現象学的質的研究入門

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商品説明
現象学をはじめてみませんか

語り手の経験に敬意を持ち、語りを可能な限り丁寧に扱う。語りのなかに隠れているその人の経験と思考の襞を精密に解きほぐしていく
――大阪大学と東京大学で15年近くにわたって著者が行ってきた授業を踏まえた入門書


「現象学的な質的研究」という方法論がある。哲学の一分野である現象学から派生したのだが、ケアの現場から貧困や植民地主義といった社会課題にいたるさまざまな領域を分析しうる方法論だ。
地味な名前なのだが、しかし〈経験のリアリティ〉を伝える方法として革命的な意味を持つ。近代の学問の前提をくつがえすのだ。(「序章」より)



●著者紹介(五十音順,*編者)

執筆者紹介

村上靖彦(むらかみ やすひこ)

1970年、東京都生まれ。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在、大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員。専門は哲学と現象学的な質的研究。
著書に『客観性の落とし穴』(筑摩書房)、『ケアとは何か――看護・福祉で大事なこと』(中央公論社)、『「ヤングケアラー」とは誰か――家族を“気づかう”子どもたちの孤立』(朝日新聞出版)、『鍵をあけはなつ――介護・福祉における自由の実験』(中央法規出版)、『傷つきやすさと傷つけやすさ――ケアと生きるスペースをめぐってある男性研究者が考えたこと』(KADOKAWA)など。共著に『アイヌがまなざす――痛みの声を聴くとき』(岩波書店)などがある。
目次
序 章 現象学的な質的研究とそこから帰結する世界
 一人ひとりに固有の経験と向き合うために

1 経験のリアリティを記述する
2 現象学的な質的研究のはじまり
3 本書の構成


第1章 語りを読み解く技術
 インタビューに表れるその人固有のリズムと構造

1 現象学的な質的研究はいつ力を発揮するのか
2 現象学は、運動の内側から構造を記述する
3 現象学的質的研究の要点
4 まとめ


補章1 自分が伸びる喜びを子どもが感じる
 児童自立支援施設の支援者浅川孝之さん

1 子どもの変化
2 浅川さんの変化
3 子どもが自発的に勉強する
4 まとめ


第2章 語りを聴く
 インタビューの技法

1 自由な即興の語りを分析するのはなぜか
2 「自由にお話しください」
3 話はまとまりがない方がよい
4 一人の語りで論文一本
5 データは飽和しない
6 参与観察


第3章 語りを読む
 逐語録との向き合い方

1 逐語録
2 ディテールの分析
3 全体の構造


第4章 現象学の倫理
 語り手への配慮と語り手からみた「私」

1 語り手の個別性を尊重する
2 社会から排除される人へのまなざしと要求される倫理
3 現象学に課せられる研究倫理
4 人権倫理と、倫理的な実践の理念
5 哲学上の倫理学との関係


補章2 事例分析と手順の解説
 認知症を持つ人と約束する

1 人を認める、自分を認める
2 組織の立て直し
3 利用者が思いを伝える、スタッフが考え続ける
4 考えることと空間
5 約束と小さな願いごと:看取りの事例
6 まとめ


第5章 この世界と人間の経験はどのような姿をしているのか?
 現象学的質的研究と哲学

1 経験と語りの関係について
2 経験の個別性と地平

結 論 多元的宇宙
個々人の生をまなざしながら社会構造を意識する

あとがき

現象学的な質的研究ブックリスト

事項索引
人名索引
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