院人間・環境学研究科教授

柴田 悠 担当:第12章
京都大学大学院人間・環境学研究科教授

金子守恵 担当:第13章
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授

〈執筆者〉(執筆順)
小池進介 担当:第2章
東京大学大学院総合文化研究科進化認知科学研究センター准教授

木村 亮 担当:第3章
大阪大学大学院連合小児発達学研究科教授

石原 暢 担当:第4章
神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授/同高等学術研究院卓越准教授

江川美保 担当:第5章
京都大学大学院医学研究科(婦人科学産科学)助教

寺本 渉 担当:第6章
熊本大学大学院人文社会科学研究部教授

松井三枝 担当:第7章
金沢大学国際基幹教育院教授

権藤恭之 担当:第8章
大阪大学大学院人間科学研究科教授

松田英子 担当:第9章
東洋大学社会学部教授

原田悦子 担当:第10章(共著)
筑波大学名誉教授,㈱イデアラボ・リサーチディレクタ

澤田知恭 担当:第10章(共著)
筑波大学大学院人間総合科学研究群博士後期課程

筒井淳也 担当:第11章
立命館大学産業社会学部教授

倉田 誠 担当:第14章
東京医科大学医学部教授

安元佐織 担当:第15章
大阪大学人間科学研究科准教授

笠井賢紀 担当:第16章
慶應義塾大学法学部政治学科准教授

石井山竜平 担当:第17章
東北大学大学院教育学研究科准教授
目次
序章 生涯学へようこそ!―「脳・体」「心」「社会」から生涯を捉えなおす(月浦 崇・柴田 悠・金子守恵)
  認知機能の衰えをカバーする認知予備力
  人間を,生物的側面・心理的側面・社会的側面の3つの面からみる
  社会実装の窓口となる教育学
  生涯にわたる成熟=「個人の認知予備力」+「社会の予備力」?  
  「老いずに生きるためのコツ」だけではなく  

第1部 「脳・体」から生涯を捉えなおす

第1章 年を取ると記憶は悪くなる?―脳からみる記憶の多様性と加齢による変化(月浦 崇)
  1 記憶のタイプによって加齢による影響は異なる  
  2 記憶の促進効果と加齢  
  3 加齢による脳領域の役割分担の変化  

第2章 脳画像を通してヒトの生涯をみる(小池進介)
  1 脳の生涯をみる  
  2 ストレスで脳はどう変化するのか 
  3 脳が大きいことは良いこと?  

第3章 「加齢」と「老化」の違い―神経発達症の研究でわかってきたこと(木村 亮)
  1 「老いる」と「老ける」は,似て非なり 
  2 老化の程度を知るには?  
  3 神経発達症の加齢と老化について 
  4 エピジェネティック年齢を用いた研究の課題  

第4章 身体活動と脳の健康(石原 暢)
  1 運動不足に陥る人々  
  2 中高齢期の身体活動と脳の健康  
  3 子どもの身体活動と脳の健康  
  4 1回の運動でも一時的に認知機能が向上する  
  5 日常生活に運動を取り入れよう  

第5章 生涯にわたる女性のこころとからだのヘルスケア(江川美保)
  1 女性のライフステージ,女性特有の体調不良  
  2 月経トラブルへの対処法  
  3 更年期障害への対処法  
  4 女性ホルモンの波に振り回されないで!

第2部 「心」から生涯を捉えなおす

第6章 知覚の加齢変化―補い合う感覚(寺本 渉)
  1 加齢による感覚・知覚の機能低下  
  2 補い合う視覚と聴覚  
  3 統合的な身体感覚  
  4 統合的な身体感覚と身体運動機能との関連性  
  5 身体運動機能を高めよう  

第7章 認知機能における予備力の役割―精神・神経疾患の理解のために(松井三枝)
  1 認知予備力の概念の歴史と定義  
  2 症例の紹介  
  3 認知予備力に関した研究紹介  
  4 認知予備力という予防的蓄積  

第8章 生涯学から日常生活を科学する(権藤恭之)
  1 生活文脈の影響について調べる  
  2 生活文脈の測定の実際  
  3 生活文脈研究の実際  
  4 生活文脈に対する介入の可能性  
  5 時代とともに変化する生活文脈

第9章 睡眠中にみる夢を味方に人生をデザインする(松田英子)
  1 夢と生物・心理・社会モデル  
  2 夢を生み出す睡眠のメカニズム  
  3 夢の素材―夢を構成する情報と個人差  
  4 生涯発達と夢のテーマ  
  5 悪夢の語りが教えてくれること  

第10章 高齢者との会話を知る―会話の認知的加齢研究(原田悦子・澤田知恭)
  1 認知的な加齢とは何だろうか  
  2 認知心理学研究に基づく高齢者との会話の特性  
  3 若者は高齢者による会話のエラーにどう対処しているか  
  4 超高齢社会ならではの高齢者との会話研究の意義  

第3部 「社会」から生涯を捉えなおす

第11章 孤立しない人生を送るには?―高齢期の社会参加を調査研究する(筒井淳也)
  1 高齢化で孤立の問題が注目されている  
  2 家族を持てば孤立しないのか  
  3 つながりのある社会へ  

第12章 幸せな生涯を送るには?―余暇・裁量・頼り合い(柴田 悠)
  1 人生は「中年期」が最も苦しい  
  2 「苦難の中年期」を乗り越えるには?
  3 「余暇」「裁量」「頼り合い」  

第13章 技能の習得と多元的な発達観(金子守恵)
  1 土器を製作する女性職人の一生  
  2 人類学的な研究では,どのように人間の一生を描いてきたか 
  3 人間の生涯を描きだす方法とは?  
  4 女性土器職人の社会文化的な役割とライフステージ 
  5 年長女性職人のテクノ・ライフヒストリー  
  6 土器を製作する技能と多様な生き方  

第14章 モノとともにあるヒトの生涯―「できる」「できな い」とはどういうこと? (倉田 誠)
  1 「能力」とは?  
  2 標準化されるヒトとモノ  
  3 「できない」ことはなぜ問題になるのか 
  4 新しい見方を考えよう  

第15章 「高齢期」って何色?―「高齢者イメージ」を調査する(安元佐織)
  1 高齢者イメージ  
  2 高齢者のセルフイメージを理解する調査  
  3 高齢期を肯定的に語ることができる社会にするために

第16章 よりよく共に生きるためのレパートリー(笠井賢紀)
  1 共生社会のレパートリー  
  2 共によりよく生きるための民俗的な行事  
  3 レパートリーとしての民俗行事を残すべきなのか  

第4部 社会実装に向けて

第17章 生涯学習政策のこれまでとこれから(石井山竜平)
  1 教育政策担当者にとっての生涯学習政策  
  2 社会教育研究の立場からみた生涯学習政策  
  3 議論 地域における学習と連帯をこれからつくる  
  解  題
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