実践から学ぶ医療社会学

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商品説明
「医療」の実際に迫る新たなテキスト!

医療は私たちの日常に深く根ざした、切っても切り離せないもの。日々の生活のなかで、私たちはどのように「医学的知識」を用い、向き合っているのだろうか?

本書では、患者や専門家をはじめとする人びとの多種多様な営みを、インタビューや文献研究、エスノメソドロジーといった質的研究の手法を通して丹念に解きほぐしていく。

第Ⅰ部ではがんや遺伝性疾患の患者・当事者の経験に焦点を当て、第Ⅱ部には専門家の実践に着目したエスノメソドロジー・会話分析研究を収録。また各章末のコラムでは、調査研究の手がかりになるようなトピックを取り上げる。

 


ある人は患者として、ほかの患者や家族と知識を共有したり継承しようとしたりすることもあれば、同じ専門家であっても、一つの診断名を異なるしかたで理解していることもあるなど、医学的知識の用い方はさまざまである。これらは、医学的知識の用い方が、その人が何者として、どのように医学的知識と向き合っているのかということと大きくかかわっていることを示している。本書は、こうした人びとの医学的知識との向き合い方を、丹念に解きほぐそうとする試みである。(序章より)


 

●著者紹介(執筆順、*は編者)
河村裕樹(かわむら ゆうき)*
松山大学人文学部社会学科 准教授
担当:まえがき/序章/第Ⅱ部ナビゲーション/第5章・コラム/第7章

李怡然(り いぜん)*
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野 准教授
担当:第Ⅰ部ナビゲーション/あとがき

菅森朝子(すがもり あさこ)
立教大学社会学部 助教
担当:第1章・コラム

河田純一(かわた じゅんいち)
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野 特任研究員
担当:第2章・コラム

齋藤公子(さいとう きみこ)
立教大学社会福祉研究所 研究員
担当:第3章・コラム

木矢幸孝(きや ゆきたか)*
東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野 助教
担当:第4章・コラム

松永伸太朗(まつなが しんたろう)
一橋大学大学院社会学研究科 専任講師
担当:第6章・コラム

池谷のぞみ(いけや のぞみ)
慶應義塾大学文学部 教授
担当:第6章・コラム

吉川侑輝(よしかわ ゆうき)
跡見学園女子大学マネジメント学部 講師
担当:第7章・コラム

海老田大五朗(えびた だいごろう)
新潟青陵大学福祉心理子ども学部 教授
担当:第8章・コラム
目次
まえがき

序 章 医療社会学の新たな試み(河村裕樹)
 1 「医学的知識と向き合う」社会のなかで
 2 これまでの医療社会学とその課題
 3 医療化論と「仮面はがし」の説明図式の持つ課題
 4 医学的知識との多様な向き合い方を記述するために
 5 本書のねらい

第Ⅰ部 当事者の経験・共同性・知識のやりとり
 第Ⅰ部 ナビゲーション

第1章 乳房再建の選択をめぐる知識と身体的コミュニケーション
 ――再建乳房を見る・触ることの語りから(菅森朝子)
 1 再建乳房が写されたポートレート写真を見せてもらう
 2 乳房再建術とは何か
 3 再建乳房を見る・触るコミュニケーションの実際
 4 再建経験者の再建乳房を見る・触ることの意義

コラム 「あなたは当事者ではないのに、どうしてそんな熱心に私たちのことを知ろうとしているのですか」(菅森朝子)

第2章 私たちはいかにして「AYA 世代」となったのか
 ――新たなカテゴリーの成立とメンバーシップの再構成(河田純一)
 1 カテゴリー化と医療社会学の視点
 2 医療・政策における「AYA 世代」の成立過程
 3 カテゴリーの受容とアイデンティティの再構成――若年性がん患者会の事例から
 4 制度的再帰性のダイナミズム

コラム 自分(たち)のことを研究するということ
  ――当事者性と方法論の選択(河田純一)

第3章 がんゲノム医療の知識と患者会活動
 ――肺がん患者会でのフィールドワークから(齋藤公子)
 1 はじめに
 2 先行研究
 3 調査概要
 4 グループOでのフィールドワークから
 5 おわりに――「患者の知識」がやりとりされる患者会活動の意味とは

コラム セルフヘルプグループ研究とピアサポート論(齋藤公子)

第4章 保因者と医学的・遺伝学的知識
 ――保因者の思考と遺伝学的リスクの捉え方(木矢幸孝)
 1 保因者の経験をめぐって
 2 方  法
 3 保因者の経験――A さんの語り
 4 保因者の経験――B さんの語り
 5 「リスク論的思考」と「リスク/危険」概念にみる保因者の語り
 6 保因者が医学的・遺伝学的知識とともに生きるということ
 
コラム 身体・告知・出産からみる遺伝性の病い(木矢幸孝)

第Ⅱ部 医療・福祉的場面の相互行為
 第Ⅱ部 ナビゲーション

第5章 精神医学的知識との向き合い方
 ――精神科医による実践的推論に着目して(河村裕樹)
 1 精神医学的知識をめぐる諸課題
 2 精神科ケースカンファレンスの調査
 3 実践的推論を跡づける
 4 複数の見立ての並立を可能にする精神科医の実践的推論
 5 精神医学的知識との向き合い方を記述するために

コラム 病院フィールドワーク(河村裕樹)

第6章 多職種協働を対象とした研究のハイブリッド性と専門家のスキルの記述
 ――フライトナースのプレホスピタルケアの実践から(松永伸太朗・池谷のぞみ)
 1 フライトナースの実践から専門家の協働を考える
 2 プレホスピタルケアとフライトナースの実践
 3 ワーク(仕事)の記述とハイブリッド性
 4 プレホスピタルケアの実践的マネジメント
 5 OJT を通したスキル形成とハイブリッド研究

コラム ドクターヘリへの院内救急救命士の同乗事例(松永伸太朗・池谷のぞみ)

第7章 音楽療法の効果はどのように説明されるのか
 ――精神医療における音楽療法に着目して(吉川侑輝・河村裕樹)
 1 「効果」を説明することの難しさ
 2 説明実践への着目
 3 調査の概要
 4 音楽療法の効果はどのように説明されるのか
 5 異なる専門職同士の連携にむけて

コラム 音楽療法のなかの薄い記述、厚い記述
  ――セラピストたちへのインタビューから(吉川侑輝)

第8章 「マルチタスク」はどのように達成されたか
 ――科学技術研究所で働く発達障害者たち(海老田大五朗)
 1 問題の所在
 2 研究方法と研究対象
 3 協働作業の分析
 4 何が「マルチタスク」を可能にしたか
 5 マルチタスクを可能にするのは注意の分散というよりむしろ時間の管理である

コラム 障害者雇用のフィールドワーク(海老田大五朗)

あとがき
索  引
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