遺伝性の病いとともに生きる

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商品説明
人生の途上で、遺伝性の病いの患者や保因者になるということ

晩発性の遺伝性疾患の一つ、球脊髄性筋萎縮症(SBMA)。成人期以降に発症した患者たちとその娘である保因者たち。彼・彼女らは「リスク」をどのように意味づけ、家族や周りの人びとと向き合い、人生の選択をしていくのか。

 


SBMA患者は「人生の途上で」患者になり、SBMA保因者もまた「人生の途上で」保因者になった。加えて、それは遺伝性の病いでもあった。彼・彼女たちは、人生の途上で患者もしくは保因者になり、それ以降、どのような経験をしてきたのであろうか。遺伝性の病いとともに生きる、もしくは遺伝学的リスクとともに生きるとは、どのような経験なのだろうか。SBMA患者や保因者の語りを手がかりに、本書ではこの問いに応えながら、彼・彼女らがSBMAとともに生きる経験を描き出していく。【本文からの引用】


 

 

●著者紹介
木矢幸孝(きや ゆきたか)
東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野助教。
2019年3月法政大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。
博士(社会学)。専門は社会学。

主な著作に、「「軽度」とされる患者の困難性――球脊髄性筋萎縮症による身体機能の衰えの感受に着目して」『保健医療社会学論集』32(2): 59?68, 2022.「認知症の発症前予測・予防のELSIと研究倫理」『看護研究』57(5): 459?465, 2024.“Attitudes of patients with IVF/ICSI toward human embryo in vitro culture beyond 14 days,” Regenerative Therapy, 26: 831?836, 2024(共著)など。

 
目次
まえがき――SBMA をめぐる問い

第1章 遺伝性の病いとともに生きる人びとの経験を問いなおす
 1.1 バイオメディカル化される社会
 1.2 リスク社会のナラティブ・可能性の縮減・〈弱い〉運命論
 1.3 「遺伝学的思考」とは何か
 1.4 家族・血縁者に対する「遺伝学的責任」
 1.5 本書の構成

第2章 先行研究の検討と本研究の位置づけ
 2.1 遺伝性の病いとともに生きる人びとの経験
 2.2 遺伝学的リスクの告知と非告知
 2.3 告知と生殖の意思決定における外部化の難しさ
 2.4 本書の目的
 2.5 本書が着目する視座および思考様式

第3章 調査の概要
 3.1 SBMAとは何か
 3.2 SBMAに関する医学研究
 3.3 調査の概要
 3.4 SBMAの会に所属する人の特徴と調査協力者の特徴
 3.5 本書の事例の限定性
 3.6 倫理的配慮

第4章 遺伝学的リスクの意味づけの変容 1人の保因者の生活史
 4.1 1人の保因者の生活史への着目
 4.2 保因者であることを知る
 4.3 保因者の恋愛観と結婚観
 4.4 同棲した異性の存在
 4.5 保因者であることに向き合う
 4.6 「逃げ期」に入る
 4.7 過去の経験の解釈とマッチングアプリの条件
 4.8 積み重ねてきた経験
 4.9 AAさんの保因者であることの経験

第5章 遺伝学的リスクの意味づけの多様性 3人の保因者の語り
 5.1 遺伝学的リスクの意味づけにおける多様性
 5.2 BBさんの意味づけ
 5.3 CCさんの意味づけ
 5.4 DDさんの意味づけ
 5.5 保因者たちの遺伝学的リスクの意味づけ
 5.6 小  括

第6章 慢性の病いと遺伝性の病いとともに生きる
 6.1 SBMA の病いの経験を明らかにする
 6.2 確定診断に至る過程
 6.3 確定診断の受け止め方
 6.4 確定診断以降の身体変化と病いの受け止め方
 6.5 慢性の病いと遺伝性の病いのはざまで
 6.6 保因者の親であること

第7章 遺伝学的リスクの告知と非告知をめぐる子への配慮
 7.1 遺伝学的リスクの告知と非告知
 7.2 SBMA に関する告知と非告知の概略
 7.3 告知の理由
 7.4 非告知の理由
 7.5 子が他者として現れる
 7.6 保因者の父親としての役割と父親像

第8章 遺伝性の病いとともに生きる
 8.1 これまでの議論のまとめ
 8.2 生殖における子の他者性
 8.3 遺伝性の病いと人生の再構築
 8.4 「遺伝学的責任」の生成と内実をめぐって
 8.5 リスク論的思考と別様の思考の可能性
 8.6 本研究の限界
 8.7 個別事例の可能性

あとがき
参考文献
索  引
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