地域調査のはじめかた

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商品説明
苦しくも楽しい、地域調査!

都市、農業、漁業、民族、ジェンダーといったテーマを専門とする気鋭の地理学者11人が、自らの実際の論文を題材に、執筆時の苦労と試行錯誤を失敗談も含めて包み隠さず語り、地域調査の方法と魅力を伝える!
地域調査に関わるすべての人のための必携入門書


■執筆者紹介(*は編者、執筆順)

坂本優紀*
筑波大学大学院生命環境科学研究科、博士後期課程修了。博士(理学)。現在、東京都立大学都市環境学部助教。専門は文化地理学。

田中雅大*
首都大学東京大学院都市環境科学研究科、博士後期課程修了。博士(地理学)。現在、東京都立大学都市環境学部准教授。専門は社会地理学、地図学、地理情報科学。

熊野貴文
京都大学大学院文学研究科、博士後期課程修了。博士(文学)。現在、北海道教育大学教育学部旭川校講師。専門は都市地理学。

小林 基
大阪大学大学院文学研究科、博士後期課程修了。博士(文学)。現在、摂南大学国際学部講師。専門は経済地理学。

崎田誠志郎
名古屋大学大学院環境学研究科、博士後期課程単位取得満期退学。博士(地理学)。現在、久留米大学文学部准教授。専門は漁業地理学、文化生態学、政治生態学、コモンズ論、ヨーロッパ地域研究。

鎌倉夏来
東京大学大学院総合文化研究科、博士後期課程修了。博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専門は経済地理学、工業地理学。

甲斐智大
金沢大学大学院人間社会環境科学研究科、博士後期課程修了。博士(学術)。現在、大分大学経済学部准教授。専門は経済地理学・都市社会地理学。

桑林賢治
京都大学大学院文学研究科、博士後期課程修了。博士(文学)。現在、山形県立米沢女子短期大学日本史学科講師。専門は文化地理学。

近藤祐磨
九州大学大学院人文科学府、博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。現在、福岡大学人文学部講師。専門は社会地理学。

久島桃代
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科ジェンダー学際研究専攻、博士後期課程修了。博士(社会科学)(2016年)。現在、大阪樟蔭女子大学学芸学部教員。専門は社会・文化地理学、フェミニズム。

申 知燕
東京大学大学院総合文化研究科、博士後期課程修了。博士(学術)。現在、お茶の水女子大学基幹研究院准教授。専門は移民研究、都市地理学。

矢ケ﨑太洋
筑波大学大学院生命環境科学研究科、博士後期課程修了。博士(理学)。現在、兵庫県立大学大学院地域資源マネジメント研究科准教授。専門は災害地理学と人文地理学。

原 裕太
京都大学大学院地球環境学舎、博士後期課程修了。博士(地球環境学)。現在、東北大学災害科学国際研究所助教。専門は環境地理学、地域研究(中国、農山村)、自然共生システム。
目次
はじめに


第1章 都市の地域調査
    複数の方法を組み合わせて多角的に都市を調べる(熊野貴文)
 1 研究目的の設定
  1-1 まち歩きでの気づきから
  1-2 研究の目的を打ち出す
 2 公的統計を用いた大都市圏スケールの分析
  2-1 統計データを入手する
  2-2 地域メッシュ統計を利用する
  2-3 統計データを加工・地図化する
 3 住宅地図を用いた街区レベルの分析
  3-1 住宅地図を使う際の留意点
  3-2 想像力を働かせながらの比較作業
 4 不動産業者へのインタビュー調査
  4-1 卒業論文調査での苦い経験
  4-2 業界団体へのアポイント
  4-3 インタビューの実際
 5 論文の執筆
  5-1 論文全体の構成を考える
  5-2 異なる調査方法の結果を論理的に結びつける
  5-3 個別の事例を一般化する

第2章 農業の地域調査
    新たな道を切り開くみなさんへ(小林 基)
 1 はじめに
  1-1 フィールドワークとは
  1-2 フィールドに赴く準備:「仮説」についてどう考えるか
 2 論文のテーマ設定の経緯
 3 農業地理学という分野の特徴と注意点
  3-1 調査と理論のバランス
  3-2 自分の研究のポイントを考える:地理学としてのオリジナリティと意義
 4 フィールドで行ったこと
  4-1 聞き取り調査はどう進んだか
  4-2 どんな話が役に立ったか
  4-3 地域についての文献を読む
  4-4 統計データを集める
 5 結論を導く
 6 その後の研究の展開

第3章 漁業の地域調査
    海と陸を往還する(崎田誠志郎)
 1 非日常としての漁業調査
 2 漁業調査の下準備
  2-1 テーマが決まらない!
  2-2 予察調査に出かける
 3 2 カ月間の本調査
  3-1 地区別調査の足固め
  3-2 悉皆調査:証言の積み重ねで事実に迫る
  3-3 仕切書の集計:統計がないなら自分で作る
  3-4 操業観察:陸と海とを行き来する
 4 無謀さの功罪
 5 10 年後のフィールドと修士論文

第4章 工業の地域調査
    大企業による研究開発機能の地理に迫る(鎌倉夏来)
 1 テーマの選定
 2 調査の実施:調査対象者への接近・情報収集・心構えなど
  2-1 調査対象への接近
  2-2 調査前の準備と調査後のまとめ
  2-3 調査の心構えと緊張への対応
 3 特許データの分析:拠点間のつながりを探る
 4 調査と論文の執筆:海外調査結果の加筆と公開可否の確認
  4-1 調査しながら加筆する
  4-2 海外での調査と英会話
  4-3 調査の恩返し?
  4-4 調査ができても公表してよいかは別問題
 5 おわりに:「自分のフィールド」がなくても

第5章 労働の地域調査
    理想と現実の間から見る地域の姿(甲斐智大)
 1 読書経験に乏しかった私の研究テーマの設定
  1-1 福祉を学ぶことへの違和感とフィールドワークでの気づき
  1-2 読書経験のなかった私
  1-3 フィールドワークによって深まる文献への理解
 2 無計画な調査計画とネットワークづくり
  2-1 地理学は頭よりも体を使う学問である
  2-2 保育士養成校へのヒアリング調査
 3 気力・体力・そして知力:ヒアリング調査の裏側
  3-1 保育制度への理解と対象者との信頼構築
  3-2 気力と体力のデータ収集
  3-3 「学生」の特権を生かした情報収集
 4 調査したことはすべて記述したい、でも日本語が書けない
 5 地理学で「労働」をとり上げる意味

第6章 文化・社会の地域調査
    和人の立場から試みたアイヌ民族研究(桑林賢治)
 1 研究テーマをめぐる模索と葛藤
  1-1 仮テーマの着想
  1-2 揺れる思い
  1-3 卒業論文投稿で得た学び
 2 フィールドでの出会い
  2-1 二風谷地区での予備調査
  2-2 真歌山での予備調査
  2-3 休学と就活と研究と
 3 本格的な現地調査へ
  3-1 資料調査
  3-2 聞き取りと参与観察
 4 論文の作成と私の進路
  4-1 修士論文の執筆
  4-2 論文の公刊を目指して
 5 文化・社会の地域調査の魅力と意義

第7章 コミュニティの地域調査
    松原と松原に魅せられた人びとに魅せられて(近藤祐磨)
 1 論文の前史:松原との出会い
  1-1 実習地決めの攻防と「野党共闘」
  1-2 実習の延長としての卒業論文
 2 研究上の位置づけの模索
  2-1 卒論に向けた文献渉猟
  2-2 研究の位置づけのさらなる模索:理論を求めて迷子に
 3 福津市における現地調査
  3-1 文書の収集
  3-2 インタビュー
  3-3 屋外での観察
 4 修士論文へのまとめと改稿:タテをヨコに見る

第8章 ジェンダーをめぐる地域調査
    フィールドのあわいでゆらぐ(久島桃代)
 1 はじめに
 2 はじめてのフィールドワークと課題
  2-1 卒業論文執筆時の出来事
  2-2 フィールドで露わになった「裂け目」
 3 女性移住者「織姫」の調査開始
  3-1 織姫の調査へ
  3-2 ジェンダーへの意識の芽生えと調査方法の見直し
  3-3 海外留学がもたらしたこと
 4 住み込み調査開始と「女性移住者」体験
  4-1 住み込み調査がもたらしたこと
  4-2 裂け目、再び?

第9章 エスニシティをめぐる地域調査
    エスニックな人びとをみる(申 知燕)
 1 研究の始まり
  1-1 偶然の連続が招いたアメリカ行き
  1-2 先行研究と実生活での感覚のズレ
  1-3 あまり見えない人びとを見るために
 2 いざ、調査へ
  2-1 統計データの把握 
  2-2 文献の整理
  2-3 インタビュー調査に出る
 3 苦難の時間:それでも調査を楽しむためには?
  3-1 辛いからこそ、ひたすら外に出てみる
  3-2 意外なところでの出会い
 4 データの分析と整理
 5 原稿が論文になるまで
 6 論文掲載、その後
  6-1 分野の魅力、地域調査の意義
  6-2 研究手法も更新していく

第10章 災害の地域調査
    それでも地域社会は存続する(矢ケ﨑太洋)
 1 災害を調査・研究する価値と苦悩
 2 東日本大震災との邂逅とその前夜
 3 被災地における調査とテーマの迷い
 4 舞根の防災集団移転の調査
 5 レジリエンスとの出会い
 6 学術誌への投稿と苦悩
 7 学術論文のその後
 8 災害研究に挑戦する研究者へ

第11章 自然との関わりの地域調査
    鳥の目・虫の目で多様な情報を紡ぎ、紐解く(原 裕太)
 1 黄土高原に惹かれて
 2 カウンターパートの構築と協力
 3 フィールドでの紆余曲折
 4 フィールドで何が分かったか?
 5 新たな出会いと着想
  5-1 中国農業史研究の深さと広がり
  5-2 黄土高原南部のリンゴ栽培試験場の見学
  5-3 政府統計を用いた農牧業の傾向把握
 6 論文にする
  6-1 仮説の設定とさらなる文献レビュー
  6-2 いよいよ解析へ
 7 研究資金の調達
 8 その後


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